carebase(ケアベース)コラム

2025.9.4 介護ICT導入・業務効率化

執筆者:川﨑翔太

介護ICT導入で見直すべき業務フロー3選【チェックリスト付】

監修者プロフィール

  • 監修者名:川﨑翔太
  • 現職:介護支援専門員
  • 経験年数:介護業界17年(現場7年・介護支援専門員10年)
  • 保有資格
    • 介護福祉士
    • 介護支援専門員
    • 福祉住環境コーディネーター2級
    • 福祉用具専門相談員
  • 専門分野
    現役のケアマネジャーとして在宅高齢者のケアマネジメント業務に従事。3年前より介護・健康ジャンルを中心にWEBライターとして活動開始。これまでに介護施設の選び方・介護ICT・介護職員の働き方など多数の記事の執筆を経験。
  • 経歴概要
    介護福祉士として医療機関・介護付き有料老人ホームでの介護現場に従事。ケアマネ資格取得後、地域密着型特養のケアマネジャーを経験し、現在は居宅介護支援事業所ケアマネジャーとして在宅で生活する要介護高齢者のケアマネジメントに携わる。

介護ICT導入の成功は「業務フローの見直し」から

介護現場にICTを導入すると、業務効率化や業務負担の軽減などが期待できます。
しかし、単にICTを導入するだけでは、効果が十分に発揮されません。

介護ICT導入し、効果的に活用するためには、業務フローを見直し、業務効率の低下や職員の業務負担を招いている課題を明らかにすることが大前提です。
本記事では、専門家監修のもとICT導入前に必ず見直すべき3つの業務フローにおける主な課題と見直しのポイントについて解説します。

さらに、記録・申し送り・教育業務の効率を高める効果がある介護ソフトとして「Carebase」の特徴や導入事例も併せてご紹介します。

見直すべき業務フロー1:介護記録

介護記録の記録業務は、ICT導入による効果が最も期待できる業務フローのひとつです。

ICTを活用すると、入力時間の削減やリアルタイムでの情報共有、記録精度の向上が期待できます。

こちらでは、介護記録の記録業務における現状の課題・ICT導入後の改善イメージ・記録業務の見直しポイントについて解説します。

現状の課題

介護記録の記録業務は、主に以下の3つの課題が挙げられます。

  • 紙やExcelでの記録は時間がかかり、転記ミスが発生
  • 情報がバラバラに保存され、申し送りに手間がかかる
  • 「誰が、いつ、どのように」記録したか追跡が難しい

例えば、紙やExcel中心で介護記録を運用している場合、記録作業に時間・手間がかかり、結果的にミスや誤記が発生しやすくなるため、職員の負担が大きいです。

また、介護記録が分散して保存されることで、申し送り時に情報を探す手間が増え、伝達漏れのリスクも高まります。

さらに、「誰が」「いつ」「どのように」記録したか追跡しづらくなり、事故発生時の責任の所在が判断できないことや記録の改ざんなどの問題も発生します。

そのため、紙やExcel中心の運用では業務フロー全体に無駄とリスクが生じやすく、現場の効率化を阻む要因として指摘されています。

ICT導入後の改善イメージ

介護記録の記録業務にICTを導入することで、現場業務の効率化や記録精度の向上などの改善が期待できます。

具体的には、以下のとおりです。

  • タブレット入力で記録時間を半減
  • クラウドでリアルタイム共有し、記録漏れを防止
  • アラート機能により記録ミスを自動チェック

タブレット入力に切り替えることで、1件あたりの記録時間を半減し、紙やExcelでの手作業による負担を軽減できます。

また、クラウド型ソフトの共有機能によって、記録内容がすぐに職員全体で確認できるため、申し送りでの伝え漏れ・情報伝達の遅延を防ぐことが可能です。

さらに、アラート機能や自動チェック機能により、必須項目の未入力や重複入力がリアルタイムで検知され、記録ミスを減らすこともできます。

こうしたICTの活用によって、記録業務の効率化と精度向上の両立が期待できるでしょう。

チェックリスト:記録業務の見直しポイント

現在の記録業務を見直す場合、まずは以下のチェックポイントに該当するか確認しましょう。

  • 記録の二重入力が発生していないか
  • 紙記録とデジタル記録が混在していないか
  • 記録の入力に5分以上かかっていないか
  • 記録漏れや誤記が月に数件以上ないか

