carebase(ケアベース)コラム
2025.8.16 ソフト・サービス紹介
執筆者:川﨑翔太
介護ソフトの選び方|比較ポイントと費用相場を徹底解説
監修者プロフィール
- 監修者名:川﨑翔太
- 現職:介護支援専門員
- 経験年数:介護業界17年(現場7年・介護支援専門員10年)
- 保有資格
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 福祉住環境コーディネーター2級
- 福祉用具専門相談員
- 専門分野
現役のケアマネジャーとして在宅高齢者のケアマネジメント業務に従事。3年前より介護・健康ジャンルを中心にWEBライターとして活動開始。これまでに介護施設の選び方・介護ICT・介護職員の働き方など多数の記事の執筆を経験。 - 経歴概要
介護福祉士として医療機関・介護付き有料老人ホームでの介護現場に従事。ケアマネ資格取得後、地域密着型特養のケアマネジャーを経験し、現在は居宅介護支援事業所ケアマネジャーとして在宅で生活する要介護高齢者のケアマネジメントに携わる。
はじめに
介護業界のデジタル化が進む中、適切な介護ソフトの選択は施設運営の成功を左右する重要な要素です。
しかし、介護ソフト市場には数多くの選択肢があり、「どのソフトが自分たちの施設に最適なのか」を判断するのは容易ではありません。
本記事では、介護施設の管理者や導入検討担当者の方々に向けて、介護ソフトの選び方を分かりやすく解説します。
機能比較から費用相場、導入時の注意点など、実際の選定で役立つ情報をお届けします。
この記事で分かること
- 介護ソフト選定時の重要なポイント
- 主要な介護ソフトの特徴
- 介護ソフトの費用相場とROI
- 施設規模と業態別の選び方
- 介護ソフト導入を成功させるポイント
介護現場における4つの課題
- 紙ベースの記録による転記ミス・記録漏れ
- 申し送りの情報共有不足
- 複雑な操作による職員の負担増加
- データの有効活用ができていない
多くの介護現場では、紙ベースの記録や複雑な業務内容により、効率性やサービス品質が低下する深刻な課題を抱えています。
具体的な課題は、以下の4つです。
- 業務効率の悪化
紙ベースの記録は時間がかかりやすく、管理に手間がかかるため、転記や書類探しが発生しやすい。 - 情報共有の不足
紙ベースの記録によって、記入漏れや情報伝達の遅れが発生しやすく、職員間での情報共有が不十分になりやすい。 - 職員の負担増加
記録業務に時間と手間がかかるため、残業など職員の負担が増加しやすい。 - ヒューマンエラーの発生
手作業での記録によって、記入漏れなどが起こりやすい。
これらの課題は、結果的に利用者対応の遅れや介護サービスの品質低下につながり、ひいては離職率の上昇・利用者満足度の低下を招く可能性もあります。
そのため、現場の課題を正しく把握することが、介護ソフト導入を検討するうえでの出発点となるでしょう。
介護ソフト導入のメリット
- 記録作業の効率化と品質向上
- リアルタイムでの情報共有
- 法定書類の自動作成機能
- データ分析による業務改善
厚生労働省の調査によると、2024年度時点で約60%の介護事業所が何らかのICTシステムを導入しており、その数は年々増加傾向にあります。しかし、「導入したが活用できていない」「期待した効果が得られない」といった課題を抱える施設も少なくありません。
介護ソフトを導入する最大のメリットは、事務作業の効率化とサービスの質の向上を同時に実現できる点です。
紙ベースの記録や書類作成は時間と手間がかかり、職員の負担になりやすいですが、介護ソフトを活用することで負担を軽減し、利用者のケアに集中できます。
具体的なメリットは以下のとおりです。
- 業務効率化
記録やケアプラン作成が自動化され、作業時間を大幅に短縮できる。 - 情報共有の迅速化
利用者情報やケアプランをリアルタイムで共有でき、多職種連携がスムーズになる。 - ヒューマンエラー防止
