2026.8.21
デイサービスの経営は儲かる?収支の実態と利益を決める3指標
デイサービス(通所介護)の収支差率は令和6年度決算で6.2%、赤字事業所の割合は37.4%です(厚生労働省、2026年8月時点)。収支を決めるのは延べ利用者数・利用者1人当たりの単価・給与費率の3つで、儲かるか厳しいかはこの3つをどこまで動かせるかで変わります。収益と費用の構造から、記録や申し送りの運用を含めて順に整理します。
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デイサービスの経営は儲かるのか|収支差率と赤字事業所の割合
サービス種類別に見ると通所介護は低い水準ではなく、平均が黒字でも赤字は37.4%(出所: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」に基づき編集部作成)
令和6年度決算の通所介護の収支差率は6.2%で、全サービス平均の4.7%を1.5ポイント上回ります。一方で赤字の事業所は37.4%あり、平均が黒字であることと赤字が4割近くあることは同時に起きています(厚生労働省、2026年8月時点)。
令和6年度決算の収支差率は6.2%
通所介護の収支差率は、令和3年度決算の0.7%から令和5年度決算の6.5%まで上がり、令和6年度決算では6.2%と0.3ポイント下がりました。
| 決算年度 | 通所介護の収支差率 |
|---|---|
| 令和3年度 | 0.7% |
| 令和4年度 | 1.5% |
| 令和5年度 | 6.5% |
| 令和6年度 | 6.2% |
データ出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第8表(2026年8月時点)
同じ調査で公表されている他サービスと並べると、通所リハビリテーションは2.0%、認知症対応型通所介護は5.3%、地域密着型通所介護は6.3%です。比較軸をサービス種類に置くと、通所介護は低いほうではありません。データ上は「デイサービスだけが特に厳しい」という説明は成り立たず、注目すべきは同じ通所介護のなかで生じている差のほうです。
赤字事業所の割合は調査によって37.4%と44.8%に分かれる
赤字事業所の割合には、公表されている数字が2つあります。厚生労働省の調査では37.4%、独立行政法人福祉医療機構の集計では44.8%です。
差が出る理由は母集団の違いにあります。厚生労働省は全国の事業所から層化無作為抽出で893事業所を選び、有効回答433事業所を集計しています(厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」、2026年8月時点)。福祉医療機構は融資先から提出された決算書をもとにした5,976施設の集計で、開設後1年未満の事業所は含みません(福祉医療機構「経営分析参考指標」、2024年度決算)。どちらも正しく、対象範囲が違うだけです。
平均の収支差率6.2%と赤字4割前後という2つの数字が並んでも矛盾はしません。平均は黒字事業所の数値に引き上げられるためです。自施設の位置を確かめるときは、全体平均ではなく規模階級別や経営主体別の該当区分と比べたほうが、実態に近い判断ができます。
事業所数は横ばい、地域密着型は減少している
「事業所が増えて競争が激しくなった」という説明は、直近の一次データとは一致しません。令和6年10月1日時点の通所介護は24,585事業所で前年から8事業所の増加、割合にすると0.0%です。地域密着型通所介護は18,921事業所で、前年から235事業所(1.2%)減っています(厚生労働省「令和6年 介護サービス施設・事業所調査」、2026年8月時点)。
事業所の総数は増えていません。それでも経営環境が変わって見えるのは、同じ商圏での利用者の取り合いと、人材確保の難しさが同時に進んでいるためです。差別化のための新規投資を検討する前に、自施設の利用者数と人員配置の実態を数字で確認したほうが、費用をかけずに改善の余地が見つかります。業界全体が厳しいかどうかではなく、自施設が分布のどこにいるかで判断するほうが、次の打ち手が具体的になります。
デイサービスの収益はどう決まるのか|報酬区分と単価の構造
規模区分が上がるほど1回あたりの単価は下がり、価格を決められるのは収入の1割弱(出所: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」「令和7年度介護事業経営概況調査」に基づき編集部作成)
通所介護の収益は、事業所規模の区分と提供時間、要介護度で決まる基本報酬が土台になります。ここに加算と保険外の利用料が乗り、1事業所当たりの収入は月5,935千円です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、令和6年度決算・2026年8月時点)。
基本報酬は規模区分・提供時間・要介護度で決まる
