carebase(ケアベース)コラム
2026.7.31
CareBase(ケアベース)導入で介護現場はこう変わる|利用開始の流れと事例を紹介
CareBase(ケアベース)を導入すると、紙・口頭・Excel中心だった申し送りと教育が、動画マニュアルと画面共有へ置き換わります。埼玉県の特別養護老人ホーム鷲宮苑では、朝の口頭申し送りが15〜30分から数分に短縮しました。本記事では、導入で現場が何がどう変わるのかを実際の事例で示し、利用開始の流れ、外国人職員が多い施設での使い方、導入前によくある不安への答えまでを解説します。
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CareBase(ケアベース)とは|記録・申し送り・教育・多言語を一体化する介護プラットフォーム
記録・申し送り・教育・多言語を1画面に集約。背景には2022年度→2040年度で約215万人→約272万人へ増える介護人材の需要がある(出典: 厚生労働省)
CareBase(ケアベース)は、記録・申し送り・教育・多言語対応を一つの画面に集約する介護施設向けのクラウドサービスです。日々のバイタルや食事、排泄、入浴、服薬などの記録をテンプレートで入力し、申し送りや職員間の連絡をデジタルで共有し、身体介助や感染対策の手順を動画マニュアルで学べる仕組みを、同じプラットフォーム上でまとめて運用できます。
介護現場でこうした一体化が求められる背景には、深刻な人材事情があります。厚生労働省の推計では、介護職員の必要数は2022年度の約215万人から、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人へと増える見込みです(厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」、2026年7月時点)。同じ資料で国は、確保策の柱として「生産性向上」と「外国人材の受入環境整備」を挙げています。限られた人員で記録・申し送り・教育を回し、外国籍の職員にも手順を正確に伝える——この二つの課題に同時に応える手段として、記録から教育までを一つにまとめるツールへの関心が高まっています。
介護施設では近年、認知症介護基礎研修や虐待防止、業務継続計画(BCP)に関する研修など、実施と記録が求められる教育の範囲が広がっています。人員に余裕がないなかで、こうした教育を口頭とベテランの経験だけで回すのは難しく、手順を「見える形」で残して繰り返し使える仕組みが強く求められています。
CareBase(ケアベース)は、この課題に対して「記録」「申し送り・情報共有」「動画マニュアル・教育」「多言語翻訳」の4つを軸に組み立てられています。文章だけでは伝わりにくい介助の手順を動画・画像・文字で残し、記録画面やケアボードから業務中でもその場で確認できます。管理者は研修の進捗や記録の状況をダッシュボードで一画面に把握し、施設全体の教育計画やリソース配分に反映できます。つまり「記録するだけ」「教育するだけ」の単機能ではなく、記録・共有・教育をひとつながりの流れとして回すことが、CareBase(ケアベース)の設計思想です。
一方で、ツールを導入すれば自動的に現場が変わるわけではありません。多機能なシステムほど「導入したのに使われない」という落とし穴が生まれやすく、成果を出している施設には共通した使い方の工夫があります。そこで本記事では、CareBase(ケアベース)そのものの全体像や料金プランを整理したCareBase(ケアベース)とは?全機能・料金プランの詳細とは切り口を分け、「導入すると現場がどう変わるのか」「どう使えば定着するのか」に焦点を当てて、二つの施設の実例から掘り下げていきます。
導入事例:紙のマニュアルを捨てた特養の1年(鷲宮苑)
朝の口頭申し送りは15〜30分から数分へ、教える負担も半減(出典: おはよう21 2026年7月号/鷲宮苑・鈴木英幸施設長)
鷲宮苑では、動画マニュアルと申し送り画面の導入により、朝の口頭申し送りが15〜30分から数分に短縮し、教える側の負担も軽くなりました。ここでは埼玉県久喜市の特別養護老人ホーム鷲宮苑(90床・従来型)の事例を、導入前・きっかけ・導入後の順にたどります(おはよう21 2026年7月号掲載、鈴木英幸施設長へのインタビューより)。
鷲宮苑・鈴木英幸施設長(おはよう21 2026年7月号掲載)
導入前:マニュアルはあっても、誰も見なかった
