carebase(ケアベース)コラム
2026.6.30
執筆者:川﨑翔太
【専門家監修】介護施設の職員定着率を高める取り組み|離職の真因を把握して「育てて残せる」組織をつくる方法
監修者プロフィール
- 監修者名:川﨑翔太
- 現職:介護支援専門員
- 経験年数:介護業界17年(現場7年・介護支援専門員10年)
- 保有資格
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 福祉住環境コーディネーター2級
- 福祉用具専門相談員
- 専門分野
現役のケアマネジャーとして在宅高齢者のケアマネジメント業務に従事。3年前より介護・健康ジャンルを中心にWEBライターとして活動開始。これまでに介護施設の選び方・介護ICT・介護職員の働き方など多数の記事の執筆を経験。 - 経歴概要
介護福祉士として医療機関・介護付き有料老人ホームでの介護現場に従事。ケアマネ資格取得後、地域密着型特養のケアマネジャーを経験し、現在は居宅介護支援事業所ケアマネジャーとして在宅で生活する要介護高齢者のケアマネジメントに携わる。
介護施設の職員定着に悩んでいませんか?離職の原因を知ることが改善の第一歩
「採用してもすぐ辞めてしまう」
「人手不足で現場の負担が増え、離職が続いている」
このような悩みを抱える介護施設は少なくありません。
介護業界では人材不足が深刻化する中、「採用」だけでなく「定着」が施設運営の重要課題となっています。しかし、離職防止に取り組みたくても、「何から始めればいいかわからない」と感じている管理者の方も多いのではないでしょうか。
実際、介護職員の離職理由には、「職場の人間関係」「業務負担の大きさ」「教育体制への不満」などがあり、複数の要因が重なって離職につながっています。そのため、定着率向上には、働きやすい環境づくりと育成の仕組み化が欠かせません。
本記事では、介護職員が離職する理由をデータとともに解説し、定着率改善に成功している施設の共通点や、管理者が今すぐ取り組める具体策を紹介します。
介護施設で職員定着が重要視される理由
介護施設で職員定着が重要視される理由は、採用するだけでは安定した施設運営が難しいためです。
職員が長く働ける環境を整えることは、現場の負担軽減や介護サービスの質を維持するうえでも重要です。
介護業界では慢性的な人手不足が課題となっており、厚生労働省は2040年に約280万人の介護人材が必要になると推計しています。
また、令和6年度「介護労働実態調査」では、介護職員の離職率は12.4%まで低下した一方、採用率も14.3%まで低下しており、人材確保が難しい状況が続いています。
職員が離職すると、残った職員の業務負担が増え、さらなる離職やサービスの品質低下につながる可能性も少なくありません。
そのため、介護施設では業務負担の軽減、教育体制の整備、情報共有の仕組み化など、介護職員の離職防止につながる取り組みが求められています。
職員の定着率を高めるには、一時的な対策ではなく「長く働き続けたい」と感じられる職場環境を整えることが必要です。
介護職員が離職する本当の理由|データから見る離職の真因
介護施設の職員定着を実現するには、「なぜ介護職員が離職するのか」を正しく把握することが重要です。
給与や待遇だけが原因と思われがちですが、実際には職場の人間関係、業務負担、教育体制など複数の要因が重なって離職につながっています。
令和6年度「介護労働実態調査」によると、介護関係の仕事を辞めた理由として最も多かったのは「職場の人間関係に問題があったため」で24.7%でした。
次いで「他に良い仕事・職場があったため」が18.5%、「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」が17.6%となっています。
特に人間関係の問題では、「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が49.1%と最も高く、職員間のコミュニケーション不足や相談しにくい環境が離職の原因になっていることが分かります。
また、介護現場では身体介助や夜勤、記録業務など多くの業務による負担が発生します。
人手不足によって一人あたりの業務量が増えると、「忙しすぎて利用者と向き合う時間がない」「心身ともに疲れてしまう」と感じ、離職を選ぶことも少なくありません。
さらに、新人教育やキャリア形成の仕組みが整っていないことも、人材定着を妨げる理由の一つです。
十分な教育やフォローが受けられないと職員は不安を抱えやすく、早期離職につながる可能性があります。
そのため、介護施設の定着率向上には、離職理由に合わせた具体的な取り組みが欠かせません。
