carebase(ケアベース)コラム
2026.1.28 教育・人材育成
執筆者:川﨑翔太
介護マニュアルの作り方を徹底解説|新人教育・業務標準化に役立つ実践手順【専門家監修】
監修者プロフィール
- 監修者名:川﨑翔太
- 現職:介護支援専門員
- 経験年数:介護業界17年(現場7年・介護支援専門員10年)
- 保有資格
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 福祉住環境コーディネーター2級
- 福祉用具専門相談員
- 専門分野
現役のケアマネジャーとして在宅高齢者のケアマネジメント業務に従事。3年前より介護・健康ジャンルを中心にWEBライターとして活動開始。これまでに介護施設の選び方・介護ICT・介護職員の働き方など多数の記事の執筆を経験。 - 経歴概要
介護福祉士として医療機関・介護付き有料老人ホームでの介護現場に従事。ケアマネ資格取得後、地域密着型特養のケアマネジャーを経験し、現在は居宅介護支援事業所ケアマネジャーとして在宅で生活する要介護高齢者のケアマネジメントに携わる。
はじめに:介護マニュアルは「作り方」で現場の負担が大きく変わる
介護現場では、「人によってやり方が違う」「新人教育に時間がかかる」「教えた内容がうまく伝わらない」といった悩みがよくあります。
こうした課題の多くは、業務ルールや手順が十分に共有されていないことが原因です。
そこで重要になるのが介護マニュアルです。
介護マニュアルは業務を標準化し、サービス品質を保ちながら新人教育を効率よく進めるための基本となるツールです。
しかし、「マニュアルを作ったのに使われない」「内容が古くなって放置されている」といった声も少なくありません。
その理由は、マニュアルの内容ではなく、作り方や運用方法が現場に合っていないことにあります。
本記事では、現場で使われる介護マニュアルの作り方をわかりやすく解説します。
目次構成の考え方や文章の書き方、図や写真の活用方法、定期的な見直しのポイントまで、実践的な内容をまとめました。
これから介護マニュアルを作成する方も、見直しを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
介護マニュアルが必要とされる理由
介護マニュアルが必要とされる最大の理由は、業務の属人化を防ぎ、介護サービスの質を安定させるためです。
介護現場では、職員一人ひとりの経験や判断に頼った対応になりやすく、ケアの方法や説明内容にばらつきが生じやすいことが少なくありません。
マニュアルを整備することで、基本的な業務手順や判断基準を統一し、誰が対応しても一定水準のサービス提が可能になります。
また、新人職員にとっても、口頭指導だけに頼らず、業務全体の流れや注意点を体系的に理解できるため、効率的に学ぶことが可能です。
さらに、事故防止やトラブル対応の面でも、事前に定めた手順があることで落ち着いて対応できます。
このように介護マニュアルは、職員の負担を軽減しながら、利用者に安心・安全な介護を提供するために欠かせないツールと言えます。
介護マニュアル作成前に整理すべき3つのポイント
介護マニュアルを作成する前に整理すべきポイントは、以下のとおりです。
- マニュアルの目的
- 対象となる職員
- 現場の業務内容と課題
上記のポイントを事前に明確にすることで、実践的な介護マニュアルが作りやすくなります。
まず、マニュアルの目的を定めることが重要です。
効率的に新人教育を行いたいのか、業務のばらつきをなくしたいのかによって、内容やクオリティは変わります。
目的が曖昧なままでは、現場で活用されない資料になりがちです。
また、対象となる職員の整理も欠かせません。
新人職員向けなのか、すでに現場で働く職員向けなのかを意識することで、説明の内容・深さを調整できます。
さらに、現場の業務内容・課題にも目を向けなければなりません。
たとえば、身体介助や記録の書き方など、判断に迷いやすい業務を洗い出すことで、現場における課題に対応した内容にできます。
このように事前の準備を行うことで、介護マニュアルの作り方や方向性が明確になり、業務の標準化や効率的な職員教育につながります。
わかりやすい介護マニュアルの基本構成
わかりやすい介護マニュアルを作るには、内容の前に構成を考えることも重要です。
構成が整っていないマニュアルは、職員にとって必要な情報が得られにくく、最終的には現場で活用されなくなります。
まず意識するべき点は、目次を業務の流れに沿って構成することです。
1日の業務や利用者対応の順に並べることで、どのような状況でも職員が迷わず確認できます。
また、1つの項目には以下の5つの要素を含めると、より理解しやすくなります。
- 業務の目的(なぜ)
- 具体的な手順(何を、どのように)
- 注意点
- 判断に迷うポイント
- 写真や図解
さらに、全体的な構成として「基本業務」「突発的な対応」「緊急時の対応」などに分類しておくと、情報を探す手間を減らすことも可能です。
視覚的に整理された構成は、新人職員の理解をサポートし、すでに現場で働く職員が確認する際に役立ちます。
構成を意識することが、介護マニュアルの作り方において、現場で使われ続けるためには必ず意識しなければならないポイントと言えるでしょう。
図解・写真を使ったマニュアル作成のコツ
介護マニュアルを効果的に活用するためには、文章だけで説明せず、図解や写真を使うことが重要です。
たとえば、移乗介助は動き方・位置関係・力の入れ方など、言葉だけでは伝わらない要素が多く、文章だけでは理解に時間がかかります。
写真やイラストを活用し、「どこに立つのか」「手はどこに添えるのか」を具体的に示すことで、業務の流れを直感的に理解できます。
また、図解を使って手順を番号付きで示すと、順番の間違いや抜け漏れも防ぎやすいです。
図解・写真を使う際は、以下の3つのポイントを意識すると効果的です。
- 1ページに情報を詰め込みすぎない
- 写真に簡単な補足説明を添える
- 現場の状況に合わせた動作や環境で撮影する
整理された介護マニュアルは、新人職員が効率的な業務内容の学習やすでに働く職員が確認する際に役立ちます。
結果的に、介護マニュアルの作り方そのものが、職員の質を高めることにつながります。
介護マニュアルの具体的な作り方【4ステップ】
介護マニュアルの作り方は、思いつきで進めるのではなく、段階的な手順に沿って進めることが大切です。
場当たり的に作成すると、現場で使われないマニュアルになりやすいため、以下の5ステップで進めることをおすすめします。
①マニュアル化する業務を洗い出す
まずは、介護現場での業務を一覧化します。排泄介助や入浴介助、記録の書き方など、職員が迷いやすい業務を優先的に洗い出します。
②目的と対象者を明確にする
新人向けなのか、全職員向けなのかを整理します。目的が明確になると、説明の内容や深さを統一しやすいです。
③業務の手順を文章化する
「何を・どの順で・どう行うか」を簡潔にまとめます。なるべく専門用語は避け、誰が読んでも理解できる表現を意識しましょう。
④図解・写真を取り入れる
文章だけで伝わりにくい説明は、図や写真を活用します。視覚的な補足によってイメージしやすく、理解度が高まります。
上記の手順を踏まえながらマニュアルを作成した後、現場の変化に合わせて内容を更新することで、実践的な介護マニュアル作りにつながるでしょう。
紙とデジタル、介護マニュアルはどちらが良い?