記録の二重入力が発生している場合、時間と手間がかかり、転記ミスを招く可能性があります。

また、紙記録とデジタル記録が混在すると、記録の管理が複雑になり、スムーズな情報共有が難しいです。

さらに、1回の入力時間や月の記録漏れ・誤記の発生回数も、記録業務の課題を見つけるための指標の一つとなります。

そのため、事前に4つのチェックポイントを確認し、該当する場合、介護ICTによる改善の予知があるでしょう。

見直すべき業務フロー2:連絡・申し送り

介護現場では、ノートや口頭での連絡・申し送りを行うも、伝達ミスが発生することもあり、中には確認に時間がかかることもあります。

しかし、ICTを活用すると、クラウドやタブレットで情報を一元管理できるため、リアルタイムでの情報共有やケアの安全性の向上を実現できるでしょう。

こちらでは連絡・申し送りにおける現状の課題・ICT導入後の改善イメージ・申し送り業務の見直しポイントについて解説します。

現状の課題

介護現場における主な連絡・申し送り業務の課題は、以下のとおりです。

  • 口頭伝達やノート回覧に頼り、伝え漏れが発生しやすい
  • 夜勤・日勤の情報共有に時間がかかる
  • 突発的な変更がリアルタイムに伝わらない

多くの介護現場では、口頭での伝達やノート回覧による連絡・申し送りが行われていますが、伝え漏れや誤解が起こりやすい一面もあります。

特に、多職種・多シフト制の介護施設では、夜勤と日勤間の情報共有に時間がかかり、突発的な変更がリアルタイムに伝わらず、職員の負担やミスにつながる場合もあります。

そのため、ICT導入によって情報をまとめて管理し、正確かつスピーディーに情報共有ができるような体制を整えることが必要です。

ICT導入後の改善イメージ

ICTを導入することにより、連絡・申し送り業務の改善が期待できます。

具体的には、以下のとおりです。

  • クラウドで情報を即時共有し、どこからでも確認可能
  • 夜勤者が残した記録を日勤者が即時に参照できる
  • 利用者ごとのタイムライン表示で申し送りが明確化

クラウド型システムにより、夜勤・日勤問わず介護記録や情報をリアルタイムで共有できるため、情報の伝達漏れや確認にかかる時間を削減できます。

また、利用者ごとのタイムライン表示で申し送り内容が明確化され、スタッフ間の情報共有がスムーズになります。

そのため、連絡・申し送り業務が改善されると同時に、ケアの質や多職種連携の強化にもつながるでしょう。

チェックリスト:申し送り業務の見直しポイント

連絡・申し送り業務を見直す際、まずは以下の4つのチェックポイントを確認しましょう。

  • 連絡・申し送りに1日30分以上かかっていないか
  • 口頭での伝達に依存していないか
  • 記録と申し送り内容が重複していないか
  • 情報共有が「その場にいた人」に限定されていないか

上記のポイントに該当する場合、連絡・申し送り業務の効率性や正確性に課題がある可能性があります。

そのため、電子化やクラウド共有などのICTを活用することで、時間削減・伝達ミスの防止・重複作業の解消に期待できるでしょう。

見直すべき業務フロー3:教育・OJT

教育・OJTは人材育成において重要な業務ですが、先輩職員の経験や指導方法に依存しがちで、内容が属人化することが少なくありません。

その結果、教育の質や習熟度にばらつきが生じ、人材不足や多様化する職員層への対応が難しくなっており、ICT導入により改善することが期待されています。

こちらでは、教育・OJTに関する現状の課題・ICT導入後の改善イメージ・教育業務の見直しのポイントについて解説します。

現状の課題

教育・OJTにおける現状の課題は、主に以下の3つです。

  • 新人教育が先輩職員の経験に依存し、属人化が進む
  • 教育のばらつきにより、ケア品質に差が出る
  • 外国人への人材教育で言語の壁が課題になる

介護現場における教育・OJTは人材育成に欠かせない業務の一つです。

しかし、新人教育が先輩職員の経験則に依存し、属人化によって指導内容の質にばらつきが生じやすいです。

その結果、職員のレベルやケア品質に差が出てしまい、現場に混乱を招く恐れがあります。

また、外国人への人材教育では言語の壁が大きく、専門用語やマニュアルの理解に時間を要し、習熟度に差が出やすい点も課題となっています。

このような要因が重なることで、安定した教育体制の確立が難しく、介護ICT導入による改善が求められています。

ICT導入後の改善イメージ

  • 動画マニュアルで誰でも同じ内容を学習可能
  • 教育進捗をシステムで可視化し、フォローが容易に
  • 外国人職員にも対応できる多言語コンテンツの導入

ICTを導入することで、以下のような改善が期待できます。

  • 動画マニュアルで誰でも同じ内容を学習できる
  • 教育進捗を可視化し、適切なフォローができる
  • 外国人職員にも対応できる多言語コンテンツの導入

特に、動画マニュアルを活用すると、新人・既存職員を問わず同じ教材で学習できるため、職員のレベルをある程度標準化できます。

さらに、eラーニングや教育支援システムを活用し、学習の進捗状況や理解度を可視化すると、上司や教育担当者が個々の習熟度に合わせ、適切なフォローが行えるようになります。