令和6年度介護報酬改定後の基本報酬は、次のとおりです。
| 要介護度 | 地域密着型通所介護 | 通常規模型 | 大規模型(Ⅰ) | 大規模型(Ⅱ) |
|---|---|---|---|---|
| 要介護1 | 753単位 | 658単位 | 629単位 | 607単位 |
| 要介護3 | 1,032単位 | 900単位 | 861単位 | 830単位 |
| 要介護5 | 1,312単位 | 1,148単位 | 1,097単位 | 1,059単位 |
データ出典: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(1回あたり・7時間以上8時間未満の場合、2026年8月時点)
同じ要介護3でも、地域密着型通所介護の1,032単位と大規模型(Ⅱ)の830単位では202単位の開きがあります。規模が大きくなるほど1回あたりの単価は下がる設計です。自施設の区分と利用者の要介護度構成を確認しないまま業界平均の単価と比べると、前提がずれた比較になります。
収入の9割超は介護報酬で、保険外は1割弱
1事業所当たりの月間収入5,935千円の内訳は、介護料収入が5,481千円、保険外の利用料による収入が406千円、補助金収入が38千円です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、令和6年度決算)。福祉医療機構の集計でも、収益の構成は介護保険関係収益91.3%、利用者等利用料収益7.9%と同じ傾向です(福祉医療機構「経営分析参考指標」、2024年度決算)。
自施設で価格を決められるのは、食費や日用品費などの1割弱にとどまります。収入側で動かせる余地は、単位数と利用回数の掛け算にほぼ集約されます。保険外サービスの上乗せは、規模の小さい事業所ほど選択肢になりますが、収入全体を反転させる規模にはなりにくい位置づけです。
加算が利用者1人当たりの単価を押し上げる
同じ区分・同じ利用者数でも、加算の算定状況で単価は変わります。福祉医療機構が黒字事業所と赤字事業所を比べた集計では、個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定率は黒字80.2%に対し赤字70.4%、科学的介護推進体制加算は黒字55.7%に対し赤字47.7%でした(福祉医療機構 Research Report 2025-003、2023年度決算)。
差が出ているのは、加算の存在を知っているかどうかではありません。算定要件を満たす記録が、全職員から同じ形で継続的に残っているかどうかです。未算定の加算を洗い出すときは、要件の確認と同時に記録の様式と入力手順をそろえる作業が必要になります。なお、導入費用の一部に使える補助制度もありますが、条件は年度ごとに変わるため詳細は介護ソフトの補助金まとめで確認してください。
費用の6割は給与費|デイサービスのコスト構造
給与費率が高い経営主体ほど収支差率は低く、両者の開きはほぼ対応している(出所: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第54表に基づき編集部作成)
通所介護の費用は給与費が最も大きく、令和6年度決算では収入の60.9%を占めます。減価償却費は3.8%、給食費や水道光熱費などを含むその他は27.0%で、1事業所当たりの支出は月5,564千円です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、2026年8月時点)。
月間費用の内訳は給与費60.9%・その他27.0%
1事業所当たりの月間の収支は、次のようになっています。
| 科目 | 金額(千円/月) | 収入に対する割合 |
|---|---|---|
| 収入(合計) | 5,935 | 100% |
| 介護料収入 | 5,481 | — |
| 保険外の利用料 | 406 | — |
| 給与費 | 3,613 | 60.9% |
| その他(給食費・水道光熱費・委託費など) | 1,605 | 27.0% |
| 減価償却費 | 225 | 3.8% |
| 差引 | 371 | 6.2% |
データ出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第8表(令和6年度決算、2026年8月時点)
給与費以外を全額削っても、届く範囲は収入の3割程度です。しかも給食費や水道光熱費はサービスの提供に直結するため、削れる幅はさらに狭くなります。費目を削る発想より、同じ人員で扱える利用者数を増やす方向で検討したほうが、動かせる金額は大きくなります。
労働分配率は95.2%で、付加価値のほぼ全額が人件費に回る
福祉医療機構の集計では、通所介護の労働分配率は95.2%です。従事者1人当たりのサービス活動収益5,553千円に対し、従事者1人当たりの人件費は3,704千円で、人件費率は66.7%でした(福祉医療機構の同指標、2024年度決算)。