自動入力やチェック機能により、記録漏れや転記ミスを防ぐことができる。 - 法令への対応
制度改正に合わせたアップデートによって、常に最新の法律・制度での運用ができる。 - コスト削減
ペーパーレス化により印刷・保管費用の削減につながる。
このように、介護ソフトを導入することで、効率的かつ質の高い介護サービスを提供できる体制を作ることができるでしょう。
介護ソフトを選ぶ際に重視すべき4つのポイント
実際に介護ソフトを選ぶ際、どのようなポイントを重視すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
具体的には、以下の4つのポイントを重視しながら選びましょう。
- 必要な機能が揃っているか
- 介護現場で使いやすいか
- 適正なコストで利用できるか
- サポート体制が整っているか
一つずつ解説します。
1. 必要な機能が揃っているか
- 記録機能:バイタル、ADL、ケース記録等
- 計画作成:ケアプラン、サービス計画書
- 情報共有:申し送り、連絡事項管理
- 報告書作成:各種法定書類の自動生成
介護ソフト選びで大切なポイントの一つは、必要な機能が過不足なく備わっていることです。
特に、以下の機能は導入時に必ずチェックすることがおすすめです。
- 記録機能
バイタル・ADL・ケース記録など - 各種計画書の作成
ケアプランや個別サービス計画書の作成機能 - 帳票への対応
各種帳票類の自動生成やフォーマットへの対応 - 事業形態への対応
通所・訪問・入所などの事業形態別に合った機能 - 情報共有への対応
職員間や外部機関との安全な情報連携を行うための機能 - 自動化・チェック
請求業務の自動化や入力ミス防止機能
上記の機能をまとめて対応できるソフトを導入することで、業務効率化とヒューマンエラー防止を同時に実現できます。
2. 介護現場で使いやすいか
- 操作性:直感的で分かりやすいUI設計
- デバイス対応:PC・タブレット・スマホ対応
- 習得しやすさ:研修・マニュアルの充実
- カスタマイズ性:施設独自の運用に対応
介護ソフトを選ぶ際、現場の職員が直感的に操作できるかも重要です。
現場の職員が使いやすいことで、スムーズに導入できると同時に早い段階で定着することができます。
使いやすさを重視する際、以下のポイントを確認しましょう。
操作性の良さ
画面やメニューが分かりやすく、必要な機能にすぐアクセスできる。
- 入力のしやすさ
画面遷移やクリック数が少なく、テンプレートや音声入力でかんたんに記録できる。 - デバイス対応
パソコンだけではなく、タブレットやスマホでも快適に操作できる。 - サポート体制
マニュアルやヘルプ機能が充実し、かんたんに習得や疑問を解消できる。
これらのポイントを満たすソフトは、職員の負担を減らし、記録の精度や業務効率の向上につながります。
3. 適正なコストで利用できるか
- 初期費用:導入・設定・研修費用
- 月額費用:利用料・保守・サポート費
- 追加費用:カスタマイズ・オプション機能
- 費用対効果:業務効率化による人件費削減
介護ソフトの導入には、費用対効果を考慮することが重要です。
単に安いだけでなく、業務効率化や無駄な費用の削減につながるか確認することが必要です。
また、事業形態や規模に合わせつつ、収支のバランスにも考慮しなければなりません。
確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 初期費用
導入・設定・研修にかかる費用 - 月額費用
月々の利用料・保守・サポートにかかる費用 - 追加費用
オプション機能やカスタマイズにかかる費用 - 事業規模とのバランス
従量課金や利用者数に応じた負担 - 総合的な費用対効果
標準機能で全ての業務をカバーできるか・長期利用で割高にならないか
上記のポイントをチェックすることで、導入後も無理なく運用できるソフトを選べるでしょう。
