2026.9.18
介護の入浴介助で事故を防ぐ手順|確認する項目と拒否への対応
入浴介助は、入浴前の体調と皮膚の確認から始め、脱衣・洗身・入浴・出浴・着衣・水分補給までを決まった順で行います。湯温と入浴時間には目安があり、消費者庁は湯温41度以下、湯につかる時間は10分までを挙げています。CareBase(ケアベース)の見方では、現場で数値がばらつくのは、この根拠が共有されないまま慣行として受け継がれてきたためです。入浴前の確認から拒否への対応、職員の安全、手順の標準化までを順に整理します。
入浴介助の手順が職員ごとに変わるのを直したい方は
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入浴介助とは?体を清潔にする介助と全身の観察がひと組で動く
入浴介助の目的と、入浴のときに確認できる部位を運営基準が求める体制と対応させた(出所: e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」に基づき編集部作成)
入浴介助とは、湯につかる一連の動作を支えながら、皮膚や体調の変化をその場で確認するところまでを含むケアです。清潔を保つことだけを目的にすると、着衣のままでは見えない部位の変化に気づく機会を落としかねません。特別養護老人ホームでは、入浴の回数も運営基準で定められています。
入浴介助の目的は、清潔の保持と、変化に早く気づくこと
入浴には、体の汚れを落とす、温まって血行が促される、緊張がほぐれるという役割があります。加えて入浴介助は、背中・臀部・足の裏・爪のまわりまで一度に見られる数少ない場面です。
指定介護老人福祉施設の運営基準は、「褥瘡(じょくそう)が発生しないよう適切な介護を行う」ことを求めています。あわせて、その発生を予防するための体制を整備することも定めています(e-Gov法令検索「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」 第13条第5項)。求められているのは職員個人の心がけではなく体制です。その体制の有無は、入浴の記録に実施の有無だけでなく皮膚の所見を書く欄があるかに表れます。
特別養護老人ホームは、週2回以上の入浴または清拭が基準で決まっている
同じ基準の第13条第2項は、「一週間に二回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない」と定めています。清拭とは、体を拭いて清潔を保つ方法です。条文が入浴と清拭を並べているため、湯につかれない日があっても、清潔を保つ手立ては基準の中に用意されています。
なおこの条文は特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の基準で、介護老人保健施設や通所介護は別の省令によります。自施設に適用される基準は、所管の指定権者へ確認してください。
入浴前に確認する項目|入浴を見送る判断の目安
入浴前は、体温・血圧・脈拍と本人の様子、皮膚の状態、食事や薬からの時間を確認してから入浴の可否を決めます。数値が基準の範囲に収まっているかだけでなく、その人の普段の値との差で見ます。入浴を見送る、または時間をずらす目安は、食事や薬から時間が空いていないとき、体温や血圧が普段と離れているとき、皮膚に新しい発赤や傷があるときの3つです。
体温・血圧・脈拍と、本人の様子を普段との差で見る
体温・血圧・脈拍を測り、顔色・呼吸・受け答え・食事量といった数値に出ない様子も見ます。同じ血圧140でも、普段が110の人と150の人では意味が同じではありません。その日の入浴の可否は、最終的には看護職や主治医の指示によります。
消費者庁は、入浴中の事故について「持病がない場合、前兆がない場合でも発生するおそれがあります」としています(消費者庁「みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故」)。体調が安定している人にも同じ項目を当てておけば、担当者が替わっても確認の細かさは変わりません。
測る項目そのものの意味は バイタルチェックとは?意味・目的・見るべき4つの項目 でやさしく解説しています。基準値と普段との差の見方は 高齢者バイタル正常値一覧 が参考になります。