労働分配率95.2%は、事業で生み出した付加価値のほとんどが人件費に回っている状態を示します。人員配置基準による下限もあるため、率そのものを切り下げる余地は限られます。動かせるのは分子側、つまり同じ人員で扱える延べ利用者数のほうです。介護記録の転記や二重入力にかかっている時間は、この分子側に直接効きます。
経営主体で給与費率は56.1%から69.8%まで開く
同じ通所介護でも、経営主体によって収支は大きく違います。令和6年度決算の収支差率と給与費率は次のとおりです。
| 経営主体 | 収支差率 | 給与費率 |
|---|---|---|
| 営利法人 | 10.0% | 56.1% |
| その他 | 7.8% | 56.6% |
| 医療法人 | 1.4% | 65.2% |
| 社会福祉法人(社会福祉協議会以外) | 1.2% | 67.9% |
| 社会福祉協議会 | △0.3% | 69.8% |
データ出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第54表(令和6年度決算、2026年8月時点)
収支差率の開きは10.3ポイント、給与費率の開きは13.7ポイントで、両者はほぼ対応しています。経営主体そのものが収支を決めているわけではなく、1事業所当たりの利用者規模、職員の常勤比率、賃金水準といった違いが給与費率に表れた結果です。自施設の数字を評価するときは、全体平均ではなく同じ経営主体の区分と比べてください。費用は削る対象としてではなく、職員1人が扱える量として見たほうが、改善できる幅がはっきりします。
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デイサービスの利益を決める3つの指標
通所介護の利益は、延べ利用者数と利用者1人1日当たりの単価、給与費率の3つでほぼ決まります。1事業所当たりの実績は月間延べ利用者数639.3人、利用者1人当たり収入9,284円/日、給与費率60.9%です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、令和6年度決算・2026年8月時点)。
1. 延べ利用者数
月間の延べ利用者数を階級ごとに並べると、給与費率と収支差率がきれいに連動します。
| 月間延べ利用者数 | 給与費率 | 収支差率 |
|---|---|---|
| 300人以下 | 67.4% | △4.2% |
| 301〜450人 | 66.4% | △0.1% |
| 451〜600人 | 61.5% | 5.3% |
| 601〜750人 | 60.7% | 7.9% |
| 751〜900人 | 59.1% | 6.3% |
| 901人以上 | 58.3% | 10.0% |
データ出典: 厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第77表および「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」を基に作成(令和6年度決算、2026年8月時点)
収支がマイナスからプラスに転じるのは451〜600人の階級で、境目は月450人前後にあります。ここに規模の効果が現れています。前の章で見たとおり、規模が大きい区分ほど1回あたりの単位数は下がりますが(要介護3で通常規模型900単位に対し大規模型(Ⅱ)は830単位)、給与費率は67.4%から58.3%まで9.1ポイント下がるため、収支差率は階級が上がるほど改善しています。定員を増やす前に、いまの定員のまま延べ利用者数を増やせるかを先に確認すると、設備投資の判断を誤りにくくなります。
2. 利用者1人1日当たりの単価
利用者1人当たりの収入は9,284円/日、支出は8,704円/日です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、令和6年度決算)。福祉医療機構の集計でも、利用者1人1日当たりサービス活動収益は9,531円と近い水準でした(福祉医療機構の同指標、2024年度決算)。
単価は要介護度の構成、サービス提供時間の区分、加算の算定状況の3つで動きます。ただし単価だけでは収支を説明できません。延べ利用者数300人以下の階級は利用者1人当たり収入がむしろ高い一方で、収支差率は△4.2%です。単価を上げる打ち手を検討するときは、加算の算定状況と要介護度の構成を確認する順序になります。
3. 給与費率
給与費率は、3つの指標のなかで黒字と赤字の差が最も大きく出ます。福祉医療機構の集計では、黒字事業所の人件費率60.5%に対し赤字事業所は77.3%で、差は16.8ポイントでした(福祉医療機構の同レポート、2023年度決算)。
