carebase(ケアベース)コラム

2025.12.25 補助金・助成金

介護記録システム導入の補助金申請方法─必要書類から審査通過のコツまで完全解説

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介護記録の電子化は、現場の業務負担を軽減し、ヒューマンエラーを防ぎ、ケア品質を高めるうえで欠かせない取り組みです。しかし、導入には一定のコストがかかるのも事実。そこで多くの事業所が活用しているのが「補助金・助成金」です。

この記事では、実際に申請作業を行う現場担当者向けに、補助金申請の流れ・必要書類・注意点を実務目線で徹底解説します。

介護記録システム導入で使える補助金の種類

まずは「どの補助金が使えるのか」を明確にしましょう。介護記録システム導入で使える補助金は大きく2種類に分かれます。

1.国の補助金(全国共通)

介護ロボット・ICT導入支援事業(厚生労働省)

最も申請が多く、採択率も高い補助金です。

対象になりやすい経費

  • 介護記録システムの導入費
  • タブレット・PC
  • Wi-Fi整備
  • 操作研修費

補助率は 1/2〜3/4 が一般的です。

IT導入補助金(経済産業省)

介護特化ではありませんが、クラウドサービス導入に活用可能。

特徴

  • 事業計画書が必須
  • 審査が比較的厳しめ
  • ソフトの利用料が対象になる場合もある

2.自治体の補助金(地域独自制度)

自治体により制度内容が大きく異なります。

特徴

  • 小規模事業所向け枠があることも
  • 採択率が比較的高い
  • 募集期間が短いので注意

対象経費例

  • 介護記録システム
  • 情報共有システム
  • タブレット端末
  • 見守り機器
  • Wi-Fi整備

「◯◯県 介護 ICT 補助金」で検索すると自治体ページが見つかります。

補助金の種類比較表

種類 補助率 難易度 対象範囲 特徴
介護ロボット・ICT導入支援事業 1/2〜3/4 広い 記録システム導入で最も使われる
IT導入補助金 1/2 ソフト中心 事業計画が必須
自治体独自補助金 1/2〜3/4 低〜中 地域で異なる 小規模向け枠あり

補助金申請の流れ 5ステップ

申請作業を始める際に最も大切なのは「全体像」をつかむことです。介護記録システム導入の補助金は、どの制度も次の5ステップで進みます。

補助金申請の流れ・5ステップの画像

STEP1|補助金情報の収集

自治体の募集期間は毎年異なり、公開も突然です。

チェックするポイント

  • 対象事業所
  • 対象経費
  • 補助率/上限額
  • 募集期間
  • 実績報告の期限

STEP2|事業所と導入システムの要件確認

補助金には必ず「要件」があります。ここが合わなければどれだけ良い申請書でも不採択です。

事業所要件例

  • 介護保険サービス事業所であること
  • 適切な運営体制がある
  • 導入が実施期間内に完了できる

システム要件例

  • 介護記録に必要な基本機能を備える
  • セキュリティ・個人情報保護基準を満たす
  • クラウド型である(自治体では必須のことが多い)

STEP3|必要書類の準備(チェックリスト付き)

申請作業の7割は書類準備です。

必要書類一覧

  • 事業計画書
  • 補助金仕様の見積書
  • 決算書
  • 登記事項証明書
  • 介護保険事業所番号がわかる書類
  • 自治体指定の申請様式

チェックリスト

⬜︎ 現場課題を数値化した
⬜︎ Before/Afterの改善効果を記述
⬜︎ 必要書類すべてを1フォルダに集約
⬜︎ 見積書は補助金向けの区分で作成済み

STEP4|申請書の作成・提出

審査側が知りたいのは「なぜ導入する必要があるのか」です。

書くべき内容

  • 現場課題(必ず数値で)
  • 課題の原因
  • システム導入による改善効果
  • 職員・利用者へのメリット
  • 導入スケジュール

良い例/悪い例

× 悪い例
「記録業務の負担が大きいので効率化したい」
→ 誰にでも当てはまる抽象的な表現で不採択になりやすい。

◎ 良い例
「夜勤帯では記録作成に平均45分を要し、巡回時間が後ろ倒しになることがある。音声入力の活用により、記録作成時間を15〜20分短縮できる見込みがある。」
→ 数字・因果関係・改善効果がセットでわかる。