4. サポート体制が整っているか
- 導入支援:初期設定・データ移行支援
- 運用サポート:電話・メール・チャット対応
- 研修体制:職員向け操作研修の提供
- アップデート:法改正対応・機能追加
介護ソフトは導入後のサポート体制も選定時に確認すべき重要なポイントです。
サポートが充実していることで、職員の負担を減らし、全体的な運用をスムーズに進められます。
特に、以下のポイントをチェックしましょう。
- 導入支援
初期設定やデータ移行のサポート - 運用サポート
電話・メール・チャットでの問い合わせによるサポート - 研修体制
職員向けの研修の実施 - アップデート対応
法律や制度の改正に伴うアップデート対応 - 緊急時対応
システム障害時の迅速な対応とデータ復旧
これらを確認することで、安心して長期的に介護ソフトを運用できます。
介護ソフトの特徴と比較
以下の比較は各社公表資料および業界調査に基づく一般的な特徴をまとめたものです。
具体的な機能・料金は各社に直接お問い合わせください。
| システム名 | 主な特徴 | 強み | 費用目安 |
| ケアベース | 記録×動画マニュアル連携 現場起点のUI設計 記録漏れ防止機能充実 | 教育・定着支援機能 直感的な操作性 上場企業グループ運営 |
初期費用:0円 月額:要問い合わせ |
| A社システム | 総合型介護システム 請求業務に強み 多機能パッケージ | 豊富な導入実績 充実したサポート体制 法改正対応の早さ |
初期費用:20-50万円 月額:3-8万円/事業所 |
| B社システム | クラウド型記録システム モバイル対応充実 シンプルな操作性 | 低コストで導入可能 小規模事業所に最適 短期間での導入実現 |
初期費用:5-15万円 月額:1-3万円/事業所 |
| C社システム | AI機能搭載 データ分析機能充実 大規模法人向け | 先進的な技術活用 経営分析機能 多事業所一元管理 |
初期費用:50-100万円 月額:5-15万円/事業所 |
※2025年8月時点
施設規模・業態別での介護ソフトの選び方
- 小規模事業所(~30名)
シンプルで使いやすく、コストを抑えられるシステムがおすすめ。基本的な記録機能と申し送り機能があれば十分な場合が多い。 - 中規模事業所(30~100名)
機能の充実度と使いやすさのバランスが重要。職員教育機能やデータ分析機能も検討したい。 - 大規模法人(100名~)
多事業所管理や高度な分析機能が必要。カスタマイズ性と拡張性を重視した選定を。
介護ソフトは施設の規模や業態に応じて必要な機能やコストに大きな違いがあります。
適切なソフトを導入することで、職員の負担を減らし、日々の記録や書類作成を効率化できるでしょう。
事業規模・業態別の介護ソフトの選び方は、以下のとおりです。
小規模事業所(~30名:地域密着型特養・小規模デイなど)
- コスト重視
クラウド型ソフトを選ぶことで、初期費用やサーバー維持費を抑えられる。 - シンプルな運用
利用者管理・介護記録・請求業務が基本的にできれば十分な場合が多い。 - サポート体制
導入支援や操作研修、法改正対応のアップデートが受けられるか確認する。
中規模事業所(30~100名:通所介護・ショートステイなど)
- 機能とコストのバランス重視
個別機能訓練管理・送迎管理・シフト管理など多様な機能を備えたソフトがおすすめ。 - 複数サービスの一元管理
複数の事業所を運営している場合、利用者情報を一元管理できると、情報共有やデータ連携がスムーズにできる。 - 費用対効果
導入費用に対して業務効率などの効果が見合っているか必ずチェックする。
大規模事業所(100名~:特別養護老人ホーム・老人保健施設など)
- カスタマイズ性と拡張性
複数の施設や法人全体の運営を想定し、情報管理や分析機能などの高度な機能を追加できるかチェックする。 - セキュリティとバックアップ