また、多言語対応のコンテンツ導入により、外国人職員も安心して学習し、職員層の多様化にも対応可能です。

こうした取り組みにより、教育体制の属人化を解消し、教育・OJTの業務効率化と業務改善が期待できるでしょう。

チェックリスト:教育業務の見直しポイント

教育業務を見直す際、あらかじめ以下の4つのチェックポイントに該当するか確認しましょう。

  • 新人教育が個人の経験則に依存していないか
  • 教育時間が長く、現場の負担になっていないか
  • OJTの内容が職員ごとで違っていないか
  • 学習の定着度を数値化して確認できているか

特に新人教育において、個人の経験則に依存していないか、新人教育の時間がかかり現場負担になっていないかは大きな課題です。

また、OJTの内容が職員ごとに違っていないか、学習の定着度を数値化して把握できているかも把握すべきポイントです。

いくつか該当する場合、動画マニュアルや教育支援システムなどのICTを導入することで、教育内容の標準化や進捗の「見える化」による適切なフォローができます。

結果的に、職員のレベルや教育内容の質を高めることができ、現場の業務負担軽減にもつながるでしょう。

専門家監修コメント

介護現場におけるICT導入は、単なるデジタル化が目的ではなく、業務効率化や業務負担の軽減を目的に行われます。

そのため、全ての職員が一丸となり、ICT導入の目的の明確にし、計画的に適切なICTツールの導入と運用方法の確立を行わなければなりません。

まずは、今回ご紹介した記録・申し送り・教育業務における業務フローをしっかり見直し、ICT導入が効果的であるか判断しましょう。

Carebaseで実現する業務フロー改革

介護現場における業務改善を成功させるには、現場の業務フローを整理し、課題を明確にしたうえで適切なICT技術を活用することが重要です。

Carebaseは記録や申し送り、教育業務を効率的に行えるようサポートし、結果的に職員の負担軽減や利用者へのケアの質を高めることができるでしょう。

こちらでは、Carebaseの特徴と導入事例をご紹介し、業務フロー改善の効果について解説します。

Carebaseの特長

  • 介護記録アプリで簡単入力・記録漏れ防止
  • クラウド共有で申し送りを効率化
  • 動画マニュアルで教育を標準化

Carebaseは介護現場で活用する介護ソフトで、記録・申し送り・教育業務を一元的にサポートし、業務フローの効率化を実現します。

具体的な特徴は、以下の4つです。

  • 介護記録アプリで簡単に入力できる
  • 記録漏れ・重複入力を防止できる
  • クラウド共有によってリアルタイムで情報を共有できる
  • 研修管理機能で効率的に育成できる

例えば、介護記録アプリは直感的な操作やテンプレート入力、未記録管理機能によって入力工数を削減し、二重入力や記録漏れを防ぎます。

また、クラウド共有により、リアルタイムで職員間の情報共有が可能となり、効率的な申し送りにつながります。

さらに、動画マニュアルなどの研修管理機能を活用することで、新人や外国籍スタッフにも分かりやすく、効率的に教育業務ができるようサポートします。

このように、Carebaseは記録・申し送り・教育における業務フローを改善し、業務効率化や生産性向上に役立つ介護ソフトと言えるでしょう。

Carebase導入事例

Carebaseを導入することで、現場の業務フローを大きく改善できることが実証されています。

実際に、ある特別養護老人ホームでは導入後に記録時間を約40%削減し、申し送りミスもほぼゼロになったと報告されています。

また、小規模施設では研修管理機能を活用し、教育時間を半減させつつ、定着率を向上させた効果が確認されました。

これらの成果は、クラウド共有や直感的なアプリ入力、研修管理機能などのCarebase独自の機能によるものです。

そのため、Carebaseは施設規模を問わず、介護ICTで変えるべき業務フローをワンストップで改善できるソフトとして注目されています。

まとめ:介護ICT導入は業務フロー見直しから

今回は介護ICT導入における見直すべき業務フローについて解説しました。

介護ICTを導入する際、まずは記録・申し送り・教育という3つの基盤業務のフローを見直し、整理することが必要です。

業務フローを見直す際、今回ご紹介したチェックリストを活用し、現場での課題を明らかにすることで、適切なICTの導入につながります。

また、「Carebase」のような介護ソフトを活用することで業務効率化や業務負担の軽減、教育の標準化にも役立つことができます。

まずは、足元の業務フローをしっかり確認し、現場における課題を明らかにした上で、適切なICT導入を進めましょう。

今回ご紹介した「Carebase」が気になる方・契約を検討したい方は、以下のリンクから資料請求の申し込みをお願いします。

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