STEP5|審査・採択・実績報告

採択されたら終了、ではありません。
補助金は 実績報告まで完了して初めて受給できます。

提出する書類(自治体共通)

  • 契約書
  • 請求書・領収書
  • 支払い証憑
  • 設置写真
  • 必要に応じて利用状況を示す資料

初期段階から証憑フォルダを作り、撮影・保存を進めておくとスムーズです。

申請前に必ず押さえておくべき準備

申請直前に焦らないために必要なのが「事前準備」です。ここでは、絶対に押さえるべきポイントをまとめます。

申請前に必ず押さえておくべき準備の画像

事業所の要件チェック

  • 事業所番号に誤りはないか
  • 指定更新手続きは完了しているか
  • 新規事業所の場合、開設時期が制度の条件に合うか

導入システムの要件チェック

  • 補助金は「対象外設備」が意外と多いため注意。
  • チェックすべき点
  • 補助金対象機能が揃っているか
  • セキュリティ基準を満たしているか
  • 見守り機器との連携が必要か

予算計画の作成

  • 補助金は立替払い(後払い)が多いので注意。
  • 立替可能な金額か
  • 補助対象外費用を把握しているか
  • 補助上限額を超えていないか

必要書類の詳細解説と取得方法

補助金申請では「必要書類を揃えられない」ことが最も多い失敗です。
ここでは、書類ごとの役割と取得方法をまとめます。

事業計画書(最重要)

審査で読み込まれる中心資料。

書くべき内容

  • 現場の課題(必ず数値化)
  • 課題の原因
  • 導入後の改善見込み
  • 利用者メリット
  • 実施スケジュール

見積書(補助金仕様が必須)

見積書は補助対象経費を判定する根拠になるため、区分の曖昧さはNGです。

必ず区分すべき項目

  • 初期導入費
  • 月額利用料
  • タブレットなどの端末費
  • Wi-Fi整備
  • 研修費

事業所関連書類

  • 登記事項証明書 → 法務局で取得
  • 決算書 → 事務所で管理
  • 事業所番号がわかる書類

取得に時間がかかるものもあるため、早めに準備を始める必要があります。

“採択される”申請書を書くための実務ポイント

補助金申請で最も差がつくのが、この「申請書の書き方」です。
同じ機器を申請していても、文章の具体性・再現性・説得力で採択率が大きく変わります。

ここでは、審査で評価されるポイントと、良い例・悪い例を交えながら実務視点で解説します。

審査で評価されるポイント(採択基準の実態)

審査では、以下の4点が必ずチェックされます。

1.現場の課題が「事実」として示されているか
数字・状況・背景が書かれていないと、必要性が伝わりません。

2.導入目的と改善効果が論理的に説明されているか
「なぜそのシステムなのか」「どこが改善されるのか」が明確であること。

3.利用者メリットが書かれているか
利用者への安全性向上は審査で強く評価されます。

4.スケジュールが現実的か
実施期間に間に合うかどうかは非常に重要です。

申請書の“良い例/悪い例”

× 悪い例
「記録業務の負担が大きく、職員の残業も増えているため、ICT導入で効率化したい。」
→ 数値なし、因果関係なし、具体性ゼロ。

◎ 良い例
「夜勤帯の記録作成に平均45分を要しており、巡回が後ろ倒しになるケースが月4〜5回発生しています。
また、記録方式が職員ごとに異なり、新人研修には平均10時間を要しています。
音声入力や統一フォーマットを活用することで、平均記録時間を20分短縮し、申し送りミスの減少、研修時間の削減が見込まれます。」
→ 数値化、因果関係、改善効果がセットで示されている。

導入後の改善効果の書き方(テンプレート)