皮膚の状態は、脱衣のときに毎回見る
脱衣のタイミングで見るのは、発赤・傷・内出血・乾燥・かゆみです。厚生労働省の「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版(2019年3月)」は、疥癬について「入所時や普段のケアのときに皮膚の観察を忘れないようにします」とし、かゆみは夜間に強くなる傾向があるとしています(厚生労働省「個別の感染対策」)。
夜間に強く出る症状は、日中の申し送りだけでは拾いきれません。気づいた部位と状態をその場で残し、次の担当者が同じ場所を見られるようにしておきます。
食事・薬からの時間と、排泄・水分補給を先に済ませる
消費者庁は「食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避けましょう」と示し、脱水を防ぐために入浴前の水分補給も挙げています(消費者庁「コラムVol.12 高齢者の事故」)。
服薬の内容と時刻は、施設では看護職が把握していて、入浴を担当する介護職の手元には届いていないことがあります。「食事・服薬からの時間」を確認項目として明文化し、朝の申し送りで当日の服薬時刻まで共有すると、順番を入れ替える判断がその場でできます。排泄を済ませてもらうのも、浴室へ移動する前です。
浴室と脱衣室の準備|湯温41度以下・10分を目安にする
脱衣室と浴室は入浴前に暖めておき、湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安に設定します。これは消費者庁が高齢者の入浴について示している目安です。個々の入所者がその日入浴できるかどうかは、看護職や主治医の判断によります。
脱衣室と浴室を先に暖め、湯温と時間を数字で決めておく
消費者庁は、安全に入浴するための確認事項として「入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう」「湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう」を挙げています。温度計やタイマーを活用した見える化も、前掲のコラムVol.12で示されました。
目安が公表されている以上、施設が設定値を決められない理由はないとCareBase(ケアベース)は考えています。誰が担当しても同じ条件になるよう、手順書に「湯温41度以下」「湯につかるのは10分まで」と数字を書き入れ、浴室に温度計とタイマーを置くところまでを準備の工程に含めます。利用者を浴室へ案内する前にそろえておくのは、タオル・着替え・滑り止めマット・シャワーチェア・保湿剤です。
感染症のある人がいるときは、入浴の順番から決める
在宅の入浴と違い、施設では誰を先に、誰を最後に入れるかを決める必要があります。前掲の感染対策マニュアルが状態ごとに入浴の扱いを分けて記しているのは、次の3つです。
| 状態 | マニュアルが示す扱い | 入浴の順番への反映 |
|---|---|---|
| ノロウイルス | 入浴できる状態になっても1週間ぐらいは最後に入浴する | 回復後もしばらく最後に回す |
| 薬剤耐性菌 | 個室での療養や入浴順序を最後とする等を可能な範囲で検討する | 個室での対応とあわせて最後に組む |
| 疥癬 | 入浴できる方はできるだけ毎日入浴し、できない方には毎日清拭を行う | 毎日の入浴または清拭を予定に固定する |
(出所: 厚生労働省「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版(2019年3月)」個別の感染対策の記述に基づき編集部作成)
順番は、当日の体調と感染症の情報がそろって初めて決まります。朝の申し送りで配慮の要る人を共有してから順を組み、変更した理由も残すと、翌日の担当者が同じ判断を再現できます。入浴の準備は物品をそろえる作業ではなく、湯温・時間・順番という3つの設定値を決める作業です。
入浴介助の手順|脱衣から水分補給までの流れと体を洗う順番
3工程の動作と、末梢から中心へ進む洗う順番を1枚に対応させた(出所: 消費者庁の入浴中の事故に関する注意喚起と、指定介護老人福祉施設の運営基準の記述の整理に基づき編集部作成)
