2026.8.21
介護の研修テーマ18選|義務研修の区分と年間計画の組み方
介護の研修テーマは、運営基準で義務づけられた法定研修と、自施設の課題から選ぶ研修の2層で決まります。優先順位は公的調査から逆算でき、施設内で起きた虐待の発生要因は1位が職員の知識・意識の不足で75.9%を占めます(厚生労働省、2026年8月時点)。18のテーマと、年間計画への組み方までを整理します。
法定研修と自施設の課題を1つの年間計画にまとめたい方は
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介護の研修テーマは「義務」と「課題」の2層で決まる
義務側の9テーマを年間計画の固定枠にし、残った枠を課題テーマで埋める(出所: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」などに基づき編集部作成)
介護の研修テーマは、運営基準で実施が義務づけられた研修と、自施設の課題から選ぶ研修の2層に分かれます。義務側は年度内の実施が求められ、措置が講じられていない場合に基本報酬が減算されるものもあります(厚生労働省、2026年8月時点)。先に義務側を年間の枠に固定し、残った枠を課題側で埋める順序になります。
義務側は施設の事情に関係なく実施が求められるため、選択の対象ではなく年間計画の固定枠として扱えます。義務か任意かという線を1本引くだけで、テーマの半分は決まる仕組みです。
以下の早見表は18テーマを義務区分・未実施時の影響・主な実施形式の3軸で並べたものです。3軸はすべてのテーマへ同じ基準で当てはめており、テーマごとに評価の物差しを変えていません。
| No | 研修テーマ | 義務区分 | 未実施時の影響 | 主な実施形式 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 高齢者虐待の防止 | 義務 | 減算・運営指導での指摘 | 座学・事例検討 |
| 2 | 身体拘束の適正化 | 義務 | 運営指導での指摘 | 座学・事例検討 |
| 3 | 感染症・食中毒の予防とまん延防止 | 義務 | 運営指導での指摘 | 座学・訓練 |
| 4 | 業務継続計画(BCP) | 義務 | 減算・運営指導での指摘 | 座学・訓練 |
| 5 | 事故発生の防止と発生時の対応 | 義務 | 運営指導での指摘 | 座学・事例検討 |
| 6 | 緊急時の対応 | 義務 | 運営指導での指摘 | 実技・訓練 |
| 7 | 非常災害時の対応 | 義務 | 運営指導での指摘 | 訓練 |
| 8 | 認知症ケア(認知症介護基礎研修) | 義務 | 運営指導での指摘 | 外部研修・eラーニング |
| 9 | 倫理・法令遵守とプライバシー保護 | 義務 | 運営指導での指摘 | 座学 |
| 10 | 介護技術の基本(移乗・食事・入浴・排泄) | 任意 | ケアの質のばらつき | 実技 |
| 11 | 介護記録とヒヤリハット報告の書き方 | 任意 | 記録の不備・情報の欠落 | 座学・演習 |
| 12 | 申し送りと情報共有 | 任意 | 伝達漏れ | 演習 |
| 13 | 接遇とクレーム対応 | 任意 | 苦情対応の長期化 | 座学・ロールプレイ |
| 14 | 服薬管理と誤薬の防止 | 任意 | 誤薬リスク | 座学・実技 |
| 15 | 口腔ケアと摂食嚥下の支援 | 任意 | 誤嚥リスク | 実技 |
| 16 | メンタルヘルスとアンガーマネジメント | 任意 | 離職・対応の質の低下 | 座学・演習 |
| 17 | 新人・中堅・リーダーの階層別 | 任意 | 指導内容のばらつき | 座学・演習 |
| 18 | 外国人スタッフ向けの多言語での教育 | 任意 | 手順の理解差 | 動画・多言語資料 |
データ出典: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」および自治体の集団指導資料(2026年8月時点)
実施が義務づけられた法定研修のテーマ9選
施設・居住系のBCP未策定は所定単位数の100分の3、いずれも算定要件に研修の実施が含まれる(出所: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」資料に基づき編集部作成)
