carebase(ケアベース)コラム
2025.8.1 介護ICT導入・業務効率化
介護記録はなぜICT化すべき?
なぜ今、介護記録のICT化が求められるのか?
介護業界では、人手不足の深刻化と業務負担の増大が大きな課題となっています。
特に介護記録に関する業務は、利用者の安全と適切なケアを提供するために欠かせない一方で、現場職員にとって大きな負担となっているのが現状です。
介護記録業務の現状
- 手書き記録による転記ミス・記録漏れの発生
- 情報共有の遅れによる申し送りエラー
- 記録作成に要する時間の増大
- 情報の検索・活用の困難さ
このような課題を解決し、より質の高いケアを効率的に提供するために、介護記録のICT化が急務となっています。本記事では、ICT化のメリットと効果、そして実際の導入事例について詳しく解説します。
紙ベースの介護記録が抱える課題
記録の正確性に関する課題
- 手書きによる誤記・転記ミス
- 記録タイミングのズレによる情報の不正確性
- 複数の記録用紙への重複記載
- 記録漏れの発見遅れ
業務効率に関する課題
- 記録作成に要する時間の長さ
- 情報検索の困難さ
- 申し送り準備の手間
- 報告書作成の負担
統計で見る課題の深刻さ
約40%
記録作業に費やす業務時間の割合
平均30分
1日の記録作成にかかる時間
15%
記録ミスによる事故リスクの増加
ICT化で実現する5つの大きなメリット
1. 記録漏れ・転記ミスの劇的な削減
デジタル化により、入力必須項目の設定や自動転記機能で、人的ミスを大幅に削減できます。
未記録項目の可視化機能により、記録漏れを即座に発見・対応可能になります。
導入効果例:記録ミス発生率が約80%減少、転記作業時間が70%短縮
2. 業務時間の大幅な短縮
テンプレート機能、1ボタン入力、一括登録機能により、記録作成時間を大幅に短縮。関連記録への自動転記で重複作業を削減できます。
導入効果例:1日の記録作業時間が30分から10分に短縮、残業時間20%削減
3. 情報共有の円滑化と申し送りの効率化
リアルタイムでの情報更新により、職員間での情報共有が円滑になります。申し送り事項の自動生成機能で、引き継ぎ業務も効率化されます。
導入効果例:申し送り時間が15分から5分に短縮、情報伝達ミス90%削減
4. データ活用による質の高いケアの実現
蓄積されたデータの分析により、利用者の状態変化や傾向を把握。個別ケアプランの最適化や予防的なケアの実施が可能になります。
導入効果例:ケアプラン見直し頻度30%向上、利用者満足度15%向上
5. 職員の負担軽減と離職率の改善
記録業務の効率化により、職員が利用者とのコミュニケーションにより多くの時間を割けるようになり、本来の介護業務に集中できる環境を実現します。
導入効果例:職員の業務満足度25%向上、離職率18%削減
実際の導入事例から学ぶ成功パターン
特別養護老人ホームA様の事例
定員80名・職員数45名
導入前の課題
- 手書き記録による転記ミスが月平均15件発生
- 申し送り準備に1回30分程度要していた
- 記録検索に時間がかかり、過去データの活用が困難
- 職員の記録業務負担が大きく、残業が常態化
導入後の改善効果
- 転記ミスが月平均2件まで削減(87%減)
- 申し送り準備時間が10分に短縮(67%減)
- 過去データの即座検索が可能に
- 職員の残業時間が月平均8時間削減
施設長コメント:「記録業務の効率化により、職員が利用者様との時間をより多く確保できるようになりました。また、データ分析により、これまで気づかなかった利用者様の変化も把握できるようになり、ケアの質が向上しています。」
デイサービスB様の事例
定員25名・職員数12名
導入前の課題
- バイタルチェック結果の記録漏れが頻発
- 複数の記録用紙への重複記載で時間がかかる
- 家族への報告書作成に手間がかかる
- 職員間での情報共有が不十分
導入後の改善効果
- 未記録項目の可視化で記録漏れゼロを達成
- 一度の入力で関連記録へ自動転記
- 家族報告書の自動生成で作成時間75%短縮
- リアルタイム情報共有で連携強化
管理者コメント:「小規模事業所でも導入しやすく、スタッフの習得も早かったです。特に、記録の標準化により、経験の浅いスタッフでも質の高い記録を作成できるようになりました。」
介護記録ICT化を実現する「CareBase」
動画マニュアル×記録連携機能をひとつにした、現場起点の介護記録システム
記録漏れゼロ
未記録項目の可視化と自動転記で、記録漏れを確実に防止
業務時間短縮
テンプレート機能と一括登録で記録作成時間を大幅削減
動画マニュアル連携
記録業務と教育を一体化し、現場での即時学習をサポート
主な機能・特徴
- バイタル・基礎介助記録:体温、脈拍、血圧から日常介助まで一元管理
- 申し送り・連絡機能:カレンダー連動で情報共有を効率化
- 未記録管理:記録漏れを色分けで可視化し、即座に対応可能
- 動画マニュアル:記録タイミングで手順動画を自動表示
導入メリット
- 初期費用0円:導入コストを抑えた始めやすい料金設定
- 現場起点UI:紙の記録表に近い直感的なデザイン
- 充実サポート:個別レクチャーと操作動画で安心導入
- 研修管理機能:法定研修から新人教育まで一括管理
ICT化成功のための5つのポイント
1. 段階的な導入計画の策定
全機能を一度に導入せず、基本的な記録機能から段階的にスタート。職員の習熟度に合わせて機能を拡張していくことが重要です。
2. 職員研修の充実
システム導入前後の研修計画を立案。特に、ICTに不慣れな職員への個別サポートを重視し、全職員が使いこなせるまで継続的に支援します。
3. 業務フローの見直し
ICT導入を機に、既存の業務フローを見直し。デジタル化のメリットを最大化するため、記録タイミングや情報共有方法を最適化します。
4. 継続的な改善・最適化
導入後も定期的に利用状況を確認し、課題があれば設定変更や追加研修を実施。システムを現場に合わせてカスタマイズしていきます。
5. データ活用体制の構築
蓄積されたデータを分析・活用する体制を整備。定期的な振り返りと改善により、ケアの質向上と業務効率化を両立させます。
6. 経営層のコミットメント
ICT化の成功には経営層の理解と支援が不可欠。投資効果の測定と職員のモチベーション維持のため、継続的な支援が重要です。
まとめ:介護記録ICT化で実現する未来
介護記録のICT化は、単なる業務効率化にとどまらず、介護の質向上と職員の働きやすさを両立させる重要な取り組みです。
記録漏れの防止、業務時間の短縮、情報共有の円滑化など、多面的なメリットを実現できます。
ICT化で期待できる成果
- 記録ミス・漏れの80%以上削減
- 記録業務時間の50〜70%短縮
- 職員の業務満足度向上
- データ活用によるケア品質向上
- 情報共有の円滑化
- 職員の離職率改善
成功のカギは、現場のニーズに合ったシステム選択と、段階的で継続的な導入アプローチです。CareBaseのような現場起点で設計されたシステムを活用し、職員全体での取り組みを進めることで、ICT化の効果を最大化できます。
介護記録のICT化は、利用者により良いケアを提供し、職員がより働きやすい環境を作るための重要な投資です。ぜひ、貴施設でも積極的な検討を進めていただければと思います。