鷲宮苑にもマニュアルはありました。しかし現場に慣れると次第に見る機会が減り、どこにあるかも分からなくなっていきます。しかも10年前に作ったものは内容が古くなり、業務の合間に更新できないまま放置されがちでした。教える人が変わればやり方まで変わり、利用者本人から「いつもこうしてもらっていたのに、別の人だとやり方が違う」と言われることが何度もあったといいます。
申し送りはExcelで管理していましたが、通知機能がないため各フロアに行かないと情報が見られず、電話が来ているのに現場の誰も気づかない、といった情報共有の途切れも起きていました。困ったときは結局、一番近くにいる先輩に聞くのがベスト——そんな属人的な状態が続いていました。マニュアルという「型」があっても、見られなければ機能しない、という現場の実感がそこにはありました。
きっかけ:2024年の法人合併で、マニュアルの山が2倍に
転機は2024年の法人合併でした。二つの法人にあった大量のマニュアルを一つにまとめる必要が生じ、量は単純に2倍近くにふくらみます。紙のままでは統合も更新も追いつかないと考えた鈴木施設長は「紙のままでは無理だ」と判断し、動画マニュアルを軸にしたクラウドサービスの導入に踏み切りました。マニュアルの標準化という差し迫った実務が、導入を後押しした形です。
導入後:「まず見よう」が現場の合言葉に
導入から1年、現場では「まず(マニュアルを)見よう」が合言葉になりました。以前は紙のマニュアルを引っ張り出して見ていると「何を今さら」という目で見られる雰囲気がありましたが、タブレットの画面を確認するのは気にならない。職員が率先して動画で確認し、やり方が違えば動画を基準にだんだん本来あるべき姿へ修正されていく——教える側と教わる側の双方に、共通の「型」が戻ってきたといいます。
変化は数字にも表れました。以前はExcel管理で通知が届かず「聞いてません」が横行していましたが、出勤したら申し送り画面を確認するのが当たり前になり、朝の口頭申し送りは15〜30分から数分に短縮。既読が見えるため「聞いてません」が通じなくなりました。教育面でも、「体を横に向けます」という言葉では伝わらない足や腕の位置まで動画なら見えるため、教える側の負担が半減したと語られています。文章や口頭では埋まらなかった「見えない部分」を、動画が補った形です。
外国人職員への効果も見逃せません。鷲宮苑ではミャンマー出身の特定技能職員が12名在籍しています。日本語特有のニュアンスや介護の専門用語はなかなか伝わりにくく、鈴木施設長は外国人職員の理解度について「『大丈夫ですか』と聞くと『はい』と返ってくるけど、実際にやらせてみたら全然大丈夫じゃなかった、というのが8割くらいありました」と振り返ります。翻訳機能で母国語のマニュアルを読めるようになったことで理解が深まり、仕事への自信にもつながっているといいます。施設長は今後について、拠点が変わっても同じ動画を見て共通認識をそろえ、「金太郎飴」のようにケアの質を揃えていくことを展望として挙げています。
導入前と導入後の変化(鷲宮苑の事例)
現場の変化を4つの観点で整理すると、次のようになります。
| 観点 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 朝の申し送り | Excel管理・口頭で15〜30分、通知が届かず「聞いてません」が発生 | 出勤時に画面確認、口頭は数分、既読が見える |
| マニュアル参照 | 所在不明・古いまま・見ると「何を今さら」の空気 | 「まず見よう」が合言葉、職員が率先して確認 |
| 新人・OJTの教育 | 教える人によってやり方が違う | 足・腕の位置まで動画で伝わり、教える負担が半減 |
| 外国人職員の理解 | 「大丈夫」でも実際は8割が未理解 | 母国語のマニュアルで理解が深まり自信に |
出典: おはよう21 2026年7月号(鷲宮苑・鈴木英幸施設長インタビュー)
数字だけを見れば「申し送りが数分になった」という一行の変化ですが、その背景には属人的な口頭伝達から、既読が見える記録ベースの共有への転換があります。口頭申し送りは、当日出勤する職員全員の時間を同時に拘束するため、1回あたりの短縮でも人数と日数を掛け合わせると小さくない負担の削減につながります。加えて「聞いていない」による確認の往復や手戻りが減ることも、目に見えにくい効果です。自施設の朝の申し送りに何分かかっているか、何人が立ち会っているかを一度計ってみると、導入効果を具体的に見積もる手がかりになります。
