carebase(ケアベース)コラム

2025.11.19 介護ICT導入・業務効率化

介護現場の申し送りミスを防ぐ5つの実践テクニック【デジタル申し送りシステムの活用法】

はじめに

介護現場では、利用者の健康状態やケア内容を次の勤務者に正確に伝える「申し送り」が欠かせません。
しかし、口頭だけで済ませたり、紙のメモで記録が分散していたりすると、些細な情報漏れが大きなミスにつながることがあります。

では、どのようにすれば介護現場の申し送りミスを防止できるのでしょうか。
ポイントは、
・記録の統一化や二重チェック
・情報のリアルタイム共有など
具体的な仕組みを取り入れることにあります。

本記事では、実際に現場で役立つ5つの実践テクニックを紹介しながら、介護ICT「ケアベース」の活用法もあわせて解説します。
これにより、情報漏れや伝達ミスを防ぎ、安心・安全な介護現場の実現を後押しします。

介護現場で起こる申し送りミスの典型例

介護現場で発生する申し送りミスは単なる「注意不足」ではなく、仕組みや環境に起因するものが多く見られます。とくに以下の4つは、多くの施設で共通して起きている典型例です。

① 口頭依存による情報抜け
② 紙記録・ノートの更新漏れ
③ シフト間での情報の伝達不足
④ 経験不足による記録のばらつき

これらの問題に共通するのは、情報の一元化ができていないということです。
だからこそ、申し送りミスを防ぐには、記録をデジタルで統一し、リアルタイムに共有できる仕組みづくりが欠かせません。

実践テクニック1:申し送りの質を安定させる“統一フォーマット”の導入

申し送りミスを防ぐための最初のポイントは、「誰が書いても同じ情報が揃う状態」をつくることです。
そのために欠かせないのが、申し送りのフォーマットを統一すること。
記録する項目がスタッフごとにバラバラでは、重要情報が抜け落ちたり、重複したりする原因になってしまいます。

統一フォーマットを導入するメリット

・記録漏れを防げる:必須項目が明確なので、新人でも迷わない
・誰が見ても同じ理解になる:表現の差や書き方の癖が減る
・情報の優先順位がわかりやすい:状態変化や注意点の把握が早い
・チェックがしやすい:抜けている項目が一目でわかる
こうした仕組みが整っていると、申し送りにかかる時間も短縮され、スタッフ間の共有精度が上がります。

紙フォーマットの限界とデジタル化の必要性

紙の場合、どうしても次のような問題が起きやすくなります。
・記録が多いと欄が埋まりきらない
・読みづらい字、書き忘れによるミス
・変更や追記が反映されない
・バインダー、ノートが現場に1冊しかなく、同時に見られない
介護現場が抱える「情報共有の遅れ」は、多くが紙フォーマットの構造的な限界から生まれています。

ケアベースなら、最初から“ミス防止型”のフォーマット設計

ケアベースの申し送り機能には、統一化された入力項目やテンプレートが準備されているため、誰でも同じ流れで記録ができます。
・重要項目があらかじめ整理されている
・入力漏れを防ぐチェック構造
・修正・追記もリアルタイム反映
・過去履歴をすぐ参照できる
紙のように「書き忘れ」「読めない」「情報がバラバラ」といった問題が解消され、申し送りミスの発生源を根本から減らすことができます。

まずは「現場で何を統一するべきか」を明確に

フォーマット統一のポイントは以下の通りです。
・「利用者の状態変化」を優先項目にする
・注意点、リスク情報を必ず同じ位置に配置
・細かい表現は使わず、誰でも理解できる書き方に統一
・紙 → デジタルへ移行する際は、既存フォーマットをそのまま反映
統一の基準が決まれば、現場の混乱は一気に減り、申し送りの質が安定します。

