carebase(ケアベース)コラム
2026.2.21 教育・人材育成
【新人介護士必見】申し送りで絶対に伝えるべき5項目|現場で使える申し送りテンプレートと時短テクニック
はじめに
「申し送りって、何をどこまで伝えればいいの?」
新人介護士として現場に入ったばかりの頃、多くの人がこの壁にぶつかります。伝えるべきことは分かっているつもりでも、いざ話そうとすると頭が真っ白になったり、逆に情報を詰め込みすぎて要点がぼやけてしまったり……。そんな経験はありませんか?
申し送りは単なる“報告作業”ではなく、利用者の安全とケアの質を守るために欠かせない重要な業務です。適切に情報が共有されていないと、小さな変化が見逃され、思わぬ事故やトラブルにつながる可能性もあります。だからこそ、「分かりやすく・漏れなく・簡潔に」伝えるスキルが求められます。
とはいえ、最初から完璧にできる人はいません。大切なのは、基本の型とポイントを押さえることです。
本記事では、申し送りで絶対に伝えるべき項目や優先順位の考え方、伝え漏れを防ぐチェックリスト、そしてすぐに使えるテンプレートまでを分かりやすく解説します。
「何を伝えればいいか分からない」という不安を解消し、先輩から信頼される申し送りができるようになるための実践的な内容をお届けします。
申し送りとは?新人がまず押さえるべき基本
申し送りとは、勤務交代の際に利用者の状態やケア内容、注意点などを次の担当者へ共有する重要な業務です。まずは、押さえておきたい基本ポイントを整理しましょう。
- 申し送りは「情報共有の要」
介護は24時間体制で行われるため、スタッフ間の連携が欠かせません。申し送りが不十分だと、ケアの質が下がったり、事故の原因になることもあります。 - 大切なのは「量」より「質」
すべてを伝えようとすると、かえって重要な情報が埋もれてしまいます。 - 次の担当者にとって必要な情報を、優先順位をつけて伝えることが重要です。
「変化」を中心に伝える - 普段と違う点(体調・行動・食事量など)は特に重要です。
「いつも通り」よりも「いつもと違うこと」を意識して共有しましょう。 - 次の行動につながる情報を添える
事実だけでなく、「どう対応すべきか」まで伝えるのがポイントです。
例:食事量が少ない → 次の食事でも様子観察を依頼 - 最初から完璧を目指さなくてOK
新人のうちは難しく感じて当然です。基本の型を覚え、少しずつ慣れていくことが大切です。
申し送りは、コツを押さえれば誰でも上達できるスキルです。次の章では、実際に「何を伝えればいいのか」を具体的に解説していきます。
申し送りで絶対に伝えるべき5項目
「何を伝えればいいのか分からない」という悩みは、新人が最もつまずきやすいポイントです。ここでは、申し送りで必ず押さえておきたい5つの項目を解説します。この5つを意識するだけで、伝え漏れは大きく減らせます。
① 利用者の状態変化(バイタル・体調)
体温・血圧・脈拍などのバイタルサインや、体調の変化は最優先で伝えるべき情報です。
「いつもと違うかどうか」がポイントになります。
例:微熱がある/咳が増えている/元気がない など
② 食事・水分・排泄の状況
日常的なケアに関わる情報も重要です。特に、摂取量や回数の変化は体調不良のサインになるため、具体的に伝えましょう。
例:食事は半分残した/水分摂取が少ない/排便なし など
③ 服薬・医療的ケアの実施状況
薬の飲み忘れや変更、処置の実施状況は必ず共有が必要です。医療に関わる情報は、伝え漏れが大きなリスクにつながります。
例:服薬拒否があった/軟膏を塗布済み/処置完了 など
④ 事故・ヒヤリハット・注意点
転倒しかけた、ふらつきがあったなど、小さな変化でも必ず共有しましょう。次のシフトでの事故防止につながります。
例:歩行時にふらつきあり/立ち上がり時に注意が必要 など
⑤ 家族対応・特記事項
家族からの要望や、いつもと違う出来事も重要な情報です。トラブル防止や信頼関係の維持につながります。