介護施設で実施が義務づけられた研修は、虐待防止や感染症対策など9つの領域に整理できます。このうち高齢者虐待防止措置と業務継続計画は、措置が講じられていない場合に基本報酬が減算されます(厚生労働省、2026年8月時点)。減算の算定要件には「研修の実施」が明記されています。
令和6年度介護報酬改定では、次の2つの減算が新設されました。数字が小さく見えても、基本報酬に対する割合であるため、対象サービスの全利用者・全月にわたって効いてきます。
| 減算 | 減算率 | 算定要件の要点 |
|---|---|---|
| 高齢者虐待防止措置未実施減算 | 所定単位数の100分の1 | 委員会の開催・指針の整備・研修の実施・担当者の設置のいずれかが欠けている場合 |
| 業務継続計画未策定減算 | 施設・居住系は100分の3、その他は100分の1 | 感染症または災害の業務継続計画が策定されていない場合 |
※業務継続計画未策定減算は、居宅サービス・福祉用具貸与などで令和7年4月1日から適用されています(2026年8月時点)。
データ上は、研修が「やったほうがよい取り組み」ではなく報酬算定の条件そのものに組み込まれていることがわかります。年間計画では義務側の9テーマを固定枠として先に押さえ、そのうえで任意テーマを検討する順序が安全です。なお研修の種類・回数・記録様式の詳細は介護施設の法定研修とは?で詳しく解説しています。
1. 高齢者虐待の防止に関する研修
虐待の兆候の見分け方、権利擁護の考え方、通報の手順を扱います。研修は年1回以上、施設系サービスでは年2回以上を定期的に実施し、新規採用時にも行ったうえで実施内容を記録します(桶川市、2026年8月時点)。外部講師を招かず事業所内の研修で差し支えありません。事例検討の形にすると、指針に書かれた行動が現場の場面と結びつきます。進め方は介護の虐待防止研修とはを参照してください。
2. 身体拘束の適正化に関する研修
身体拘束にあたる行為の範囲、緊急やむを得ない場合の3要件、記録の残し方を扱う内容です。判断は現場で分かれやすく、ベッド柵やミトン、車いすのベルトなど日常的に使う用具が題材になります。実際の場面の写真や動画で「これは拘束か」を全員で確認する形にすると、言葉だけの説明より判断がそろいます。実施回数や記録の様式はサービス種別で異なるため、所管の自治体窓口で確認してください。
3. 感染症および食中毒の予防・まん延防止の研修
手指衛生や標準予防策といった基礎知識と、発生時の連絡体制や行政への報告手順を扱います。研修は年1回以上、施設系サービスでは年2回以上を定期的に実施し、新規採用時にも行う決まりです。あわせて、発生時を想定した訓練を同じ頻度で机上と実地を組み合わせて実施します(桶川市の公表資料、2026年8月時点)。研修と訓練は別物として計画に載せます。
4. 業務継続計画(BCP)に関する研修
感染症と自然災害それぞれの業務継続計画の中身を、職員間で共有することが目的です。研修は年1回以上、施設系サービスでは年2回以上を定期的に実施し、新規採用時にも行います。感染症の業務継続計画に関する研修・訓練は感染症の予防研修と一体で実施でき、災害の業務継続計画に関する訓練は非常災害対策の訓練と一体で実施できます(桶川市の公表資料、2026年8月時点)。計画の作り方は介護BCPとは?にまとめました。
5. 事故発生の防止と発生時の対応に関する研修
転倒・転落・誤嚥といった事故の予防策と、発生後の初動、家族への連絡、市町村への報告までを扱います。題材は外部の事例より、自施設で起きた事故報告とヒヤリハットのほうが具体的です。原因の特定で終わらせず、どの手順を変えるかまで決めて記録に残すと、次の研修で効果を確認できます。報告書の書き方は介護のヒヤリハット事例集と報告書の書き方を参照してください。
6. 緊急時の対応に関する研修
急変時のバイタル確認、応急処置、救急要請、医療職への連絡までの流れを扱います。座学だけでは手が動かないため、人形を使った心肺蘇生やAEDの操作を含む実技の形が向いています。夜勤帯に職員が1人になる時間を想定し、誰にどの順で連絡するかを紙に落としておくことが、当日の判断を速くする条件です。
7. 非常災害時の対応に関する研修