同じ集計で、黒字事業所の利用率は73.7%、赤字事業所は63.9%です。差が9.9ポイントあることを踏まえると、給与費率の開きは賃金水準を下げた結果ではなく、同じ人員で扱えている利用者数の違いとして現れていると読み取れます。給与費率は下げる目標値ではなく、延べ利用者数の変化を確認するための結果指標として月次で追ってください。
デイサービスの赤字の原因と経営改善の進め方
黒字と赤字の差は利用率と加算の算定率に一貫して表れ、改善は収入側から着手する(出所: 福祉医療機構 Research Report 2025-003に基づき編集部作成)
デイサービスの赤字は、利用者数に対して人員配置が過大になることと、加算の取りこぼしから生じます。黒字事業所と赤字事業所の差は利用率で9.9ポイント、登録者数で11.7人あります(福祉医療機構 Research Report 2025-003、2023年度決算・2026年8月時点)。
利用者数が伸びないまま人員配置が過大になっている
黒字事業所の利用率は73.7%、登録者数は81.7人でした。赤字事業所はそれぞれ63.9%、70.1人です(福祉医療機構の同レポート、2023年度決算)。
人員は人員配置基準と安全確保の要請によって先に固定されます。そのため利用者数が落ちても職員をすぐには減らせず、給与費率だけが上がる形になります。利用率を押し下げている要因は、登録者数そのものが少ないのか、1人当たりの利用回数が少ないのか、当日の欠席が多いのかで対処が変わるため、まずこの3つに分けて実績を集計してください。
算定できる加算を取りこぼしている
加算の算定率は、黒字事業所と赤字事業所で一貫して差が出ています。個別機能訓練加算(Ⅰ)は80.2%と70.4%、科学的介護推進体制加算は55.7%と47.7%、個別機能訓練加算(Ⅱ)は31.5%と24.1%、入浴介助加算(Ⅱ)は14.3%と8.4%です(福祉医療機構の同レポート、2023年度決算)。
いずれの加算も、計画の作成と実施内容の記録が算定の前提になります。差が生まれているのは、要件を満たす記録が全職員から同じ形で上がっているかどうかの運用面です。記録の書き方がそろっていない状態では、算定できるはずの加算が実地確認で説明できず、算定を見送る判断につながります。書き方の統一については介護記録の書き方完全ガイドも参考になります。
加算の要件を満たす記録を職員全員で同じ形に残したい方は
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改善は収入側から費用側の順で進める
打ち手を同時に走らせると、どれが効いたのか判断できなくなります。次の順で進めると、効果を数字で確認しながら進められます。
- 延べ利用者数の実績を12か月分そろえ、登録者数・利用回数・欠席の3つに分解する
- 未算定の加算を洗い出し、算定要件を満たす記録が残っているかを突き合わせる
- 給与費率の推移を月次で確認し、1と2の変化がどう反映されたかを見る
- 記録・申し送り・教育にかかっている時間を測り、削れる工程を特定する
厚生労働省が示す「介護サービスにおける生産性向上のための7つの取組」にも、記録・報告様式の工夫と情報共有の工夫が含まれています(厚生労働省、2026年8月時点)。取組の進め方は介護の生産性向上とは?7つの取組と進め方で詳しく解説しています。収入側の確認を先に置くことで、費用側の対策が本当に必要なのかを数字で判断できます。
制度環境の変化にどう備えるか|処遇改善加算と経営情報の報告
令和8年6月から介護職員等処遇改善加算が拡充され、上乗せ区分には生産性向上や協働化の取組が要件になります(厚生労働省、2026年8月時点)。あわせて、介護サービス事業者には毎会計年度終了後3か月以内の経営情報の報告が求められています。
令和8年6月から処遇改善加算が拡充される
拡充の内容は、介護従事者を対象とした月1.0万円(3.3%)の賃上げと、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象とした月0.7万円(2.4%)の上乗せです。通所介護の加算率は加算Ⅰイが11.1%、上乗せ区分の加算Ⅰロが12.0%で、差は0.9ポイントです。この加算率は、処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に乗じて算定されます(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」、2026年8月時点)。
上乗せ区分の令和8年度特例要件は、サービス種別で分かれています。施設サービス等は生産性向上推進体制加算の取得ですが、通所介護はこの加算の対象サービス(短期入所系・居住系・多機能系・施設系)に含まれません(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、令和6年度改定)。そのため通所サービス等の特例要件は、ケアプランデータ連携システムへの加入と実績の報告に設定されています(厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」、2026年8月時点)。制度対応は費用ではなく加算率に直結する条件として、年度計画に組み込んでください。なお個別の適用可否は年度ごとに変わるため、最終的な取扱いは所管の都道府県・市町村の窓口で確認してください。