例:家族から食事内容の相談あり/外出予定の変更 など
この5項目をベースに考えることで、「何を伝えるべきか」が明確になります。すべてを完璧に話そうとするのではなく、まずはこの5つに当てはめて整理することが、分かりやすい申し送りへの第一歩です。
優先順位の付け方|「全部言う」はNG
申し送りでやりがちな失敗が、「とにかく全部伝えよう」としてしまうことです。しかし、情報量が多すぎると本当に重要な内容が埋もれてしまい、かえって伝わりにくくなります。大切なのは、優先順位をつけて伝えることです。
① 緊急性(命・安全に関わるか)
最も優先すべきは、利用者の命や安全に関わる情報です。体調の急変や転倒リスクなどは、最初に伝えましょう。
例:発熱あり/転倒の可能性が高い/呼吸が苦しそう など
② 重要性(次のケアに影響するか)
次のシフトの対応に関わる情報も優先度が高いです。ケア内容に影響するものは必ず共有します。
例:食事量が低下している/入浴を控えたほうがよい状態 など
③ 変化(いつもと違う点)
普段と違う様子は、見逃してはいけないサインです。「いつも通り」よりも「変化」に注目して伝えましょう。
例:普段は元気だが今日は無口/食欲が落ちている など
優先順位をつけないと起こるリスク
すべてを同じように伝えてしまうと、重要な情報が埋もれてしまいます。その結果、必要な対応が遅れたり、事故につながる可能性もあります。
申し送りは「情報を並べる場」ではなく、「必要な情報を選んで伝える場」です。まずは緊急性の高いものから順に整理することを意識するだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
伝え漏れを防ぐチェックリスト
申し送りでの「言い忘れ」を防ぐには、確認項目をルーティン化することが大切です。
以下のチェックリストは、そのまま現場で使える形式になっています。申し送り前に一つずつ確認するだけで、伝え漏れを大きく減らせます。
申し送りチェックリスト
- 体調・バイタルに変化はあったか(発熱・血圧・脈拍・咳・だるさ など)
- 食事量・水分摂取量はどうだったか(〇割摂取・ほぼ全量・ほとんど摂取なし など)
- 排泄の有無・状態に変化はあったか(排便あり/なし・下痢・便秘・回数 など)
- 服薬・処置は問題なく実施できたか(飲み忘れ・拒否・処置内容 など)
- 行動や精神面に変化はあったか(不安・落ち着きがない・眠れていない など)
- 事故・ヒヤリハットはなかったか(転倒しかけた・ふらつき・危険行動 など)
- 注意すべき点・申し送り事項はあるか(転倒リスク・見守り強化 など)
- 家族対応や特記事項はあったか(要望・連絡事項・予定変更 など)
申し送り直前の最終チェック
- 「いつもと違うこと」は伝えたか
- 次の人が困らない情報になっているか
- 優先順位の高い内容から話す準備ができているか
このチェックリストを習慣化することで、「何を伝えればいいか分からない」という状態から抜け出せます。
慣れてくると自然と整理できるようになるので、まずは毎回確認することから始めてみましょう。
簡潔に伝える話し方のコツ
申し送りでは、「正しく伝えること」と同じくらい「分かりやすく伝えること」が重要です。どれだけ良い情報でも、伝え方が分かりにくければ相手に正確に伝わりません。ここでは、すぐに実践できる話し方のコツを紹介します。
「結論 → 理由 → 補足」の順で話す
最初に結論を伝えることで、相手が内容を理解しやすくなります。
数字や事実を使って具体的に伝える
あいまいな表現は誤解の原因になります。できるだけ具体的な情報で伝えましょう。
主観と客観を分ける
感じたこと(主観)だけでなく、実際の事実(客観)をセットで伝えるのがポイントです。
一文を短くする(ダラダラ話さない)
長い説明は要点がぼやけてしまいます。1つの内容は短く区切って伝えましょう。