地震・水害・火災を想定した避難経路の確認、避難情報の集め方、備蓄品の保管場所の共有を扱う内容です。訓練は机上と実地を組み合わせて実施し、災害の業務継続計画に関する訓練と一体で行うことも認められています(桶川市の公表資料、2026年8月時点)。自施設がハザードマップ上のどこにあるかを冒頭で確認すると、議論が具体的になります。
8. 認知症ケアに関する研修(認知症介護基礎研修)
令和6年4月から、介護に直接携わる無資格の従業者に認知症介護基礎研修を受講させることが義務づけられました。新たに採用した従業者は、採用後1年を経過するまでに受講させます(桶川市の公表資料、2026年8月時点)。介護福祉士・看護師・社会福祉士・初任者研修修了者などの有資格者は対象外です。受講方法はeラーニングでも差し支えないため、シフトへの影響を抑えられる点も実務的です。対象者の範囲は認知症介護基礎研修の義務化とは?で扱っています。
9. 倫理・法令遵守とプライバシー保護に関する研修
介護職の職業倫理、運営基準の考え方、個人情報の取り扱いを扱います。実務では、記録の持ち出しの可否、SNSへの投稿、家族以外からの問い合わせへの回答範囲が題材になります。理念の確認で終わらせず「この問い合わせに答えてよいか」という設問を用意すると、判断基準が全員でそろいます。
義務側の9テーマは施設の事情で入れ替えられないため、年度が始まる前に月を決めて計画へ固定してしまうのが、もっとも取りこぼしの少ない扱い方です。
現場と組織の課題から選ぶ研修テーマ9選
義務以外の研修テーマは、自施設に残っている事故報告やヒヤリハット、介護記録から選ぶと外れにくくなります。思いつきで決めるより、実際に起きた事象を起点にしたほうが、受講後に現場で使われる場面が具体的になるためです。
選ぶ順番の目安は、直近1年の記録に多く出てくる事象から順に当てることです。記録に残っていない課題は、研修で扱っても効果を確認する手段がありません。
10. 介護技術の基本(移乗・食事・入浴・排泄)
移乗、食事介助、入浴介助、排泄介助の手順を実技で確認し直すテーマです。勤務年数が長くなるほど自己流の動きが増え、腰痛や事故につながる姿勢が定着することがあります。ボディメカニクスの原則を短く確認したうえで、2人1組で実際に動く形が向いています。手順書と実際の動きが違った箇所をその場で手順書へ反映すると、研修と文書の内容が一致します。
11. 介護記録とヒヤリハット報告の書き方
事実と推測を書き分ける、5W1Hで書く、専門用語の使い方をそろえるといった記録の基本を扱うテーマです。記録は運営指導で確認される書類であり、次の研修テーマを決める材料でもあります。個人が特定されない形で実際の記録から例を抜き出し、第三者に伝わるかを全員で検討すると、書き方の基準が共有されます。書き方の型は介護記録の書き方完全ガイドが参考になります。
12. 申し送りと情報共有の質を上げる研修
申し送りで何を伝え、何を省くかという判断基準をそろえるテーマです。伝達漏れは事故と苦情の双方につながるため、独立したテーマとして扱う価値があります。実際の申し送りメモを題材に、必要な情報が抜けていないか、読み手が判断できない情報が混ざっていないかを確認する演習が向いています。進め方は介護の申し送りのコツと進め方で詳しく解説しています。
13. 接遇とクレーム対応
言葉遣い、身だしなみ、距離の取り方といった接遇の基本と、苦情を受けたときの初期対応を扱います。苦情は初動の言い方で長期化するかどうかが変わるため、ロールプレイの形が向いています。利用者本人への声かけと家族への説明では求められる言葉が違うので、場面を分けて練習します。
14. 服薬管理と誤薬の防止
配薬の準備、本人確認、服薬後の確認の各段階で、どこに間違いが入り込むかを扱うテーマです。誤薬は一つの原因ではなく、名前の似た利用者、変更後の処方、忙しい時間帯といった条件が重なって起こります。ヒヤリハットが起きた時間帯と場面を洗い出し、確認の手順をどこに追加するかを決めるところまでを研修に含めるのが実務的です。対策の全体像は介護施設の誤薬対策もあわせて確認してください。
15. 口腔ケアと摂食嚥下の支援
口腔ケアの手順と、飲み込みの状態に応じた食事介助の方法を扱います。施設系サービスでは口腔衛生の管理体制の整備が令和6年4月から義務化されており、体制と現場の手技を同時に整える必要があります(山口県、2026年8月時点)。歯科衛生士や言語聴覚士に講師を依頼できると実技の精度が上がります。
