carebase(ケアベース)コラム

2025.10.31 補助金・助成金

執筆者:柴田崇晴

ケアベースで始める介護施設のICT化-助成金活用と導入事例を徹底解説-

監修者プロフィール

監修者名:柴田崇晴
保有資格:社会福祉士・主任介護支援専門員
経験年数:25年の相談支援業務
専門分野:介護施設運営・職員教育等
経歴概要:福祉大学を卒業後、高齢者福祉の分野で25年従事。高齢者施設の管理者をしながら都道府県・市町村の職能団体役員として活動中

介護ICT導入で変わる業務効率と記録管理

介護現場では、パソコンやタブレットといったデジタル機器が導入されつつあります。
とはいえ、実際には利用者情報や記録の多くが手書きやファイルで管理されているので、情報共有には時間がかかり、転記ミスや記録漏れのリスクも少なくありません。

こうしたアナログ管理のままでは、業務効率の向上や職員の負担軽減が進まず、ICT化の必要性がますます高まっているといっていいでしょう。

介護ICTを導入することで、これらの業務をデジタル化し、効率化することが可能です。
さらに、介護記録・マニュアル・申し送りの情報を一体化して管理できるため、業務全体の流れがスムーズになり、記録漏れや情報の行き違いを防止できます。

介護ICTで変わる3つの業務

介護のICT化は、単なる「デジタル化」にとどまりません。むしろ、業務全体の流れを見直す大きなきっかけとなります。
ICTを導入する目的は、日々の作業を「見える化」し、職員が本来のケアに集中できる環境を整えることにあります。
言い換えれば、ICT化は働き方そのものを支える仕組みづくりなのです。

さらに、最新の介護ICTツールを導入することで、介護記録・マニュアル・申し送りの業務を一体化して管理できるようになります。これにより、業務全体の流れがスムーズになり、記録漏れや情報共有の不一致を防ぐことが可能です。

では、具体的にICT化によって業務がどのように変わるのか、3つの事例を見ていきましょう。

①記録作業の効率化とケアの質向上

介護業務はその都度デスクに戻って記録をしている時間がないため、タブレットや記録端末を手元に置きながら、必要な記録をすることで、業務の効率化、記録漏れを防ぐことができます。
また、前回の対応や既往歴をその場で確認できるので介護の質の向上にもつながるでしょう。

②情報共有のスピード向上

クラウド環境を整えることで、事業所内の誰でも、いつでも必要な情報を取り出すことができます。
また忙しい合間に他職種が集まってミーティングをする必要もなくなるため、引継ぎ時間も省け、その時間をご利用者への対応にあてることができます。

③教育・マニュアルの標準化

スタッフの経験やスキルによってばらつくケアの質は、マニュアルによって統一することが基本です。
ICTを活用すれば介護場面ごとの動画を事前に確認出来たり、自己研鑽のために空いた時間で知識を身につけたりすることも可能となります。
その結果、新人教育の効率化やケアの標準化につながります。

介護ICT導入で実現するスタッフの働き方改善

介護ICTの導入は、単に記録やマニュアルをデジタル化するだけでなく、スタッフの働き方にも大きな変化をもたらします。

記録作業の効率化
紙ベースの記録をICTに統合することで、移動時間や二重記録の手間を削減。

情報共有の迅速化
申し送りやマニュアルの更新がリアルタイムで反映され、スタッフ間での情報齟齬を防止。

教育・研修の効率化
新人教育やスキル確認もICT上で管理でき、現場負担を軽減。

このように、介護記録・マニュアルの一体化により、スタッフはよりケアに集中でき、業務効率とモチベーション向上の両方が実現します。

施設全体への波及効果と業務改善の可視化

ICT導入は個々の業務改善に留まらず、施設全体への波及効果も期待できます。

業務の標準化
記録・マニュアルの一体化により、施設内でのケア手順が統一され、質のばらつきを抑制。

業務改善の可視化
記録データを分析することで、改善ポイントを明確に把握可能。

介護品質の向上
職員間の情報共有がスムーズになることで、入居者への対応精度が向上。

施設全体で導入効果を実感できることが、ICT導入の大きなメリットです。

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助成金・補助金を活用して導入コストを抑える

介護現場でのICTやロボット、いわゆる介護テクノロジー導入への補助金は以前から注目されています。
令和7年度国は介護テクノロジー導入支援事業、とくに介護人材確保に関する予算の活用を推進し、環境改善に力を入れています。

この章ではこれら二つの補助制度に注目し、特徴を比較してみました。

名称 「介護テクノロジー導入支援事業」 「介護人材確保・職場環境改善等に向けた総合対策(介護テクノロジー導入・協働化等事業)」
予算 地域医療介護総合確保基金97億円 200億円(令和6年補正予算)
補助率 200億円(令和6年補正予算) 75~80%と高め
対象経費 おもに新規導入時の費用補助 新規導入、既存機器の更新に活用することも可能
特徴 ・国は右記制度の優先活用を推奨
・補助対象分野も明記されており、機器種別や補助上限額の目安がある
・小規模事業所のグループ協働取組など対象が幅広い