経営情報の報告は毎会計年度終了後3か月以内
介護サービス事業者は、介護サービス事業者経営情報データベースシステムを通じて経営情報を報告します。報告期限は毎会計年度終了後3か月以内で、報告にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。ただし2026年8月時点では、システム改修のため令和7年3月以降に終了する会計年度分の受付が一時停止しており、再開時期は公表されていません(厚生労働省)。
報告項目は会計区分ごとの収支です。日常の会計処理がサービス種類別に分かれていないと、締切直前にまとめて仕分ける作業が発生します。再開の告知を待つ間に、会計区分と勘定科目の整理を進めておくと負担を分散できます。自施設が報告対象に当たるかどうかや個別の取扱いは、所管の都道府県の窓口へ確認してください。
よくある質問
デイサービスの経営者の年収はどのくらいですか
公的統計に、経営者個人の年収を示したデータはありません。公表されているのは事業所単位の収支で、令和6年度決算では1事業所当たりの月間収入が5,935千円、差引が371千円(6.2%)です(厚生労働省の同調査 統計表 第8表、2026年8月時点)。役員報酬は法人の規模や拠点数によって変わるため、事業所の収支から検討する形になります。
地域密着型通所介護と通所介護では収支に違いがありますか
令和6年度決算の収支差率は地域密着型通所介護が6.3%、通所介護が6.2%でほぼ同水準です。赤字事業所の割合も37.2%と37.4%で大きな差はありません(厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」、2026年8月時点)。基本報酬は地域密着型のほうが高く設定されていますが(要介護3で1,032単位)、定員が小さいため1事業所当たりの収入規模は小さくなります。
デイサービスの稼働率は何%あれば黒字になりますか
稼働率そのものより、月間の延べ利用者数で見るほうが定員の違いに左右されません。階級別の収支差率は300人以下が△4.2%、301〜450人が△0.1%、451〜600人が5.3%で、境目は月450人前後です(厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」統計表 第77表、令和6年度決算・2026年8月時点)。自施設の定員に置き換えると、必要な稼働率の水準が計算できます。
通所介護でも生産性向上推進体制加算は算定できますか
算定できません。この加算の対象は短期入所系・居住系・多機能系・施設系のサービスで、通所系は含まれていません(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、令和6年度改定・2026年8月時点)。そのため令和8年度の処遇改善加算で上乗せ区分を取得する際の特例要件も、通所サービス等ではケアプランデータ連携システムへの加入に設定されています。
記録・申し送り・教育を一体化して経営改善の時間をつくるなら CareBase(ケアベース)
記録と申し送り、教育を1つの仕組みにまとめると、改善に充てられる時間を確保しやすくなります。本記事で見た3つの指標のうち、延べ利用者数と給与費率はどちらも「同じ人員でどれだけの量を扱えるか」に行き着くためです。
CareBase(ケアベース)は、介護記録・申し送り・動画マニュアルによる教育をクラウドで1つにまとめる機能を備えています。動画マニュアルとアラート通知によって手順をそろえられるため、職員への教育と情報共有を同じ仕組みの上で回せます。
記録・申し送り・教育が別々のツールや紙に分かれている状態では、同じ内容を書き写す作業と、伝わったかどうかを確認する作業が二重に発生します。手段を選ぶときは、機能の数ではなく「記録・申し送り・教育が1つにまとまるか」を軸に置くと、比較の基準がぶれません。
まとめ
通所介護の収支差率は令和6年度決算で6.2%、赤字事業所は37.4%で、サービス種類の間の差より事業所どうしの差のほうが大きくなっています。収支を決めるのは延べ利用者数・利用者1人当たりの単価・給与費率の3つで、いずれも「同じ人員で扱える量」に行き着きます。改善は収入側の確認から始め、費用側の対策はその結果を見て判断してください。まずは延べ利用者数の12か月推移と未算定の加算を洗い出すところから着手すると、次の一手が数字で決まります。
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