carebase(ケアベース)コラム

2026.2.27

【施設管理者向け】介護記録の効率化で残業時間削減|デジタル化の進め方と導入前に確認すべきコスト・補助金まとめ

はじめに|なぜ今「介護記録の効率化」が経営課題なのか?

「記録に時間を取られ、残業が減らない」
「紙運用をやめたいが、費用対効果が見えず踏み切れない」

こうした悩みを抱える施設は少なくありません。介護記録は重要業務である一方、手書き・転記・情報共有の遅れなどが積み重なり、大きな業務負担となっています。

近年は介護記録のデジタル化により、リアルタイム入力やテンプレート活用で介護記録の時間短縮を実現する施設も増えています。しかし、介護記録のシステム導入は現場改善にとどまらず、コストや補助金活用を含めた経営判断でもあります。

本記事では、業務改善効果や施設規模別の削減シミュレーション、導入コストの目安、ICT補助金の活用方法までを整理。数字をもとに、効率化が本当に自施設にとって有効な投資かどうかを判断できる材料を提供します。

介護記録の効率化は“コスト”ではなく、残業削減と人材定着につながる経営改善策です。まずは現状を可視化することから始めてみましょう。

介護記録が非効率になる3つの構造的課題

介護記録の効率化を進めるうえで、まず整理すべきなのは「なぜ今、時間がかかっているのか」という構造的な問題です。現場の努力だけでは解決しにくい、仕組み上の課題が潜んでいるケースが多くあります。

① 二重・三重入力による無駄な作業

紙の記録を中心とした運用では、

  • 手書き記録
  • 申し送りノートへの転記
  • 請求・実績システムへの入力

といった二重・三重の作業が発生しがちです。
さらに、情報共有のために口頭説明やメモ補足が必要になることもあり、実際の記録時間以上に“見えない業務負担”が積み重なっています。これは単なる手間の問題ではなく、人件費の増大や残業常態化の原因にもなります。

② 記録様式のバラつきと属人化

記録の書き方が職員ごとに異なると、内容の粒度や表現に差が生まれます。

  • 必要な情報が抜け落ちる
  • 加算算定の根拠が不十分になる
  • 監査対応時に説明が難しくなる

といったリスクが高まります。属人化が進むと、新人教育にも時間がかかり、結果的に組織全体の生産性を下げてしまいます。

③ 管理者が「数字」で把握できない問題

意外と見落とされがちなのが、管理者側が記録業務の実態を数値で把握できていない点です。

  • 1人あたりの平均記録時間
  • 月間の総記録時間
  • 記録関連の残業時間

これらが明確でないままでは、改善策の優先順位も投資判断も感覚的になってしまいます。

介護記録の効率化を本気で進めるためには、まず現状の業務構造を可視化することが不可欠です。次章では、介護記録のデジタル化によって、これらの課題がどのように改善されるのかを具体的に解説します。

介護記録のデジタル化でどこまで効率化できるのか?

前章で整理した構造的課題は、現場の努力だけで解決するのは困難です。そこで有効な選択肢となるのが介護記録のデジタル化です。単に「紙をやめる」という話ではなく、業務フローそのものを見直すことが、抜本的な効率化につながります。

ここでは、具体的にどのような改善効果が期待できるのかを整理します。

業務改善① 記録時間の削減(介護記録の時間短縮)

デジタル化により最も実感しやすい効果が、介護記録の時間短縮です。

  • テンプレート入力による記載時間の短縮
  • 音声入力機能の活用
  • 過去記録の参照・引用の簡便化

タブレット・スマートフォンでのリアルタイム入力

これにより、後からまとめて記録する“記録残業”を減らすことが可能になります。
結果として、1人あたり1日数十分の削減でも、施設全体では大きな時間創出につながります。

業務改善② 情報共有スピードの向上

デジタル記録は入力と同時に共有されるため、申し送りや確認作業がスムーズになります。

  • 夜勤者への引き継ぎが正確に行える
  • 管理者がリアルタイムで状況把握できる
  • 家族からの問い合わせにも迅速に対応できる

情報のタイムラグが減ることで、無駄な確認や行き違いも減少します。これは業務効率だけでなく、サービス品質の向上にも直結します。

業務改善③ 記録漏れ・監査リスクの低減

介護記録のシステム導入により、

  • 必須項目の入力チェック
  • 記録漏れアラート
  • データの一元管理

が可能になります。

加算算定や監査対応時に必要な記録をすぐに提示できる体制は、経営リスクの低減にもつながります。これは単なる“時短”ではなく、安定した事業運営を支える基盤整備ともいえるでしょう。

介護記録の効率化は、「少し楽になる」程度の変化ではありません。業務時間・情報共有・リスク管理という3つの軸で、経営インパクトをもたらします。

施設規模別|記録時間削減シミュレーション

介護記録の効率化を検討する際、最も気になるのが「実際にどれくらい時間とコストが削減できるのか」という点でしょう。ここでは、介護記録のデジタル化によって想定される時間削減効果を、施設規模別にシミュレーションします。

※以下は、1人あたり1日「20分の記録時間短縮」が実現した場合の試算例です。

小規模施設(利用者20名/職員10名の場合)