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外国人職員が半数の施設でも使えるか|ぽっかぽっかの運用ノウハウ
翻訳任せにせず「日本語で頑張る/母国語で確認」の使い分け・現場の言葉の用語集・文化差の動画共有で外国人職員を支える(出典: おはよう21 2026年9月号)
翻訳機能と動画マニュアルにより、母国語での確認と視覚的な手順理解が進み、外国人職員の受け入れを後押しします。ただし現場で成果につなげるには、ツール任せにしない運用の工夫が欠かせません。職員の半数が海外出身という介護老人保健施設ぽっかぽっか(埼玉県白岡市)の事例から、その運用ノウハウを見ていきます(おはよう21 2026年9月号掲載)。
翻訳機能でミャンマー語表示にしたマニュアル画面(おはよう21 2026年9月号掲載)
ぽっかぽっかは約10年前から外国籍職員を受け入れ、現在はフィリピン・インドネシア・ミャンマー・韓国などの職員が在籍しています。最も多いのはミャンマー出身で9人、リーダーを任せている職員もいます。言葉や習慣、文化が異なるメンバーがワンチームでケアにあたるうえで、コミュニケーションの土台づくりが大きなテーマになっています。ポーさんのように「子どもの頃から日本のアニメやドラマが好きで、人の役に立つ仕事がしたい」と来日した職員にとって、最初の壁になりやすいのが専門用語と申し送りです。ここをどう乗り越えるかが、外国人職員の定着を左右します。
「文章より動画」「母国語で確認」で立ち上がりを支える
同施設ではCareBase(ケアベース)を新人研修で使い始めました。本田江里香介護部長は「文章より動画で観るほうがわかりやすいうえ、翻訳機能がついているので、わからないときはすぐに確認できる点が便利です」と話します。ミャンマー出身のポー・ニン・ニンさんも、来日当初は専門用語が難しく「申し送りを聞いてもわからなかった」といいますが、使ってみて「仕事の流れもわかるし、記録の仕方もわかる」と実感を語っています。日本語の音声を聞きながら声のかけ方やトーンも確認できる点が、接遇の学習にも役立っているといいます。動画マニュアルと多言語翻訳は、外国人スタッフを受け入れる施設の立ち上がりを支える役割を果たしています。
翻訳に頼りすぎない——現場で効く3つの工夫
注目したいのは、翻訳機能を使いながらも「頼りすぎない」バランスを現場が意識している点です。ぽっかぽっかの運用には、ツールだけでは補えない次のような工夫があります。
- 使いどころの見極め:本田介護部長は「翻訳に頼りすぎないように、『ここは日本語で頑張る』『母国語で確認する』と使いどころを見極めながら現場で活用している」と話します。すべてを翻訳に委ねるのではなく、日本語で覚えるべき場面と母国語で正確さを担保する場面を分けているのが特徴です。
- 現場の言葉の用語集:矢野秀美介護主任リーダーによれば、現場の言葉は学校で習う日本語と少し違い、「箸」の発音が利用者には「橋」に聞こえることもあるため、用語集をつくって補っています。教科書どおりの日本語だけでは埋まらない、現場特有のズレを地道に埋める取り組みです。
- 文化差を動画で共有:ミャンマーで尊敬を表す「腕を組む」しぐさは日本では印象が異なります。こうした習慣の違いを「これはOK、これはNG」という接遇の動画にして共有し、言葉にしにくい振る舞いのニュアンスまで伝えています。
さらに矢野介護主任は、外国人職員が「本当は大丈夫ではないことも、つい『大丈夫』と答えてしまいがち」であることに触れ、あまり心配しすぎると気をつかわせてしまうため、少し距離を置いて表情や働く姿を見ながら定期的に声をかけているといいます。「『外国籍だから』と特別視するのではなく、一緒に働く仲間として」接する姿勢が、鷲宮苑で見られた「わかった?」「はい」でも実際は8割が未理解、という状況を補正しています。翻訳機能と動画マニュアルは、こうした人の関わりを土台にしてこそ効果を発揮する、というのが二つの施設に共通する示唆です。多言語対応の詳しい運用は外国人スタッフの受け入れと多言語対応でも触れています。
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CareBase(ケアベース)でできること|記録・申し送り・教育・多言語の全機能