介護マニュアルを作成する際、紙とデジタルのどちらが良いか考える方もいるのではないでしょうか。
紙とデジタル、どちらか一方に決めるのではなく、現場に合わせて使い分けることが必要です。
それぞれに強みがあり、現場の業務内容やIT環境によって向き・不向きが分かれます。
紙の介護マニュアルは誰でもすぐに確認できるため、以下のようなメリットがあります。
- 電源や通信環境に左右されない
- 現場ですぐに開いて確認できる
- IT操作が苦手な職員でも確認しやすい
しかし、内容を修正するたびに印刷や差し替えが必要になり、更新の手間がかかるデメリットが伴われます。
一方、デジタルの介護マニュアルは、更新・共有がしやすいため、以下のメリットがあります。
- 内容の変更をすぐ反映できる
- 写真や動画を使い、より理解を深めることができる
- スマートフォンやタブレットで確認できる
ただし、端末の操作に慣れていない職員にとって負担を感じる場合も少なくありません。
そのため、基本業務は紙ベースとし、手順変更が多い業務はデジタルといった併用がおすすめです。
介護マニュアルの作り方として、現場の実情に合った形を選ぶことが、継続的な活用につながります。
スタッフに「使われる」介護マニュアルにする工夫
介護マニュアルを作成しても、現場で使われなければ意味がありません。
スタッフに「使われる」介護マニュアルにするためには、現場に定着させるための工夫が必要です。
まずは、全ての職員がすぐに確認できる状態に整えましょう。
必要なときにすぐに見つからないマニュアルは次第に使われなくなるため、以下の方法で整えることがおすすめです。
- 紙マニュアルは現場の目につく場所に配置する
- デジタルの場合は、端末からかんたんに開けるようにする
また、スタッフの声を反映する仕組みを作ることも欠かせません。
実際にマニュアルを活用するスタッフから「分かりにくい」「ここが抜けている」といった意見を集め、定期的に見直すとマニュアルの実用性や活用度が高まります。
さらに、研修やOJTをセットで活用することも効果的です。
新人教育の場でマニュアルを使う習慣をつけることで、マニュアルを見ることが定着します。
このように、使われるマニュアルにするためには、現場で使われ続ける仕組みを整えることが、業務の標準化や安定したサービス提供につながります。
介護マニュアル作成・運用を支援する「carebase(ケアベース)」
介護マニュアルの作成や新人教育に負担を感じている場合、デジタルツールの活用が有効です。
紙での管理では、更新に手間がかかり、共有がうまくできないため、結果として「作っただけのマニュアル」になってしまうケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、carebase(ケアベース)です。
carebase(ケアベース)は、介護マニュアルの作成や教育・運用を一体的にサポートする、介護現場に特化したクラウドシステムです。
テキストだけでなく、動画や画像を使ったマニュアル作成が可能なため、文章では伝えにくい介護手順や動作も直感的に理解できます。
スマートフォンやタブレットから簡単に確認できるため、現場での教育やOJTにも活用しやすい点が主な特長です。
carebase(ケアベース)は単なるマニュアル管理ツールではなく、介護マニュアルを「作って終わり」にしないための運用基盤として活用できます。
まずは資料請求や無料デモで、現場でどのように活用できるかを確認しましょう。
まとめ:介護マニュアルは「作って終わり」にしない
介護マニュアルは、作成すること自体が目的ではなく、現場で使われ続けてこそ意味があります。
業務の属人化を防ぎ、新人教育やサービス品質を安定させるためには、目的や対象者を明確にし、分かりやすい構成で作ることが重要です。
さらに、図解や写真を取り入れ、紙とデジタルを現場に合わせて使い分けることで、使いやすさが大きく向上します。
また、現場の声を反映しながら定期的に見直すことで、マニュアルは「形だけの資料」から「頼れるツール」へと変わります。
介護マニュアルの作り方を工夫し、運用まで含めて考えることが、働きやすい現場づくりと安定した介護サービスの提供につながります。
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