  • 1人あたり:20分 × 10名 = 200分(約3.3時間)/日削減
  • 月間(22日稼働):約73時間削減
  • 年間:約876時間削減

時給1,500円換算の場合、
→ 年間約130万円相当の人件費改善効果

中規模施設(利用者50名/職員25名の場合)

  • 20分 × 25名 = 約8.3時間/日削減
  • 月間:約183時間削減
  • 年間:約2,196時間削減

時給1,500円換算の場合、
→ 年間約330万円相当の改善効果

大規模施設(利用者100名以上/職員50名の場合)

  • 20分 × 50名 = 約16.6時間/日削減
  • 月間:約366時間削減
  • 年間:約4,392時間削減

時給1,500円換算の場合、
→ 年間約650万円相当の改善効果

投資判断の考え方

ここで重要なのは、削減できた時間を単純に「コスト削減」と捉えるのではなく、

  • 残業時間の削減
  • 職員の負担軽減による離職防止
  • 利用者対応時間の増加によるサービス向上

といった経営全体への波及効果として考えることです。

介護記録のシステム導入にかかる費用が年間数百万円規模であっても、削減効果と比較すれば十分に投資回収が可能なケースは少なくありません。

介護記録システム導入にかかるコストと費用対効果

前章のシミュレーションで見た通り、介護記録の時間短縮は施設全体で見ると大きな経営インパクトを生みます。では実際に、介護記録のシステム導入にはどの程度のコストがかかるのでしょうか。

ここでは、一般的な費用項目と費用対効果の考え方を整理します。

導入費用の目安

介護記録システムの費用は、主に以下で構成されます。

  • 初期費用(設定・アカウント発行など)
  • 月額利用料(利用人数や機能に応じて変動)
  • 端末費用(タブレット・PCなど)
  • 操作研修・サポート費用

小規模施設であれば、月額数万円台から導入可能なケースもあります。中〜大規模施設では、利用人数に応じてコストは増加しますが、その分、時間削減効果も大きくなります。

見落としがちな「隠れコスト」

導入時に注意したいのが、システム費用以外のコストです。

  • 職員研修にかかる時間
  • 導入初期の一時的な業務負担増
  • 運用ルール変更に伴う調整工数

これらを想定せずに進めると、「思ったより大変だった」という印象につながります。あらかじめ計画に組み込むことが重要です。

費用対効果の考え方

費用対効果を判断する際は、単純なシステム料金だけでなく、

  • 年間削減できる記録時間
  • 残業代の圧縮
  • 離職率低下による採用コスト削減
  • 監査リスク回避

まで含めて総合的に考える必要があります。

例えば、年間300万円相当の時間削減効果が見込める施設であれば、年間コストが200万円でも十分に投資価値があると判断できます。

介護記録の効率化は「経費増」ではなく、「生産性向上への投資」です。さらに、次章で解説するICT導入補助金を活用すれば、実質負担を大きく抑えることも可能です。

ICT導入補助金の活用方法

介護記録のデジタル化を進めるうえで、「初期コストが不安」という声は少なくありません。その負担を軽減できる制度が、介護事業所向けのICT導入補助金です。上手に活用すれば、実質負担を大幅に抑えながら介護記録のシステム導入を進めることが可能です。

ICT導入補助金とは?

各自治体が実施するICT導入支援事業では、介護ソフトやタブレット端末などの導入費用に対して補助が行われます。
一般的には、

  • 補助率:1/2〜3/4程度
  • 上限額:数百万円規模

といった条件が設定されているケースが多く、施設規模によって活用メリットは大きく異なります。

補助対象となる主な費用

  • 介護記録システム利用料
  • 初期設定費用
  • タブレット・PCなどの端末費用
  • ネットワーク整備費

つまり、単なるソフト代だけでなく、環境整備まで含めて支援対象になる場合があります。

申請の流れと注意点

補助金活用の一般的な流れは以下の通りです。

  • 公募要項の確認
  • 導入システムの選定
  • 見積取得・申請書作成
  • 交付決定後に契約・導入

注意点として、交付決定前に契約・支払いを行うと対象外になる場合がある点は必ず確認が必要です。また、年度ごとに公募時期が異なるため、スケジュール管理も重要です。

補助金を活用した場合の実質負担例

仮に導入総額が300万円、補助率が2/3の場合、
→ 実質負担は約100万円

前章の時間削減シミュレーションと照らし合わせれば、投資回収期間はさらに短縮されます。
介護記録の効率化は、補助金を活用することでリスクを抑えながら進められる施策です。

介護記録システム導入の補助金申請方法─必要書類から審査通過のコツまで完全解説の画像

失敗しないための要件定義チェックリスト

介護記録のシステム導入で最も重要なのは、導入前の整理です。
以下の項目を「✓はい/△一部対応/✕未対応」で確認してください。

【STEP1】現状把握(As-Isの整理)

  • 1人あたりの1日の記録時間を把握している
  • 月間の記録関連残業時間を数値で把握している
  • 記録業務の流れ(作成→共有→保管→請求連携)を図式化している
  • 二重・三重入力が発生している箇所を特定している
  • 記録漏れ・監査指摘の過去事例を整理している