入浴介助は、声かけと排泄・脱衣、かけ湯と洗身・洗髪、入浴、出浴と着衣、水分補給と記録の順で進めます。工程を入浴前・入浴中・入浴後の3つに区切ると、途中で担当を交代するときに何を伝えればよいかで迷いません。
工程ごとに「介助の動作」「確認すること」「記録に残すこと」の3つを対応させると、次のように整理できます。
| 工程 | 介助の動作 | 確認すること | 記録に残すこと |
|---|---|---|---|
| 入浴前 | 声かけ、排泄、脱衣、浴室への移動 | 体温・血圧・脈拍/皮膚/食事・薬からの時間 | 入浴の可否と、その判断材料 |
| 入浴中 | かけ湯、洗身・洗髪、浴槽の出入り | 湯温、湯につかった時間、表情と受け答え | 実施した内容(入浴・シャワー浴・清拭) |
| 入浴後 | 水分のふき取り、保湿、着衣、水分補給 | 皮膚の所見、ふらつき、飲んだ量 | 皮膚の所見と本人の様子、次回への申し送り |
(出所: 消費者庁の入浴中の事故に関する注意喚起と、指定介護老人福祉施設の運営基準の記述の整理に基づき編集部作成)
入浴前|声をかけ、排泄を済ませ、脱衣を介助する
入浴の日であることを伝えるのは、当日の朝など早いタイミングです。急に浴室へ案内すると、断られる理由がその段取りのほうにできてしまいます。浴室へ向かうのは、前の2つの章で挙げた確認と準備を済ませてからです。
脱衣は、麻痺や拘縮のない側から脱ぎ、着るときは反対側から通すと、関節を無理に動かさずに済みます。バスタオルで体を覆う、扉の開閉に配慮する、同性介助の希望を事前に聞いておくといった配慮も、脱衣の工程の一部です。
入浴中|かけ湯から始め、体は末梢から中心へ洗う
浴槽に入る前に、足元からかけ湯をして湯温に慣れてもらいます。心臓から遠いところから湯をかけるのは、急な温度変化による体への負担を抑えるためです。洗う順番も同じ考え方で、足先・手先から始めて体幹へ進み、陰部は最後に回します。
シャワーチェアの高さは、座ったときに足の裏が床につく位置が目安です。浴槽の出入りでは手すりや浴槽台を使い、体を支える位置と動作前の声かけを組にして決めておくと、担当者が替わっても手順がそろいます。湯につかっている時間はタイマーで計り、途中で声をかけて様子を確かめるのも入浴中の工程です。
入浴後|水分をふき取り、着衣・水分補給・記録まで行う
浴室を出る前に水分をふき取り、体が冷えるのを防ぎます。保湿剤や処方された軟膏は、皮膚が乾ききる前に塗ります。着衣と整髪を済ませ、水分補給まで行って一区切りです。
工程はここで終わりではありません。入浴の可否をどう判断したか、皮膚に何が見えたか、本人の様子はどうだったかを記録に残すところまでが入浴介助です。残す項目は、後半のよくある質問でも取り上げています。
脱衣から水分補給までの手順を全員が同じ形で見られるようにしたい方は
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入浴中の事故を防ぐために介助中に押さえること
浴槽での事故が高齢者の溺死・溺水の大半を占めることと、介助中に押さえる3動作(出所: 消費者庁コラムVol.12〔厚生労働省「人口動態統計」を基に消費者庁で作成〕に基づき編集部作成)
湯につかっている間は目を離さず、浴槽から出るときは急に立ち上がらせないことが、溺水とのぼせを防ぐ最初の一手です。令和5年に「不慮の溺死及び溺水」で亡くなった65歳以上の8,270人のうち、6,541人が浴槽での事故でした(前掲の消費者庁コラムVol.12。厚生労働省「人口動態統計」を基に消費者庁で作成)。
浴槽内では目を離さず、出るときは急に立ち上がらせない
同じ資料は、溺死及び溺水で亡くなった高齢者のうち約8割が入浴中であるとしています。介護施設で起きた事例も公表されており、「介護施設において、口元が浴槽の湯に浸かっている状態で発見され、溺水により死亡。」という90歳代の事故が報告されています(消費者庁「高齢者の事故(転倒・転落事故、入浴中の溺水事故、食べ物による窒息事故)」)。