申請書には以下の型を使うと説得力が増します。

  • 【課題(現状)】
  • 現場で発生している事実を数値で記述

  • 【原因】
  • 人的要因・仕組みの問題・ツール不足

  • 【解決策】
  • どの機能を使って何が改善するか

  • 【効果】
  • 業務削減時間/ミス削減/利用者メリット

よくあるミス

  • 補助対象外機器を見積に入れてしまう
  • 数値のない抽象的な課題を並べる
  • 申請書の文章が自治体の審査観点とズレている
  • 導入スケジュールが実施期間に間に合わない
  • 登記事項証明書の期限切れ

1つでもあると不採択の原因になります。

不採択を防ぐためのチェックリスト

補助金審査は、書類・要件・スケジュールで“落ちるかどうか”がほぼ決まります。
以下をすべて満たしていれば、採択率は大幅に上がります。

補助金審査の不採択を防ぐためのチェックリストの画像

要件チェック(事業所・システム)

⬜︎ 介護保険事業所として指定されている
⬜︎ 実施期間に間に合う導入スケジュール
⬜︎ システムが個人情報保護・セキュリティ基準を満たす
⬜︎ ネットワーク整備を含めて運用可能な体制がある

書類チェック

⬜︎ 事業計画書は数字を含めて記述
⬜︎ 見積書は補助金仕様(費用区分が明確)
⬜︎ 決算書・登記事項証明書を最新に更新
⬜︎ 導入効果はBefore/Afterで記述
⬜︎ 利用者メリットが盛り込まれている

文章の品質チェック(審査視点)

⬜︎ 同じ表現を繰り返していない
⬜︎ 抽象的な表現を使っていない
⬜︎ 他事業所でも当てはまる一般論になっていない

採択後の手続きと実績報告

採択後は導入作業に入りますが、補助金は「導入して終わり」ではありません。

導入スケジュール管理

補助金は以下の順序で進みます。

1.交付決定
2.契約・発注
3.納品
4.研修
5.運用開始
6.実績報告
7.補助金確定・受給

契約日や納品日は制度上必ず確認されます。
交付決定前に発注すると対象外になるため要注意。

実績報告で必要な書類

  • 契約書
  • 納品書
  • 請求書
  • 領収書
  • 支払い証憑
  • 機器の設置写真

提出漏れがあると返還対象になるため、導入初期からフォルダ分けして保存しておくことを推奨します。

導入時の職員研修のポイント

  • 全職員に操作統一ルールを共有
  • 記録例を作成してバラつきを防ぐ
  • ショート動画などマニュアル化しておくと定着が早い

介護記録システムは短時間で習得しやすいため、研修の工数は比較的少なく済みます。

carebase(ケアベース)導入時の申請サポート

carebase(ケアベース)導入時に役立つポイント

  • 介護記録・申し送り・情報共有の機能が揃っており、補助金の対象要件と親和性が高い
  • 導入に必要な「補助金向け見積書」の発行が可能
  • 区分の明確な見積書を作成しやすい

補助金申請時に注意すべき点

  • 必ず自治体の「対象システム要件」を確認する
  • ネットワーク整備や端末費用が対象になるかは自治体によって異なる
  • 見積書は“補助金向け”区分にしてもらう
補助金を活用して介護記録のDXを確実に進めるの画像

【まとめ】補助金を活用して介護記録のDXを確実に進める

介護記録システムの導入は、業務負担軽減・情報共有の精度向上・ケア品質向上を同時に実現する、介護事業所にとって極めて重要な取り組みです。

補助金を活用すれば、導入のハードルを大きく下げ、現場に最適な環境を整えることができます。

補助金採択の4つのポイント

1.現場課題を数字で示す
2.導入効果をBefore/Afterで説明する
3.書類の漏れをつくらない
4.実施期間に間に合うスケジュールを立てる

これらを丁寧に行うことで、補助金は事業所にとって最も強力な支援制度となり、介護DXの推進に大きく貢献します。

現場で使えて負担を減らせる介護記録・介護特化マニュアルシステム「carebase(ケアベース)」の画像

介護記録システムの導入を検討されている事業所様には、
carebase(ケアベース)の導入ガイド・機能一覧・補助金向け見積書サンプルなどをまとめた無料の資料請求をご用意しています。
導入イメージを具体化しやすく、申請準備にも役立ちます。

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