申し送りは「話すスキル」というより、「伝え方の型」を使うことが大切です。
まずは「結論から話す」ことを意識するだけでも、伝わりやすさは大きく変わります。次の章では、そのまま使える申し送りテンプレートを紹介します。
現場で使える申し送りテンプレート【例文付き】
申し送りは“型”を使うだけで、驚くほど分かりやすくなります。ここでは、新人の方がそのまま使える基本テンプレートと、シーン別の例文を紹介します。
基本テンプレート(迷ったらこの形)
「〇〇様、本日【結論】です。
【具体的な事実】がありました。
【次の対応・注意点】をお願いします。」
この「結論 → 事実 → 次の対応」の流れを意識するだけで、簡潔で伝わる申し送りになります。
シーン別例文
体調不良が見られた場合
「〇〇様、本日37.8℃の発熱があります。
午後からだるさを訴え、食事は3割程度の摂取です。
夜間も体温の経過観察をお願いします。」
転倒リスクが高い場合
「〇〇様、本日歩行時にふらつきが見られました。
立ち上がりを5回ほど繰り返しています。
移動時は見守り強化をお願いします。」
食事量が低下している場合
「〇〇様、本日食事量が半分以下に低下しています。
食欲がなく、間食も摂取していません。
次回の食事時も様子観察をお願いします。」
申し送りはセンスではなく「型」です。
まずはこのテンプレートを繰り返し使うことで、自然と整理された伝え方が身につきます。次の章では、さらに業務を効率化する方法について解説します。
申し送りを効率化する方法|デジタル活用
申し送りは毎日の業務だからこそ、「いかに正確に、短時間で行えるか」が重要です。口頭や手書きだけに頼っていると、どうしても時間がかかり、伝達ミスも起こりやすくなります。そこで注目したいのが、デジタルツールの活用です。
carebase(ケアベース)などのデジタルツールを活用する
介護現場向けの記録・共有ツールを使うことで、申し送りの精度と効率が大きく向上します。例えば、記録した内容がそのまま申し送りに活用できるため、「まとめ直す手間」がなくなります。
情報を一元管理できる
利用者ごとの情報がまとまっているため、必要な情報をすぐに確認できます。過去の記録も簡単に振り返ることができ、変化にも気づきやすくなります。
リアルタイムで情報共有できる
その場で入力した内容がすぐに共有されるため、申し送りのタイミングを待たずに情報を伝えることができます。急な体調変化にも迅速に対応可能です。
誰でも同じレベルで伝えられる
フォーマットがあることで、伝える内容にばらつきが出にくくなります。新人でも一定の質で申し送りができるようになるのが大きなメリットです。
デジタルツールを活用することで、「時間がかかる」「伝え漏れが不安」といった悩みを解消できます。申し送りの質を高めるだけでなく、日々の業務負担の軽減にもつながるため、積極的に取り入れていきましょう。
まとめ:申し送りスキルは「型」で一気に伸びる
申し送りは難しく感じがちですが、ポイントを押さえれば誰でも着実に上達できるスキルです。大切なのは、「何を伝えるか」と「どう伝えるか」を整理し、自分なりの“型”を身につけることです。
本記事で紹介した「伝えるべき5項目」や「優先順位の付け方」、「チェックリスト」を活用することで、申し送りの精度は大きく向上します。また、「結論から話す」「具体的に伝える」といった基本の伝え方を意識するだけでも、相手に伝わりやすさが格段に変わります。
最初はうまくできなくても問題ありません。テンプレートを使いながら繰り返し実践することで、自然と整理された申し送りができるようになります。日々の積み重ねが、自信と信頼につながっていきます。
まずはできるところから一つずつ取り入れ、迷わず・漏れなく・簡潔に伝えられる介護士を目指していきましょう。
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