実践テクニック2:伝えたつもりをなくす!口頭+デジタルの二重確認術

申し送りミスを確実に減らすためには、口頭だけに頼らない二重確認の仕組みが欠かせません。
口頭の申し送りは臨場感があり、ニュアンスや表情で伝えやすい利点があります。
一方でどうしても
「聞き漏れ」
「解釈のズレ」
「伝言ゲーム」
のような現象が起こりやすく、情報の再現性が低いという課題があります。
そこで効果を発揮するのが、口頭+デジタル記録を組み合わせた二重チェック方式です。

なぜ“二重確認”がミス防止につながるのか

・口頭で伝えた内容を、後からデジタルで必ず照合できる
・書かれていない内容、口頭で伝えられていない内容が浮き彫りになる
・聞き逃しや曖昧な表現が“記録”によって補完される
・受け手側が、自分のタイミングで再確認できる
特に介護現場では、業務中に他スタッフへ急な声掛けがあったり、利用者対応で中断されたりするため、口頭だけで正確な伝達を完結させるのは限界があります。

紙ではなく「デジタル」を併用する理由

紙の記録でも確認はできますが、以下のような弱点があります。
・他のスタッフが持っていると見られない
・更新後の情報がすぐ共有されない
・記述内容が読みづらい場合、誤解が生じる
・どれが最新の情報なのか判断しづらい
デジタル記録を併用することで、こうした問題を解消できます。
情報がリアルタイムに共有され、最新の記録を全スタッフが同時に閲覧できるため、二重チェックの精度が飛躍的に高まります。

ケアベースで実現する「抜け・ズレが起きない」二重確認

ケアベースの申し送り機能は、二重確認の流れを自然に仕組み化できます。
・口頭の申し送り内容を、すぐにデジタルで確認できる
・入力履歴が残るため、いつ誰が記録したのか明確
・スマホ・PCからいつでも確認でき、中断されてもすぐに再チェック可能
・重要情報には“強調表示”があり、見落としを防げる
特に夜勤 から日勤の申し送りでは、口頭で伝えた内容がケアベース上の記録と一致しているかを確認するだけで、ミス発生率が大幅に減少します。

二重確認の習慣化がミス防止の強い基盤になる

「口頭で伝えたから大丈夫」「メモに書いたから安心」という思い込みをなくし、
“必ずデジタルで照合する”という流れを習慣化することで、ミスは劇的に減ります。
介護現場における申し送りのミスを防止する方法として、この“二重確認”は最も効果的で、導入しやすい実践テクニックのひとつです。

実践テクニック3:リアルタイム共有で“伝達遅れ”ゼロへ

介護現場では、利用者の体調変化や突発的な出来事がいつ起こるかわかりません。
そのため、記録の「タイムラグ」が、そのまま申し送りミスにつながってしまうケースが非常に多くあります。
特に、紙の申し送りノートや口頭ベースの共有では、“気づいた人だけが知っている状態” が生まれやすく、スタッフ間で情報が分断されてしまいます。
ここで重要になるのが、リアルタイム更新と即時通知の仕組みを導入すること。
これにより、現場の情報を瞬時に全スタッフへ共有でき、「知らなかった」「聞いていない」というミスをほぼゼロに近づけることができます。

デジタルなら、記録と同時にチーム全体へ届く

デジタル申し送りシステムを活用すれば、記録した瞬間に情報が全スタッフへ行き渡ります。
紙では不可能だった「同時共有」が、ミス防止に大きく貢献します。
リアルタイム性は、申し送り精度を高める最強の武器です。

ケアベースの即時通知が“見落としゼロ”を後押し

ケアベースでは、申し送りの新規記録や更新内容が通知機能で即座にスタッフへ届きます。
通知を受け取ったスタッフは、すぐにアプリから該当箇所を確認できるため、情報の取りこぼしを徹底的に防げます。
・状態変化や緊急情報はプッシュ通知で即共有
・日中・夜間どちらでもスマホで確認できる
・更新内容を後からまとめて振り返ることも可能
・“重大情報だけ強調表示”で優先度がひと目で判断できる
忙しい現場でも、通知によって情報が流れずに残り続けるため、安心感が全く違います。