▶ 目的:どこを効率化すべきか明確にする

【STEP2】目的・ゴール設定(To-Beの明確化)

  • 記録時間を「何分削減したいか」具体的な目標を設定している
  • 残業時間削減の数値目標を決めている
  • 現場負担軽減・離職防止などの経営目的を明文化している
  • 導入後の効果測定方法を決めている

▶ 目的:導入の成否を判断できる基準を作る

【STEP3】必要機能の整理(Must/Wantの分離)

  • 必須機能(例:テンプレート、モバイル入力、検索機能)を明確にしている
  • 音声入力などの付加機能が本当に必要か検討している
  • 他システム(請求・勤怠など)との連携要否を整理している
  • 加算算定に必要な記録項目を網羅できるか確認している

▶ 目的:「便利そう」で選ばない

【STEP4】運用設計・定着計画

  • 導入スケジュールを段階的に設計している
  • 研修計画(対象者・回数・時間)を決めている
  • 現場の推進担当者を決めている
  • 導入初期の一時的負担増を想定している
  • 操作マニュアル・問い合わせ窓口を確認している

▶ 目的:導入後に“使われない”状態を防ぐ

【STEP5】費用対効果の検証

  • 年間削減可能時間を試算している
  • 人件費換算で投資回収期間を算出している
  • ICT導入補助金の活用可否を確認している
  • 補助金申請スケジュールを把握している

▶ 目的:感覚ではなく数字で判断する

最終確認

  • 現場の合意を得ている
  • 経営判断としての投資理由を説明できる
  • 「なぜこのシステムを選ぶのか」を明確に言語化できる

このチェックが概ね「はい」で埋まる状態になっていれば、介護記録のシステム導入における失敗リスクは大きく下がります。
重要なのは、「どのシステムが良いか」ではなく、「自施設に何が必要か」を明確にすることです。

この整理ができていれば、carebase(ケアベース)のような記録効率化に特化したサービスが適しているかどうかも、自然と判断できるようになります。

スタッフに定着させるための展開ステップ

介護記録のデジタル化は、導入がゴールではありません。使い続けられることが成果を左右します。

① 導入目的を共有する

「なぜ導入するのか」を明確に伝えます。
残業削減、記録時間短縮、業務負担軽減など、具体的な目的を共有することで協力が得やすくなります。

② スモールスタートで始める

いきなり全業務を切り替えるのではなく、

  • まずは一部ユニットから
  • 記録業務のみから

と段階的に進めると定着率が高まります。

③ 推進担当者を設置する

現場の質問対応や運用改善を担う“推進役”を決めることで、導入後の停滞を防ぎます。

④ 成果を数値で可視化する

  • 記録時間が何分短縮されたか
  • 残業時間はどれだけ減ったか

成果を共有することで、現場の納得感とモチベーションが向上します。

自施設に合う介護記録システムの選定ポイント

介護記録のシステム導入を成功させるには、「価格」だけでなく、自施設に合うかどうかを見極めることが重要です。

比較すべき5つの判断軸

  1. 1.操作性
    現場スタッフが直感的に使えるか。
  2. 2.記録特化か多機能型か
    記録効率化を重視するのか、請求や他機能も含めて統合するのか。
  3. 3.サポート体制
    導入時研修や問い合わせ対応は十分か。
  4. 4.拡張性
    将来的な事業拡大や制度改正に対応できるか。
  5. 5.コストバランス
    年間削減効果と比較して妥当か。

例えば、記録業務の効率化に特化した設計かどうかは重要な判断軸です。
carebase(ケアベース)のように、現場の記録負担軽減にフォーカスした設計のシステムは、「まず記録時間を削減したい」という施設に適しています。

まとめ|介護記録の効率化は“コスト”ではなく“経営改善”

介護記録のデジタル化は、

  • 記録時間の削減
  • 残業時間の圧縮
  • 情報共有の迅速化
  • 監査リスクの低減

を実現する施策です。
施設規模が大きくなるほど、その効果は経営インパクトとして表れます。さらにICT導入補助金を活用すれば、初期投資のリスクも抑えられます。
重要なのは、導入前の要件定義と、現場定着の仕組みづくりです。これらを丁寧に行えば、介護記録の効率化は確実に成果へとつながります。

現場で使えて負担を減らせる介護記録・介護特化マニュアルシステム「carebase(ケアベース)」の画像

介護記録の効率化をご検討なら、carebase(ケアベース)へ

介護記録の効率化は、現場の負担軽減だけでなく、残業削減や人材定着にも直結する重要な経営施策です。
もし、

  • 記録時間を具体的にどれくらい削減できるのか知りたい
  • 自施設に合うシステムか判断したい
  • 導入コストや補助金の活用について相談したい

とお考えであれば、carebase(ケアベース)の資料請求・デモをご活用ください。
carebase(ケアベース)は、介護記録の効率化に特化した設計で、現場が使いやすく、管理者が成果を数値で把握しやすい仕組みを備えています。

介護記録のデジタル化による具体的な効果を、ぜひ一度ご確認ください。

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