記録・申し送り・教育・多言語がバラバラの運用に対し、CareBase(ケアベース)は4機能を一元化して二重管理と転記の手間を減らす
CareBase(ケアベース)は、記録・申し送り・動画マニュアル・多言語翻訳の4機能を軸に、記録から教育までを一つのクラウドで完結できます。ここでは、鷲宮苑やぽっかぽっかで実際に使われている機能を、カテゴリごとに整理します。
| 機能カテゴリ | 主な内容 |
|---|---|
| 介護記録 | バイタル(体温・脈拍・血圧・呼吸・SpO₂)、食事・排泄・入浴・服薬・口腔ケア等の基礎介助記録、テンプレート入力、一括入力・自動転記、未記録アラート |
| 利用者情報管理 | 基本情報(介護度・かかりつけ医・連絡先)、ケア情報(ADL・既往歴・服薬・行動特性)、個別ポイント、ケアプラン連携 |
| 申し送り・情報共有 | リアルタイム更新、既読・チェックリスト化、通知機能、スマホ・タブレットからの確認 |
| 動画マニュアル・教育 | 動画・画像・テキストの個別マニュアル作成、更新履歴管理、法定研修・施設独自研修の進捗管理、学習フロー設定 |
| 多言語翻訳 | マニュアルの11言語翻訳表示、母国語での手順・用語確認 |
| 管理者ダッシュボード | 記録状況・未記録項目の可視化、利用者別・スタッフ別集計、CSV・PDF出力 |
これらは単機能を寄せ集めたものではなく、記録に紐づいた手順マニュアルをその場で参照し、申し送りへ即時に反映するという流れでつながっています。以下では、導入した施設が現場で実感しやすい変化を、機能ごとに具体的に見ていきます。
記録:入力の工程を短くして、二度書きをなくす
介護記録は毎日積み重なる業務で、紙やExcelでは小さな作業の積み重ねが大きな負担になります。CareBase(ケアベース)はスマホやタブレットからその場で記録でき、入力項目が整理されて迷わず書けるうえ、利用者情報が自動反映され、よく使う記録はテンプレート化できます。転記が不要になり二度書き・三度書きが減るため、1回ごとの記録だけでなく1日全体の業務が軽くなります。バイタルや服薬を入力する画面から関連マニュアルをその場で確認できるため、夜勤中の急な体調変化にも、業務を止めずに手順を確かめながら正確に記録できます。
申し送り・情報共有:「聞いていない」をなくす
申し送りはチームケアの質を左右しますが、忙しい現場では伝え漏れが起きがちです。CareBase(ケアベース)では、バイタルの変化や気になる様子がリアルタイムで共有され、あとから探す手間がありません。シフトの違う職員にも情報が届き、既読が見えるため、鷲宮苑のように「聞いていない」「知らなかった」というズレが起きにくくなります。申し送りはカテゴリで整理され、緊急度の高い情報を全員が同時に把握できるため、判断も早くなります。
動画マニュアル・教育:教え方のムラをなくす
新人教育は現場の大きな負担です。「記録の書き方をゼロから教える」「同じ説明を何度も繰り返す」といった積み重ねが、ベテランの時間を圧迫します。CareBase(ケアベース)では、蓄積された記録例が自然と教材になり、動画で手順を視覚的に学べるため、人によって教え方が違うというムラを抑えられます。法定研修や施設独自の研修の進捗は管理者が一元管理でき、施設独自の教育フローに合わせたマニュアルづくりも可能です。文章では伝わりにくい介助の細部まで動画で残せる点が、鷲宮苑で「教える負担が半減した」といわれた核心にあたります。
多職種・シフトを越えた連携がなめらかになる
介護現場では、日々の小さな変化を共有できるかどうかがケアの質に直結します。忙しいシフトの合間に細かく話し合うのは難しく、「あとで伝えようと思って忘れた」「同じ質問を何度も受ける」といった行き違いが起きがちです。CareBase(ケアベース)では、気づいたことを空いたタイミングで数秒入力すれば全員がリアルタイムで同じ情報を見られ、看護・介護・リハビリなど職種やシフトを越えて情報がつながります。申し送り内容や注意点が記録として残るため、「言った・言わない」の解釈のズレも起きにくくなります。情報が視覚的に整理されるので、新人や外国籍の職員も口頭説明に頼りきらずにキャッチアップしやすく、鷲宮苑やぽっかぽっかで見られた立ち上がりの負担軽減につながります。
利用者情報と入力サポート:抜け漏れを仕組みで防ぐ