リアルタイム更新+即時通知=ミスが生まれない働き方

介護現場における申し送りのミスを防止する方法の中でも、リアルタイム性の確保は非常に効果が大きいテクニックです。
記録は“気づいた瞬間に記録して全員へ同期される”流れへ変えるだけで、現場の事故リスクは大幅に軽減されます。
ケアベースのようなデジタルシステムを併用することで、情報共有のスピードと精度が一気に向上し、安全でミスのない申し送り体制が構築できます。

実践テクニック4:記録の見える化とチェックリスト化

申し送りミスの多くは、「見たつもり」「書いたつもり」「伝わったつもり」といった“思い込み”で発生します。

これを確実に断ち切るために有効なのが、「記録の見える化」と「チェックリスト化」です。
情報を一覧で確認でき、抜け漏れの防止ラインを複数持てるため、現場の安全性が一気に向上します。

状況・タスクを可視化することで“認識のズレ”を防ぐ

介護現場では、日々多くの記録が行われます。
一覧で見える形にすることで、チーム全体で同じ認識に揃えることが可能になります。

チェックリスト化で“抜け漏れゼロ”を実現

チェックリストは、介護現場のミス防止に極めて効果的な仕組みです。
「全部覚えておく必要がない」 という状態を作ることで、スタッフの心理的負担も軽減され、結果的にミスそのものも減ります。

デジタル化で“確認しやすさ”を最大化する

紙のチェックリストは便利ですが、
・置き場所のばらつき
・紛失
・複写できない
などの弱点があります。

そこで効果的なのが、デジタルでの見える化・チェックリスト化です。
たとえばケアベースでは、
・利用者ごとの記録を「カード形式」で表示
・スタッフ間で同じ画面を共有
・チェック項目をその場で更新
・未確認の項目は未完了として残る
など、視覚的に確認しやすいインターフェースを採用しています。

これにより、「何が済んでいて、何が残っているのか」が一眼でわかり、申し送りミスを大幅に減らすことができます。

実践テクニック5:定期的な振り返りと改善

申し送りミスを根本から減らすためには、日々の記録や共有方法を振り返り、改善していく仕組みが欠かせません。
どんなに統一フォーマットや二重確認、リアルタイム更新を導入しても、現場での運用方法や習慣が定着していなければ、ミスは再発します。

定期的な振り返りで課題を可視化

・週次・月次で申し送り内容やミスの傾向をチェック
・記録漏れ、伝達の遅れ、情報の抜けなどを分析
・どのスタッフ、どのシフトでミスが発生しやすいか把握
このような振り返りを定期的に行うことで、現場の“クセ”や改善ポイントを可視化できます。

改善策の共有と教育につなげる

振り返りの結果をチームで共有することも重要です。
・よくあるミスや注意点を共有
・新人やパートタイムスタッフへの教育に活用
・フォーマットや運用ルールを現場で微調整
これにより、同じミスを繰り返さず、チーム全体の申し送り精度が上がります。

ケアベースで履歴を振り返るメリット

ケアベースのデジタル申し送り機能を活用すると、振り返り作業が大幅に効率化されます。
・過去の記録を簡単に検索・参照できる
・更新履歴や担当者が一目でわかる
・誰が見ても同じ情報を確認できるため、分析の精度が向上
・ミスや抜けの傾向をデータとして残し、改善策の立案に活用可能
デジタルで履歴を残すことで、属人的なチェックに頼らず、客観的に改善ポイントを洗い出せるのが大きな強みです。

まとめ

介護現場の申し送りミスは、口頭や紙だけに頼る従来の方法では避けきれません。しかし、本記事で紹介した5つの実践テクニックを組み合わせることで、情報の抜け漏れや誤解を防ぎ、チーム全体で正確な情報共有が可能になります。

特にデジタル申し送りシステム「ケアベース(carebase)」を活用すれば、統一されたフォーマット、リアルタイム通知、履歴管理などが一元化され、ミスの発生源を根本から減らすことができます。

導入を迷っている方もまずはお問い合わせから。
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