利用者情報や記録などのデータが膨大になるため、クラウド型・オンプレ型を問わず、強固なセキュリティ・バックアップ機能が備わっているかチェックする。 - 運用サポート
導入後の職員研修・法改正対応のアップデートなど、長期的に運用できるサポート体制が整っているかチェックする。
このように、施設の規模や業態に合ったソフトを選ぶことで、導入後の運用がスムーズになり、日々の業務効率化につながるでしょう。
介護ソフトの費用相場とROI
介護ソフト導入する際、どれぐらいの費用がかかり、投資した分の効果を得る事ができるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
こちらでは、介護ソフトの費用相場と費用を抑えるコツ、さらに導入後のROI(投資利益率)について詳しく解説します。
介護ソフトの費用相場と内訳
- 初期費用:0~100万円
- 月額利用料:1~15万円/月
- 保守・サポート:月額料金に含む
- カスタマイズ:別途見積り
介護ソフトの導入では「初期費用」「月額利用料」「保守・サポート」など複数の費用が発生します。
あらかじめ内訳ごとの費用相場を把握しておくことで、導入後の予算計画が立てやすくなります。
主な費用の内訳は以下の通りです。
- 初期費用
クラウド型は0〜数万円と低額だが、パッケージ型やオンプレミス型は数十万〜数百万円になるケースもある。 - 月額利用料
1〜15万円程度が一般的で、利用人数や機能数によって変動する従量課金制のソフトもある。 - 保守・サポート費用
クラウド型では月額料金に含まれることが多いが、パッケージ型はアップデートやトラブル対応に別途費用がかかる場合があります。 - ハード面にかかる費用
パソコンやタブレット、ネットワーク整備などのコストも考慮が必要です。
このように、クラウド型は初期費用を抑えやすい一方で、長期的には月額コストが積み重なります。
しかし、オンプレミス型は初期投資が大きいですが、長期利用でコストを抑えられる可能性があります。
施設規模や運営方針に応じて、最適なモデルを選ぶことが大切です。
介護ソフトの費用を抑える4つのコツ
- 人件費削減:月20-40時間の業務効率化
- 品質向上:記録ミス・漏れの削減
- 法的リスク軽減:適切な記録管理
- 職員満足度:負担軽減による離職防止
- 目安:導入費用は6-12ヶ月で回収できるケースが多い
介護ソフトの導入には、費用が大きなハードルとなりがちです。
しかし、工夫次第では無駄な支出を抑えつつ、必要な機能を備えた介護ソフトを導入できる可能性があります。
介護ソフトの費用を抑えるためのコツは、以下の4つです。
必要な機能を限定する
現場で必ず使う機能だけに絞り、過剰な機能を外す。
段階的に導入する
まずは基本的な機能から導入し、運用が軌道に乗ってから追加機能を導入する。
複数のソフトを比較する
同じ機能でもソフトごとに料金差があるため、必ず相見積もりを取る。
補助金を活用する
ICT導入に関する補助金などを利用することで、初期費用を大幅に削減できる。
このように、機能や予算を整理し、段階的な導入や補助金の活用によって、コストを抑えつつ介護ソフトを導入できるでしょう。
介護ソフト導入後のROI
- 必要な機能を明確化:過剰な機能は避け、現場で本当に必要な機能に絞る
- 段階導入を検討:基本機能から開始し、慣れてから機能を追加
- 複数社比較:同じ機能でも価格差があるため、必ず相見積もりを取る
- 補助金活用:ICT導入補助金やIT補助金の活用を検討
介護ソフトの導入効果を検討する際に重要なのが「ROI(投資利益率)」です。
導入コストに対して、どのくらいの期間で回収できるのかは経営判断に直結します。
実際には、多くの介護施設が人件費削減や業務効率化によって約6ヶ月〜2年で導入費用を回収しており、補助金を活用すればさらに短期間で効果を得られます。
具体的な導入効果は以下のとおりです。
- コスト削減
月20〜40時間の作業時間短縮により人件費を削減できる。 - 記録業務の効率化