16. メンタルヘルスとアンガーマネジメント
ストレスへの気づき方と、感情が高ぶった場面での対処を扱うテーマです。虐待の発生要因の第3位に「職員のストレス・感情コントロール」が挙がっており、職員の働きやすさだけでなくケアの安全にも直結します(厚生労働省「令和6年度高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」、2026年8月時点)。怒りが生じてから対応するまでの間の取り方を、具体的な場面で練習する形が向いています。
17. 新人・中堅・リーダーの階層別研修
同じテーマでも求められる深さは経験年数で変わります。新人には手順と職業倫理、中堅には後輩への教え方、リーダーにはチームの運営と人材育成という分け方が基本です。全員を集めた研修だけにすると、新人には難しく中堅には物足りない内容になりがちです。新人向けの内容は介護施設の新人教育マニュアル作成ガイドで扱っています。
18. 外国人スタッフ向けの多言語での教育
在留資格や日本語の習熟度が異なる職員に、同じ手順を伝えるためのテーマです。日本語の資料だけでは、手順を覚えていても細かい注意点が伝わらないことがあります。動画と写真を中心に構成し、必要な箇所へ母語の説明を添える形が現実的です。法定研修を多言語で運用する手順は外国人スタッフ向け法定研修を多言語対応で運用するには?が参考になります。
研修テーマの優先順位を決める3つの判断軸
上位3要因はいずれも研修の設計で手をつけられる領域(出所: 厚生労働省「令和6年度高齢者虐待防止法に基づく対応状況等調査」に基づき編集部作成)
研修テーマの優先順位は、公的調査が示す虐待や事故の発生要因から逆算して決められます。令和6年度の調査では、施設従事者による虐待の発生要因の1位が「職員の虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足」で75.9%でした(厚生労働省、2026年8月時点)。上位の要因はいずれも研修で直接扱えます。
1. 義務と減算のリスクから決める
第1の軸は、実施しなかったときに報酬や運営指導へ影響が及ぶかどうかです。高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算は、措置の一つでも欠けていれば適用されます(厚生労働省、2026年8月時点)。任意テーマをどれだけ充実させても義務側の欠落は埋められないため、この2つは同じ土俵にありません。
2. 公的データが示す発生要因から決める
第2の軸は、実際に問題が起きている領域から選ぶという考え方です。令和6年度調査では、養介護施設従事者等による虐待判断件数が1,220件となり、対前年度で97件(8.6%)増えました。発生要因の上位3つは次のとおりです。
| 順位 | 発生要因 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 職員の虐待や権利擁護、身体拘束に関する知識・意識の不足 | 75.9% |
| 2 | 職員の倫理観・理念の欠如 | 64.3% |
| 3 | 職員のストレス・感情コントロール | 62.5% |
データ出典: 厚生労働省「令和6年度『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果」(2026年8月時点)
データ上は、上位3つの要因がすべて研修で直接扱える領域に含まれています。人員配置や設備のように予算と時間を要する要因ではなく、知識・倫理・感情への対処という、研修の設計で手をつけられる領域が上位に並んでいる点が特徴です。年度の前半に虐待防止・身体拘束・倫理・メンタルヘルスのテーマを置き、後半で効果を確認する組み方が検討に値します。
3. 自施設の事故報告とヒヤリハットから決める
第3の軸は、自施設に残っている記録から選ぶことです。出発点は、直近1年の事故報告とヒヤリハットを場面別に数えることです。転倒・誤薬・誤嚥のどれが多いかで優先すべきテーマは変わり、件数の多い場面に対応するテーマを選べば、研修の効果を翌年の件数で確認できます。
義務と減算で下限を決め、公的データで方向を決め、自施設の記録で具体的な場面を決める、という3段階で並べると優先順位が固まります。