入浴中の事故は持病や前兆のない場合でも起こりうるとしたうえで、消費者庁は「浴槽内で意識がもうろうとしたら、気を失う前に湯を抜きましょう」とも示しました。湯につかっている時間は見守りを外せない時間だと、CareBase(ケアベース)はこの数字から見ています。タオルを取りに行くような浴室を離れる作業は入浴中の工程から外し、浴槽の栓に手が届く位置で見守ります。
濡れた床とふらつきを前提に動線を決め、ヒヤリハットを記録に残す
洗い場と脱衣室の床の水気、移動の距離、手すりの位置、履物、立ち上がりのタイミングは、それぞれ転倒につながる条件です。条件だけを並べるより、工程のどこで発生するかに紐づけると手順書に落とせます。浴室以外も含めた転倒対策は 介護の転倒防止|原因別の対策と施設で仕組み化する手順 にまとめました。
滑りかけた、立ち上がりでふらついた、といった気づきは、その日のうちに残せる形にしておきます。報告書の書き方と様式は 介護のヒヤリハット事例集と報告書の書き方 もあわせて確認してください。浴槽から離れないことと、ヒヤリハットをその日のうちに残すことの2つが、入浴中の事故対策の中心になります。
入浴を断られたときの対応
入浴を断られたときは、理由を確かめてから時間や担当を変え、それでも難しければ清拭に切り替えます。断られた事実と、試した対応の内容を記録に残すところまでが対応です。
断る理由を、寒さ・怖さ・恥ずかしさ・体調・タイミングに分けて確かめる
「入りたくない」という言葉の中身は一つではありません。脱衣室が寒い、浴室の音や反響が怖い、異性の職員に介助されるのが気まずい、体がだるい、その時間帯に別の習慣がある、と理由が違えば先に変えるべきものも変わります。
たとえば毎回同じ時間に声をかけて断られている場合は、体調よりも先に時間帯を疑います。変える条件は、午前の決まった時刻をやめて午後に回す、声をかける職員を替える、脱衣室を先に暖めておく、の3つです。1つずつ変え、どれを変えたときに応じてもらえたかを記録に残します。一度に2つ以上変えると、次に効く手が分からないままです。
無理に進めず清拭に切り替え、断られた理由と対応を記録して共有する
運営基準は「入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って」サービスを提供するよう定め(前掲の基準 第1条の二第2項)、介護については入浴と清拭を並べて求めています。清拭は、その場しのぎではなく基準の中に並記された方法です。
断られた日を「入浴できなかった日」で終わらせず、清拭へ切り替えて皮膚の観察まで行えば、基準が求める清潔の保持と観察は続きます。残しておきたいのは、断られた理由、試した条件、切り替えた内容の3つです。これがあれば、次の担当者は同じ試行錯誤を最初からやり直さずに済みます。
介助する職員の安全|抱え上げと靴・服装、浴室の暑さ
腰痛の発生率の差と、抱え上げ・履物・浴室の暑さで決めておく条件を並べた(出所: 厚生労働省「保健衛生業における腰痛の予防」「腰痛予防対策」、富山労働局「職場における熱中症対策の強化について」に基づき編集部作成)
全介助が必要な人を人力で抱え上げる場面は残さず、リフトやシャワーキャリーに置き換えます。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」が名指しでこの対象に挙げているのが、入浴介助です。職員側のリスクは、体の使い方ではなく作業の条件を変えることで下がります。
職員側の2つのリスクを、公的な指針・規則が求める措置と、浴室での具体策の2つの面から対応させると次のようになります。
| 職員側のリスク | 公的な指針・規則が求める措置 | 浴室での具体策 |
|---|---|---|
| 腰への負担 | 全介助の対象者にはリフト等を使用し、原則として人力の抱上げは行わせない/作業標準を策定する | 浴槽の出入りにリフトやシャワーキャリーを充て、1人で抱え上げる場面を手順書から消す |
| 浴室の暑さ | 自覚症状の報告体制と、悪化を防ぐ措置の手順を定めて周知する | 浴室と脱衣室の温度を測り、続けて介助する時間の上限と交代の目安を決める |
(出所: 厚生労働省「保健衛生業における腰痛の予防」「腰痛予防対策」および労働安全衛生規則の改正による熱中症対策の記述に基づき編集部作成)
抱え上げは原則人力で行わず、靴と服装も作業条件として決める