記入漏れなどのヒューマンエラー防止や記録業務の効率化につながる。 - 法的リスクの軽減
請求業務や記録業務を適切に行い、行政指導や処分などのリスクを回避できる。 - 職員満足度の向上
業務負担の軽減や業務効率化によって、離職防止・定着率アップにつながる。
このように、介護ソフトは単なる事務効率化だけでなく、費用対効果の高い投資として期待できるシステムです。
定量的(時間・コスト)と定性的(サービス品質・職員満足度)の両面からROIを確認することで、導入効果を最大限に引き出せるでしょう。
介護ソフト導入における失敗例と成功させる方法
介護ソフト導入時によくある失敗例
- 現場の声を聞かずにシステムを選定
- 十分な研修期間を設けない
- 既存業務フローを変更せずに導入
- 費用だけで判断してしまう
- サポート体制を確認しない
介護ソフトを導入する際に失敗例を把握しないと、現場の混乱や余計なコスト増につながりかねません。
代表的な失敗例は、以下のとおりです。
- 現場業務に合わないソフトを選定してしまう
機能過多や不足により、業務効率化が進まない。 - 職員への説明や研修が不十分
ソフトを使いこなせず、導入効果が得られない。 - データ移行や外部システムとの連携に関するトラブル
情報漏洩などのトラブルにつながる。 - サポート体制の不足
不具合が発生した際の対応が遅れ、現場が混乱する。 - 予算計画の誤り
余計な追加費用が発生し、想定以上の支出が発生する。 - 紙とデジタルの二重管理が発生
ペーパーレス化が進まず、職員の業務負担が増える。 - 制度改正に伴うアップデートへの対応遅れ
法令順守が難しくなり、行政処分などのリスクを抱える。
これらの失敗例を事前に把握し、比較・検討を丁寧に行うことで、介護ソフト導入をスムーズに進めることができます。
介護ソフトの導入を成功させる5つの方法
- 現場職員を巻き込んだ選定プロセス
- 段階的な導入とフォローアップ
- 業務フローの見直しと最適化
- 十分な研修と継続的なサポート
- 導入効果の定期的な評価
介護ソフト導入を成功させるには、全社的に取り組むことが前提となります。
また、計画的かつ現場と連携した運用を進めることで、業務効率を高め、結果的にサービス向上につながります。
介護ソフトの導入を成功させる具体的な方法は、以下の5つです。
- 現場職員と連携した選定
業務課題や改善点を把握し、施設の現状に合ったソフトを選ぶことで、業務負担の軽減につながる。 - 段階的な導入
全ての機能を一度に導入せず、徐々に運用範囲を広げると、職員の抵抗感を和らげることができる。 - 十分な研修とサポート
職員向けの運用に関する研修やフォローアップ体制を整え、トラブル発生時に迅速対応できる体制を作る。 - 業務フローの最適化
介護ソフトへの切り替え・情報共有ツールとの連携によって、業務効率をより高めることができる。 - 導入効果の定期評価
運用状況を定期チェックし、スタッフのフィードバックを得ることで、効果的な改善策の立案・実施につながる。
これらを計画的に実施することで、介護ソフト導入の失敗を防ぎ、現場に定着させることができるでしょう。
介護ソフト導入前に確認すべきチェックリスト
介護ソフト導入を成功させるには、あらかじめ自身の施設に合った介護ソフトであるかチェックが必須です。
こちらでは、「機能面」と「運用面」に分けて、導入前に確認すべきチェックリストについて解説します。
機能面におけるチェックリスト
- 現在の業務に必要な機能がすべて含まれているか
- 将来の拡張性は十分か
- 他システムとの連携は可能か
- データの移行は問題ないか
介護ソフトの導入の際、機能面のチェックが現場の業務効率化や負担軽減につながります。
そのため、以下のチェックリストを参考に、導入を検討しましょう。
- 必要機能の網羅
現在の業務に必要な機能が備わっているのか、将来的な拡張性・カスタマイズができるか。 - 入力・操作の効率化