業務負担の軽減、教育体制の整備、職員同士における効果的な情報共有の仕組み化など、働きやすい環境を整えることが、介護職員の離職防止につながります。
定着率が高い介護施設に共通する3つの取り組み
職員の定着率向上に成功している介護施設は、特別なことを行っているわけではありません。
「なぜ職員が辞めるのか」を把握し、離職につながる原因を解消する仕組みを整えている点が共通しています。
特に、業務負担の軽減、教育体制の整備、情報共有の円滑化は、職員の定着率向上につながる方法として重要な取り組みです。
①業務負担を軽減し、無理なく働ける環境を整える
定着率が高い施設では、職員一人ひとりに負担が偏らないよう、人員配置や業務内容を見直しています。
介護現場では人手不足による長時間労働や疲労の蓄積が離職につながるため、働き続けることができる環境づくりは欠かせません。
たとえば、介護記録のデジタル化や見守りセンサーなどのICTを活用し、記録業務や夜間巡回の負担軽減を実現している施設もあります。
このような業務効率化によって利用者と向き合う時間が増え、介護職員としてのやりがい向上にもつながります。
②教育体制を整え、成長できる仕組みをつくる
介護職員の定着と教育体制には深い関係があります。
具体的には、新人職員が不安を抱えないように入職時の研修だけでなく、継続的な研修やキャリアパスなどの仕組みを整備することが重要です。
また、資格取得支援や先輩職員によるフォロー体制があることで、「この施設で成長できる」という安心感につながります。
③情報共有を円滑にし、チームで支え合う
介護現場では、職員同士のコミュニケーション不足や情報共有のミスがストレスの原因になることがあります。
そのため、ICTを活用した記録共有やチャットツールの導入により、必要な情報をリアルタイムで共有できる環境を整えることが大切です。
このように、職員同士が協力しやすい環境をつくることが、介護職員の離職防止につながります。
介護施設の職員定着率を高めた成功施設の共通点
職員定着率が高い介護施設には、「職員が安心して働き続けられる仕組み」を整えているという共通点があります。
定着率向上は、採用人数を増やすだけでは実現できません。現場の課題を把握し、業務内容・教育・コミュニケーション環境を改善する取り組みが重要です。
特に成功している施設では、業務負担の軽減に力を入れています。
適切な人員配置に加え、介護記録のデジタル化やICT機器の導入によって事務作業や身体的負担を減らし、職員が利用者との関わりに時間を使える環境を整えています。
働きやすさの向上は、介護スタッフの離職防止につながる具体策の一つです。
また、教育体制を仕組み化している点も特徴です。
入職時研修だけでなく、経験年数に応じたキャリアパスや資格取得支援を整えることで、「この施設で成長できる」という安心感につながります。
介護 人材定着と教育体制は深く関係しており、将来像が見える職場ほど定着率が高まります。
さらに、職員同士が相談しやすい環境づくりも欠かせません。
ICTを活用した情報共有や定期的な面談により、悩みや課題を早期に把握できる仕組みを整えています。
このように、介護施設の職員定着を実現するには、目先の対策ではなく「育てて、支えて、長く働ける職場」をつくる継続的な取り組みが重要です。
介護施設の管理者が今すぐできる「職員定着率向上ロードマップ」
介護施設の職員定着率を高めるには、目先の離職対策だけではなく、現場の課題を把握し、段階的に改善する仕組みづくりが重要です。
成功している施設ほど、感覚だけで判断せず、データや職員の声をもとに継続的な取り組みを行っています。
管理者が実践できる職員定着率向上の流れは、以下の3つの取り組みです。
①離職原因を把握する
まずは、過去の退職者に関するデータや職員アンケートを活用し、施設の課題を明確にします。
「新人職員の離職が多い」「特定部署で退職が続く」など、原因を特定することで適切な対策につなげることができるでしょう。
②原因に合わせた改善策を実施する
たとえば、人間関係の悩みには定期的な1on1面談、業務負担には業務内容・勤務体制の見直し、ICTの活用、教育面には研修制度やキャリアパス整備が効果的です。
介護職員の定着と教育体制は深く関係しており、成長できる環境づくりが離職防止につながります。
③効果を検証し改善を続ける
定着率や職員満足度を定期的に確認し、施策の効果を検証します。
改善を繰り返すことで、職員が安心して働き続けることができる職場環境へ成長できます。
介護スタッフの離職防止に向けた具体策は、一度導入して終わりではありません。
現場の声を反映しながら継続的に改善することが、選ばれる介護施設づくりにつながります。
職員定着の課題を“仕組み”で改善するならcarebase(ケアベース)