記録を正確に保つには、入力する人の注意力だけに頼らない仕組みが必要です。CareBase(ケアベース)では、氏名・介護度・かかりつけ医・連絡先といった基本情報に加え、ADL(生活動作)・既往歴・服薬状況・行動特性などのケア情報、介護時の注意点や特記事項を利用者ごとに一元管理できます。記録画面では利用者ごとの注意点が自動で表示されるため、担当が替わっても認識違いを防ぎやすくなります。さらに、入力されていない項目を知らせる未記録アラート、確認が必要な項目を整理するアラート未確認リスト、ケアプランやマニュアルの更新期限を通知する仕組みが備わっており、「書き忘れ」「更新忘れ」を人の記憶ではなく画面側で拾い上げます。これにより、日々の負担を増やさずに記録の正確性を保てます。
管理者ダッシュボード:現場の状況を一画面で把握する
管理者向けのダッシュボードでは、記録状況、未記録項目、職員別・利用者別のデータを一画面で確認できます。記録の抜け漏れを事前に把握しやすく、実地指導(運営指導)の準備でも、必要な記録が一箇所にまとまり「いつ・誰が・何をした」が明確に残るため、証跡を探し回る手間を減らせます。ケア内容や更新履歴が自動で残るので、指導の根拠としても提示しやすくなります。CSV・PDFで出力できるため、会議資料や改善計画にもそのまま活用でき、データにもとづいて業務改善や教育計画を調整できます。
客観的に見た評価軸——どこで効果が出るか
導入効果を主観的な「便利になった」で語ると、判断がぶれます。二つの事例をデータで見ると、効果が出やすい評価軸は次のように整理できます。
- 申し送り時間×人件費:鷲宮苑では朝の口頭申し送りが15〜30分から数分になりました(おはよう21 2026年7月号)。仮に職員10名が毎朝15分立ち会う施設なら、短縮分は人件費に直結します。
- マニュアル参照率×教育の標準化:「まず見よう」が定着し職員が率先して確認するようになれば、教え方のムラが減ります。
- 外国人職員の理解度×多言語対応:母国語での確認により「8割は未理解」という状態を補正できます。
したがって導入可否は、自施設のどの評価軸に最も伸びしろがあるか——申し送りの時間か、教育の標準化か、外国人職員の定着か——を見極めて判断するのが現実的です。
こうした評価軸で見ると、CareBase(ケアベース)の効果は「便利になった」という感覚ではなく、朝礼にかかる時間・教え直しの回数・外国人職員が独り立ちするまでの期間といった、施設ごとに測れる指標に落とし込めます。先に触れたとおり、国も介護人材の確保策として「生産性向上」と「外国人材の受入環境整備」を掲げています(厚生労働省、2026年7月時点)。記録・教育の効率化と多言語対応を一つの仕組みで進められるかどうかは、この政策の方向とも重なるポイントです。
導入を検討するときは、一般的な介護ICTツールと同じ評価軸で並べて確認すると判断しやすくなります。評価軸は機能・対応デバイス・初期費用・初期設定代行・教育/定着支援・情報共有/申し送り・操作/導入負荷の7項目で、「他サービス例」は特定の製品ではなく一般的な構成を指します。
| 比較項目 | CareBase(ケアベース) | 他サービス例 |
|---|---|---|
| 機能 | ◎ | ○ |
| 対応デバイス | ◎ | ○ |
| 初期費用 | ◎ キャンペーン期間中無料 | ○ 見積後 |
| 初期設定代行 | ◎ | × |
| 教育・定着支援 | ◎ 動画マニュアル・進捗可視化 | △ 手動・別管理 |
| 情報共有・申し送り | ◎ リアルタイム・見える化 | ○ 備考欄ベース |
| 操作・導入負荷 | ◯ 直感的UI+説明会 | △ 初期設定・習得に時間 |
CareBase(ケアベース)は記録・申し送り・教育・多言語の4機能を同じプラットフォームに置くことで、情報の二重管理や転記の手間を減らす設計になっています。機能の有無や料金の詳細はCareBase(ケアベース)の料金プランで確認できます。
導入・利用開始までの流れ|キックオフから運用定着まで
CareBase(ケアベース)の導入はキックオフから運用定着まで5ステップで進み、1テーマあたり約6週間が目安です。現場の負担を抑えながら段階的に運用へ移行できるよう、進め方が明確に定められています。
| ステップ | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 1. キックオフミーティング | 現状の紙・口頭マニュアルを棚卸しし、動画化するテーマ・撮影日程・協力者を決定。台本づくりも支援 | 約1時間 |