音声入力やタブレット対応で、職員の業務負担を減らすことができるか。 - 法令・加算対応
介護報酬改定・制度改正に柔軟に対応できるか。 - セキュリティと権限管理
個人情報保護のため、職種ごとにアクセス制限が設定できるか。 - 帳票・レポート出力
記録・ケアプラン・給付管理票などの帳票類を紙やデータに出力できるか。 - デバイス対応
PCだけでなく、スマホやタブレットでの入力が可能か。
運用面におけるチェックリスト
- 職員が使いこなせる操作性か
- 十分な研修体制があるか
- サポート体制は充実しているか
- セキュリティ対策は適切か
介護ソフトを選定する際、運用面の確認も必要不可欠です。
導入後のトラブル防止や使用する職員の負担を軽減するため、以下のポイントをチェックしましょう。
- 職員向けの研修実施
職員が使いこなせるよう、十分な研修体制があるか。 - サポート体制
トラブル発生時のサポートや、制度改正・報酬改定への対応がスピーディーか。 - セキュリティ
情報漏洩防止のため、適切なアクセス制限やバックアップ機能があるか。 - ランニングコスト
月額利用料や保守費用、アップデート費用が長期的に負担にならないか。 - 情報共有
記録業務や申し送りがスムーズに行えるか、チームケアに支障がないか。 - 運用リスク
クラウド型・オンプレミス型の特性を理解し、災害時における対応も
介護ソフトの今後の展望と市場のトレンド
- AI・機械学習
ケアプラン作成支援、リスク予測、記録内容の自動分析など、AI技術を活用した機能が増加傾向。 - モバイル最適化
スマートフォンやタブレットでの利用がさらに拡大。現場での即時記録・情報共有が当たり前に。 - システム連携
医療機関、行政、保険者との情報連携が進み、地域包括ケアシステムの中核として機能。
介護ソフト市場は、今後も拡大が期待される分野です。
矢野経済研究所の調査によると、2023年度の国内市場規模は約300億円で、高齢者人口の増加や介護現場のDX推進を背景に、2025年以降も成長が続くと予測されています。
特に注目されているのが、AIによるケアプラン作成支援・遠隔モニタリング・介護ロボットとの連携などです。
上記の新たな技術は、業務負担の軽減やサービス品質の向上につながり、介護施設にとって大きな導入メリットとなります。
また、クラウド型や専門特化型など多様な介護ソフトが登場しており、施設規模や事業形態に合わせた柔軟な選択が可能です。
特に、小規模施設ではコストと機能のバランスを重視した導入が進んでおり、医療機関との連携強化によって市場拡大を後押ししています。
今後の介護ソフト導入は、単なる業務効率化にとどまらず、人材不足対策や施設全体のサービス力強化にも直結します。
市場トレンドを把握した上で最適なソフトを導入することが、競争力ある施設運営のカギとなるでしょう。
- LIFE(科学的介護情報システム)連携の標準化
- 音声入力・画像認識技術の実用化
- セキュリティ強化とプライバシー保護の徹底
- サブスクリプション型料金体系の一般化
まとめ:介護ソフト選定の成功要因
選定プロセス
- 現場のニーズを正確に把握
- 複数候補の機能・費用を比較
- 実際の操作感をデモで確認
- 導入・運用体制を事前に整備
導入後の運用
- 継続的な職員教育の実施
- 定期的な活用状況の評価
- 業務フローの継続的な改善
- ベンダーとの良好な関係構築
介護ソフトの選択は、単なるツールの導入ではなく、施設全体の業務改革につながる重要な決定です。
費用や機能だけでなく、現場の職員が継続的に使い続けられるか重視し、長期的な視点で選定・導入を進めることが重要です。
さらに、導入を検討する際は、必ず複数の製品をデモや資料で比較し、現場の声を十分に反映した選定を行うことも必要不可欠です。
本記事で解説した介護ソフトの選び方や比較情報などを参考に、自身の施設に合った最適な介護ソフトを見つけましょう。