ヒヤリハットの記録から次の研修テーマを決める流れを作りたい方は
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年間計画への組み方と研修記録の残し方
感染症研修とBCP(感染症編)、非常災害訓練とBCP(災害編)は一体実施で年間回数を抑えられる(出所: 桶川市の公表資料に基づき編集部作成)
年間計画は、実施頻度が決まっている義務テーマを先に月へ割り当て、空いた枠を課題テーマで埋める順序が組みやすくなります。虐待防止・感染症対策・業務継続計画の研修は年1回以上、施設系サービスでは年2回以上が求められ、新規採用時にも実施します(桶川市、2026年8月時点)。
義務テーマを先に月へ固定する
感染症の研修は流行期の前に、非常災害の訓練は出水期の前に置くというように、義務テーマには適した時期があります。年2回実施するテーマは上期と下期に分けます。感染症の業務継続計画に関する研修は感染症の予防研修と一体で、災害の業務継続計画に関する訓練は非常災害対策の訓練と一体で実施できるため、この2組をまとめると年間の回数を抑えられます。
以下は施設系サービスを想定した月別の配分例です。サービス種別と自治体の指導方針によって必要回数が変わるため、自施設の要件に合わせて調整してください。
| 月 | 義務テーマ | 課題テーマ |
|---|---|---|
| 4月 | 倫理・法令遵守とプライバシー保護 | 新人向けの介護技術の基本 |
| 5月 | 高齢者虐待の防止(上期) | 介護記録の書き方 |
| 6月 | 事故発生の防止と発生時の対応 | 申し送りと情報共有 |
| 7月 | 非常災害時の対応(訓練) | 服薬管理と誤薬の防止 |
| 8月 | 身体拘束の適正化(上期) | メンタルヘルスとアンガーマネジメント |
| 9月 | 緊急時の対応(実技) | 接遇とクレーム対応 |
| 10月 | 感染症・食中毒の予防とまん延防止+業務継続計画(感染症編) | 口腔ケアと摂食嚥下の支援 |
| 11月 | 認知症ケア(対象者の受講状況の確認) | 階層別(中堅向け) |
| 12月 | 高齢者虐待の防止(下期) | 外国人スタッフ向けの多言語での教育 |
| 1月 | 感染症・食中毒の予防とまん延防止(下期・訓練) | 介護技術の再確認 |
| 2月 | 業務継続計画(災害編)+非常災害時の対応(訓練) | ヒヤリハット報告の振り返り |
| 3月 | 身体拘束の適正化(下期) | 階層別(リーダー向け) |
データ出典: 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」および自治体の集団指導資料(2026年8月時点)
残りの枠を自施設の課題テーマで埋める
義務テーマを配置すると残った枠が見えます。ここに前節の第3の軸で選んだテーマを当てはめます。上の例では7月に服薬管理を置いていますが、自施設のヒヤリハットで転倒が最も多いなら転倒予防に差し替える形です。年度の途中で事故が起きたときのために、翌月以降の枠は入れ替えられる余地を残しておきます。
実施記録と受講状況を残す
虐待防止・感染症対策・業務継続計画の各研修は、実施内容の記録が求められます。残すのは実施日、テーマ、内容の要点、参加者名、資料です。運営指導では計画と記録の両方が確認されるため、計画だけ立てて記録が散在している状態は避けたいところです。確認される項目は介護の実地指導(運営指導)チェックリストで一覧にしています。
計画・実施記録・受講者名簿を同じ場所にまとめておくと、年度末に慌てて資料を集め直す必要がなくなります。
参加率と定着を上げる研修の進め方
研修の定着は、開催形式そのものより「同じ内容を全職員へ同じ品質で届けられるか」で差がつきます。夜勤や時差出勤がある施設では、一度の集合研修で全員がそろうことは多くありません。事前の課題把握と、後から見返せる形の用意が実務的な条件です。
事前アンケートでテーマを職員の課題に合わせる
同じ認知症ケアでも、新人が知りたいのは声かけの具体例で、中堅が知りたいのは行動の背景の読み取り方です。開催の2週間ほど前に扱ってほしい場面を短いアンケートで集めると、内容の焦点が定まります。集めた質問をそのまま研修の目次にすれば、参加した職員にとって自分の質問への回答になります。