| 2. 動画撮影 | 施設内で普段どおりの業務風景を撮影。施設は撮影場所と協力者の手配のみ、撮影・調整はCareBase(ケアベース)側が担当 | 1テーマ約1時間 |
| 3. 編集動画の確認 | 撮影から約2週間で編集完了。テロップ・補足を加え、現場で使いやすい教材に仕上げる | 約1時間 |
| 4. 最終確認と運用策定 | 新人研修・手順統一などどの場面で使うかを決定。動画はYouTube限定公開リンク・QRコードで共有 | 約1時間 |
| 5. アンケート回収・次回テーマ決定 | 視聴データや職員アンケートをもとに運用を改善し、次のテーマを調整。集計・分析はCareBase(ケアベース)側が担当 | 約1〜1.5時間 |
台本作成が難しい場合は構成づくりから支援するため、専門的な準備は不要で、自然な業務の様子をそのまま動画に残せます。1テーマが完結するまでの目安は約6週間で、繁忙期や監査月は施設の状況に合わせて柔軟に調整できます。この5ステップを繰り返すことで、紙や口頭のマニュアルが動画として蓄積され、鷲宮苑のように施設全体で統一した教育体系を築きやすくなります。
導入後のサポート・定着支援
介護現場でよく聞かれるのが「導入したのに誰も使わない」「管理者だけが抱え込む」という失敗です。CareBase(ケアベース)は、この定着の壁を越えるために伴走型のサポートを用意しています。導入は次の5フェーズで進みます。
- 初回ヒアリング
- システム準備(環境設定・端末準備・データ移行)
- キックオフ
- 事業所内説明会(操作研修・ハンズオン)
- 本稼働後フォロー
各事業所には専任担当者が付き、窓口を一本化して導入から定着まで一貫して対応するため、相談やトラブルでたらい回しになる心配がありません。
稼働後も、視聴データやアンケートの整理・レポート、運用アドバイス、定期レビュー、次の動画テーマの提案まで支援します。施設側の負担を「結果を確認して意思決定するだけ」に近づけることで、鷲宮苑で撮影に同行しながら徐々に施設側の内製へ移していったように、無理なく運用を続けられる形を目指します。トラブル時は電話・メール・チャットで受け付け、専任担当者が優先度を判断して対応します。
紙や口頭のマニュアルの時代には難しかった「運用の振り返り」ができる点も、動画マニュアルならではの利点です。どのマニュアルがよく見られ、どこでつまずきが起きているかを毎月確認しながら、内容や運用を少しずつ改善していけます。動画を「作って配って終わり」にせず、視聴の傾向をもとに次に撮るテーマを決めていく——この改善のサイクルを回し続けられることが、一度きりの研修や紙のマニュアルとの大きな違いになります。管理者が分析を抱え込まずに済むため、限られた時間を本来のケアや現場のマネジメントに振り向けやすくなります。
スモールスタートで失敗を避ける
導入でつまずきやすいのは、最初から全機能・全フロアで一斉に使おうとするケースです。現場が使い方に慣れる前に運用が重くなり、「紙のほうが早い」という声が出て定着しないまま止まってしまいます。そこで有効なのが、1ユニットや一部フロアから、まずは効果の出やすいテーマ(申し送りや、繰り返し教える介助の動画マニュアルなど)に絞って始める進め方です。鷲宮苑が法人合併に伴うマニュアル統合という明確な目的から着手したように、「何のために導入するか」を一つに定めると、撮影テーマの選定も運用ルールづくりも迷いません。小さく始めて成果を確かめ、テーマを一つずつ増やしていくことが、結果的に施設全体への定着を早めます。
導入前によくある不安と解消策
自作動画の頓挫や既存ソフトとの並行運用といった不安は、撮影サポートや1ユニットからのお試し導入で解消できます。ここでは、導入を検討する施設からよく挙がる不安と、それに対する現実的な進め方を整理します。
- 「動画マニュアルを自作したが頓挫した」:出演職員の退職や優先順位の低下で、自作の動画マニュアルが続かなかった、という声は少なくありません。CareBase(ケアベース)では撮影・アングル調整・編集を支援し、鷲宮苑のように撮影同行から施設側の内製へ段階的に移す進め方が取れます。「作って終わり」にしない伴走が、頓挫を防ぐ前提になります。