介護施設の職員定着を実現するには、「頑張り」や「気配り」といった個人の努力だけに頼るのではなく、離職につながる課題を仕組みで改善していくことが重要です。
特に、離職理由として多い「業務負担の大きさ」「教育体制への不満」「情報共有不足」は、現場環境を見直すことで改善できる可能性があります。
ここでは、carebase(ケアベース)がどのように職員定着につながる環境づくりを支援するのかを紹介します。
業務負担を軽減し、働きやすい環境づくりを支援
介護現場では、記録業務や申し送り、情報確認に多くの時間がかかることがあります。こうした業務負担が積み重なると、職員の疲弊につながり、「忙しすぎる」「余裕がない」と感じやすくなります。
carebase(ケアベース)では、介護記録や申し送り情報を一元管理できるため、必要な情報をスムーズに確認しやすくなります。記録や確認作業の効率化によって、現場の業務負担軽減を支援し、働きやすい環境づくりにつながります。
教育の“属人化”を防ぎ、安心して働ける環境へ
新人教育がOJT任せになっている施設では、「教える人によって内容が違う」「十分な指導を受けられない」といった課題が起こりがちです。その結果、不安を抱えたまま働き、早期離職につながるケースもあります。
carebase(ケアベース)は、記録や申し送り情報を蓄積・共有しやすいため、教育内容の標準化を進めやすい点が特徴です。新人職員も必要な情報を確認しながら業務を進めやすくなり、「わからないまま働く不安」の軽減が期待できます。
情報共有を円滑にし、職場のストレス軽減につなげる
介護現場では、「聞いていない」「伝わっていない」といった情報共有の行き違いが、業務ミスや人間関係のストレスにつながることがあります。
carebase(ケアベース)を活用することで、申し送りや利用者情報をリアルタイムで共有しやすくなり、必要な情報を職員間で確認しやすい環境を整えられます。情報共有がスムーズになることで、現場コミュニケーションの改善にもつながるでしょう。
「辞めにくい職場づくり」の第一歩に
職員定着率の改善は、一つの施策だけで実現できるものではありません。しかし、業務負担の軽減、教育体制の整備、情報共有の円滑化を“仕組み”として整えることは、働きやすい職場づくりの第一歩です。
「離職を減らしたい」「人が定着する職場をつくりたい」と考えている方は、まずは自施設の課題を整理しながら、carebase(ケアベース)のようなICT活用を検討してみてはいかがでしょうか。
介護施設の職員定着に関するよくある質問(FAQ)
介護施設の職員定着については、「離職率を下げるには何から始めればよいのか」「ICT導入は本当に効果があるのか」と悩む管理者も少なくありません。
こちらでは、職員の定着率向上に関するよくある質問について解説します。
- Q. 介護スタッフの離職を防ぐには、まず何から取り組むべきですか?
- A. まずは離職原因を把握し、職場環境の課題を明確にすることが重要です。
介護職員の離職防止に向けた具体策として、特に優先したいのが人間関係やコミュニケーションの改善です。
介護現場では職員同士の連携が欠かせないため、定期的な面談やミーティングを通じて相談しやすい環境を整えましょう。
また、業務負担が原因の場合は、業務内容の見直しや介護助手の活用、ICT導入による業務効率化も効果があります。
- Q. ICTを導入すると介護施設の定着率向上につながりますか?
- A. ICTは職員の負担軽減やスムーズな情報共有によって、定着率向上につながる取り組みになります。
介護記録を電子化することで利用者情報を一元管理でき、多くの職員が必要な情報を確認することが可能です。
また、リアルタイムでケア情報を共有できることで、「情報が伝わっていない」という不安やミスを軽減できます。
さらに、介護職員の人材定着と教育体制は深く関係しており、安心して成長できる環境づくりが結果的に定着率向上へつながるでしょう。
まとめ|「採用」よりも「育てて残せる組織づくり」が重要
介護施設の人材不足を解決するには、新しい職員を採用し続けるだけではなく、「この職場で長く働きたい」と感じてもらえる環境づくりが重要です。
職員の定着率を高めるには、離職の原因を正しく把握し、業務負担の軽減、教育体制の整備、情報共有の仕組み化など、働きやすい職場環境を継続的に改善する必要があります。
特に、ICTの活用による業務効率化や教育の標準化は、介護職員の離職防止につながる具体策の一つです。
採用は人材確保の入口ですが、定着を実現するには「育てて残せる組織」を作ることが重要です。
職員が安心して成長できる介護施設づくりを進めることが、結果として安定した施設運営や質の高いケアにつながります。
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