実技とグループワークで手順を体で確認する
移乗、口腔ケア、救命処置のように手が動くかどうかが問われるテーマは、講義形式では確認できません。2人1組で実際に動き、うまくいかなかった箇所をその場で共有します。グループワークでは正解を出すことより、判断が分かれた点を洗い出すほうに時間を使うのが有効です。
動画マニュアルで繰り返し学べる形にする
集合研修は日程調整が必要で、講師によって説明の細かさも変わります。手順を動画にしておけば、欠席した職員が後から同じ内容を確認でき、現場で迷ったときにも見返せます。動画マニュアルの作り方と法定研修への対応は介護の研修動画とは?メリットと法定研修対応を解説、記録との連携は動画マニュアル × 記録連携で学びと業務を同時に効率化をご覧ください。
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評価軸を「研修記録と受講状況が自動で残るか」に置くと、実施した事実と受講者を後から再現できるかで運用が分かれます。法定研修管理は虐待防止、感染症・食中毒の予防、身体拘束の適正化、事故発生の防止、緊急時対応、業務継続計画の各研修に対応し、研修実施記録が自動で保存されます。「同じ内容を全施設へ同じ品質で配信できるか」という軸では、本部が作成したコンテンツを全施設へ展開し、職員別の受講進捗を追える設計になっています。外国人スタッフ向けにはコンテンツのAI翻訳に対応し、導入実績は100社以上です。
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介護の研修テーマに関するよくある質問
Q. 介護施設で必ず実施しなければならない研修テーマはどれですか?
高齢者虐待の防止、身体拘束の適正化、感染症・食中毒の予防とまん延防止、業務継続計画、事故発生の防止と発生時の対応、緊急時の対応、非常災害時の対応、認知症ケア、倫理・法令遵守とプライバシー保護の9つが該当します。このうち虐待防止措置と業務継続計画は、措置が講じられていない場合に基本報酬が減算されます(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」、2026年8月時点)。
Q. 研修テーマの一覧はどこで確認できますか?
事業所種別ごとに必要な項目は、指定権者である自治体が公開している集団指導資料で確認できます。たとえば山口県の資料では、義務化された項目と対象サービスが一覧で示されています。示し方は自治体で異なるため、所管の窓口で確認してください。
Q. 社内で実施する研修のテーマはどう決めればよいですか?
直近1年の事故報告、ヒヤリハット、介護記録を場面別に数え、件数の多い場面に対応するテーマから選びます。虐待防止研修は外部講師を招かず事業所内の研修で差し支えありません(桶川市の公表資料、2026年8月時点)。
Q. 研修は年間で何回、どのテーマを組めばよいですか?
虐待防止・感染症対策・業務継続計画の研修は年1回以上、施設系サービスでは年2回以上が求められ、新規採用時にも実施します。必要回数はサービス種別と自治体の指導方針によって異なるため、年間計画を確定する前に所管の窓口で確認してください。
Q. 訪問介護と施設で研修テーマは変わりますか?
義務項目の対象範囲と回数がサービス種別で異なります。虐待防止・感染症対策・業務継続計画は全サービスが対象で、認知症介護基礎研修は無資格者がいない訪問系サービスと福祉用具貸与が対象外です(山口県の公表資料、2026年8月時点)。任意テーマの重点は、訪問介護では単独での判断、施設では夜勤帯の対応へと移る点が違いです。
まとめ
介護の研修テーマは、実施が義務づけられた9テーマと、自施設の課題から選ぶ9テーマの2層で構成できます。優先順位は公的調査の発生要因から逆算でき、年間計画は義務テーマを先に月へ固定してから残りを埋めると組み上がります。この順序で決めると、年度が始まる時点で12か月分の枠が埋まり、毎月「今回は何をやろうか」と考える時間がなくなります。個別の必要回数や記録様式はサービス種別と自治体の指導方針で異なるため、確定前に所管の窓口へ確認してください。
月別に決めた研修テーマを動画マニュアルで繰り返し使いたい方は
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