- 「既存の記録ソフトを使い始めたばかり」:いきなり全面切り替えをする必要はありません。まずは1ユニット・一部フロアから試し、既存の運用と並行しながら効果を確かめる進め方が可能です。紙・Excelとの併用が二度手間にならないよう、どの記録を先にデジタル化するかを決めておくとスムーズです。
- 「紙マニュアルはあるが誰も見ない・どこにあるか分からない」:これは鷲宮苑の導入前とまさに同じ状態です。動画マニュアルを記録画面から参照できるようにし、「まず見よう」を現場の習慣にすることで、所在不明のマニュアルを実際に使われる教材へ変えられます。
- 「操作に慣れるか・端末は足りるか」:どのデジタルツールでも最初の1〜2週間は慣れが必要です。よく使う機能に絞って始め、共有端末の台数と置き場所を業務動線に合わせて確保しておくと、入力のタイミングがそろい「後でまとめて入力」を防げます。ITに不慣れな職員でも操作しやすいUI設計になっています。
- 「決裁や費用が不安」:費用感は施設の規模や動画テーマの本数によって変わります。ICTツールの導入には国や自治体の補助金・助成金を活用できる場合があり、詳細は補助金・助成金を活用した導入手順で解説しています。
自施設のボトルネックがどこにあるかによって、最初に動画化すべきテーマや試すユニットは変わります。他施設が実際にどう変わったのかはCareBase(ケアベース)導入で何が変わるかの事例集も参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 1ユニットや一部フロアからお試しで導入できますか。
A. 可能です。まず1ユニット・一部フロアから始め、既存の運用と並行して効果を確かめてから範囲を広げる進め方が取れます。
Q. 既存の介護記録ソフトと並行運用できますか。
A. 併用しながら段階的に移行できます。二度手間を避けるため、どの記録を先にCareBase(ケアベース)へ寄せるかを最初に決めておくと運用が安定します。
Q. 導入から利用開始までどのくらいかかりますか。
A. キックオフから運用策定・アンケート回収まで、1テーマあたり約6週間が目安です。繁忙期や監査月は柔軟に調整できます。
Q. 外国人スタッフでも使えますか。
A. マニュアルを11言語で翻訳表示できます。ぽっかぽっかや鷲宮苑では、母国語での確認と動画による視覚的な手順理解が、外国人職員の立ち上がりを支えています。
Q. 動画マニュアルは施設で自作するのですか。撮影サポートはありますか。
A. 撮影場所と協力者の手配は施設側にお願いしますが、撮影・アングル調整・編集はCareBase(ケアベース)側が担当します。台本づくりも支援します。
Q. 費用や補助金について知りたいです。
A. 費用は施設の規模や作成する動画テーマの本数によって変わります。料金の目安は料金プランのページで、国や自治体のICT導入補助金・助成金の活用方法は補助金の解説ページで確認できます。決裁資料の準備で必要な情報があれば、資料請求や問い合わせから個別に相談できます。
まとめ
CareBase(ケアベース)の導入は、記録・申し送り・教育・多言語対応を一つにまとめ、属人的な口頭伝達や紙のマニュアルから、記録ベースの共有と動画による教育へ現場を移していく取り組みです。鷲宮苑では朝の口頭申し送りが15〜30分から数分になり、教える負担も軽くなりました。ぽっかぽっかでは、翻訳と動画に「頼りすぎない」運用の工夫と組み合わせることで、外国人職員の受け入れを支えています。導入は1ユニットからのお試しや既存ソフトとの並行運用が可能で、撮影から運用定着まで専任担当が伴走します。多機能なツールほど「入れて終わり」になりがちですが、目的を一つに絞って小さく始め、成果を確かめながら広げることが定着の近道です。まずは自施設の申し送りや教育のどこに時間がかかっているかを見直すことが、導入可否を判断する出発点になります。
記録・申し送り・教育を一つにまとめて現場を変えたい方は
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介護ソフトの導入や見直しをご検討中の方は、まずは情報収集から始めてみませんか。
carebase(ケアベース)では、現場に定着する介護記録システムとして、多くの事業所でご活用いただいています。
費用や機能、導入事例について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
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