いずれの制度も、都道府県・政令指定都市ごとに「実施要綱・募集期間・補助対象経費・補助上限額」が異なるため、最新の自治体公募案内を確認しておきましょう。
<参考:令和6年度厚生労働省補正予算の概要(老健局関係)|厚生労働省(PDF)

助成金を活用する際の流れ

ICT導入を進める際には、助成金を上手に活用することが欠かせません。
ここでは申請から導入、報告までの一般的な流れを4つのステップで解説します。

①導入目的の整理

「なぜICTが必要なのか」ということを明確にしましょう。
補助金取得は手段であって、目的ではありません。ご利用者にとって、または職員にとって「現状の課題はなにか」「導入のメリットは何か」ということを整理しておくと、申請書の説得力がさらに高まります。

②見積・申請準備

現場の課題を解消するには、導入予定の機器やソフトの見積を取り、対象となる経費を確認します。
申請期限が短い場合も多いため、スケジュール管理を事前におこなったり、必要書類のチェックリストを作成し、抜け漏れを防ぐことが申請時の負担を軽減することにもなります。

③採択後に導入開始

助成金の採択後は、機器・ソフトの整備に加え、職員が使いこなせるよう研修も同時に進めます。
導入段階で現場の意見を取り入れることで、より業務の効率化、運用定着が進むでしょう。

事業所だけでは導入が不安な場合はベンダーと協働しながら計画的におこなうことが重要です。

④報告・効果測定

ICTを導入したあとは、業務効率や職員の負担軽減などの効果を数値化・可視化して報告書を提出します。
つまり、導入しただけでは補助金の対象にならず、また効果測定や報告を怠ると補助金の返還対象になる場合があるので注意しましょう。
報告書は自治体ごとに書式や時期が定められており、年度末または翌年度の実績報告書として提出します。

「申請が難しそう」と感じる施設もありますが、ケアベースでは導入支援や申請のサポートを行っており、初めてでも安心して取り組めます。助成金は、ICT化を現実の改革へとつなぐ力強い味方です。

ケアベース導入の流れと現場の変化

導入までの3ステップ

1.現場課題をヒアリングし、最適な導入プランを提案
2.システム設定・キックオフMTGを実施
3.運用開始時に事業所内で導入説明会を実施

導入後は、記録・共有・教育のすべてがクラウドでつながるようになります。
その結果、業務の流れそのものが整理され、現場の一体感が生まれます。

導入施設での声

実際に介護現場で働くスタッフにとって、導入による効果は明確です。介護職だけでなく職種によってもそれぞれ業務内容に効果があります。

  • 介護職A:「記録にかかる時間が半減したので、ご利用者と話す時間が増えた」
  • 介護職B:「事故報告書がテンプレ化され、入力ミスや書き直しが激減した」
  • 看護師 :「バイタルや服薬履歴がすぐ分かるので、急変時の判断が早くなった」
  • 管理者 :「シフトや業務負担が可視化され、残業削減と人員配置の改善に繋がった」

「記録・マニュアル・報告書」を一体管理できるケアベースの特長

ケアベースは、記録・動画マニュアル・教育機能をひとつのシステムで管理できるのが特徴です。

  • 操作がかんたんで、パソコンやタブレットが苦手な方でも使いやすい
  • クラウド型なので、どこからでも確認・入力が可能
  • 教育動画やチェックリストの共有機能で、現場のOJTを支援
  • 導入時にフォロー体制が整っており、安心して定着できる

ケアベースでは、導入施設において記録時間を最大約80%削減し、申し送り業務の負担を大幅に軽くした実績があります。

専門家監修コメント

介護ICTの導入は、「今」が大きなチャンスです。記録や情報共有をデジタル化することで、日々の業務負担を軽減し、職員の時間をケアに集中させることができます。さらに、現在は補助金・助成金の活用により、自己負担を抑えて導入できる好条件がそろっています。

導入までのサポート体制をとっているサービスをうまく使えば、初めての申請でも安心です。制度があるうちに早めの検討を進めることで、職場環境の改善と事業の持続力強化につながります。

まとめ|介護ICTで業務効率とケア品質を両立

介護ICT導入は、単なる電子化ではなく、介護記録・マニュアル・申し送りの一体化を意識することで、業務効率化とケアの質向上を同時に実現します。

導入効果を可視化し、施設全体で共有することで、介護現場全体の生産性向上に直結します。
介護現場のDXを進めたい施設では、まずICT導入を検討し、記録とマニュアルの一体化から始めることが効果的です。

さらに現在は、助成金を活用することで初期費用を抑えながら導入を進めることも可能です。

まずは資料を手に取り、自施設の課題に合った導入プランを検討してみましょう。

【補助金・助成金に関するコラム】
▶ケアベース導入は補助金・助成金で実現できる? 補助の対象と申請の流れを解説

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