厚生労働省は平成25年に改訂した腰痛予防対策指針で、「移乗介助、入浴介助及び排泄介助における対象者の抱上げに際し、全介助の必要な対象者には、リフト等を積極的に使用することとし、原則として人力による人の抱上げは行わせないこと」と示しました。あわせて、保健衛生業の腰痛発生率(死傷年千人率)が全業種平均の0.1に対して0.25であることも公表しています(厚生労働省「保健衛生業における腰痛の予防」)。
指針が入浴介助を名指ししている以上、抱え上げるかどうかは個人の判断ではなく施設の作業標準で決める事項だとCareBase(ケアベース)は考えています。靴と服装も同じ扱いです。腰痛予防チェックの作業管理は「作業時の靴は、足に合ったものを使用する。ハイヒールやサンダルは使用しないこと」とし、作業服も動作を妨げない伸縮性のあるものを挙げています(厚生労働省「腰痛予防対策」)。何を履くかは施設ごとの選択ですが、滑りにくさと足へのフィットを条件として手順書に書いておきます。
浴室の暑さは、作業環境として測ってから手順を決める
職場の安全と健康を守るために事業者が守る規則を、労働安全衛生規則といいます。この規則の改正により、令和7年6月1日から2つの措置が事業者に義務づけられました。熱中症の自覚症状がある作業者とそれを見つけた者が報告するための体制を定めて周知すること、そして作業からの離脱・身体の冷却・医師の診察といった悪化を防ぐ措置の内容と手順を定めて周知することの2つです。
暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度と輻射熱を合わせて暑さを表す指標です。対象になるのは、WBGT28度または気温31度以上の作業場で、継続して1時間以上または1日あたり4時間を超えて行われる見込みの作業です(厚生労働省 富山労働局「職場における熱中症対策の強化について」)。浴室での入浴介助が対象に当たるかどうかは実測で決まります。当たると決めつけずに、まず浴室と脱衣室を測るのが先です。職員側の安全は、体の使い方の指導ではなく、用具・履物・作業時間という条件を手順書に書き込むことで確保します。
施設で入浴介助の手順をそろえる進め方
手順をそろえるには、今の介助のやり方を職員ごとに書き出し、判断の基準まで入れた手順書を写真や図の形で作ります。進め方を公開しているのは、厚生労働省の介護分野における生産性向上ポータルサイトです。動作だけを並べた手順書は、現場の迷いを残したままになります。
今の介助のやり方を書き出し、判断の基準まで手順書に入れる
同ポータルは、手順書の作成を「1 各自の業務を書き出そう」「3 やるべき手順を明確に決めよう」「4 フロー図を使って見やすい手順書をつくろう」といったステップで進めるものとしています。そのうえで「手順書には業務がきちんとできているかどうかの目安となる判断の基準を明確に記載しましょう」「一目見ただけでわかるフロー図が有効です」と示しています(厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト 手順書の作成」)。
入浴介助は工程が長く、入浴の可否、中止の判断、誰を最後に入れるかと、決める場面が続きます。動作だけを書いて判断の基準を落とすと、手順書があっても現場で先輩に聞くことになるとCareBase(ケアベース)は見ています。手順書に書き込むのは、この記事で挙げた湯温・入浴時間の設定値、入浴を見送る目安、感染症がある場合の順番の決め方です。マニュアル全体の整備の進め方は 介護マニュアルの作り方と義務化対応 で詳しく解説しています。
新人がどこまでできたかを確認する項目を決めておく
前掲のポータルは「業務のやり方が人によって異なると、その質や作業時間にも差がでてしまいます」としています。差を埋める基準を速さに置くと、急がせる指導になりかねません。基準は「手順のどこまでを1人でできるか」に置き、脱衣までは1人で、浴槽の出入りは2人で、といった段階で到達度を見ます。
新人向けの教え方の設計は 介護施設の新人教育マニュアル作成ガイド が土台です。到達度を確認する項目の作り方は 介護の新人教育チェックシートには何を入れる? にまとめています。
入浴介助の手順と観察項目をそろえるならCareBase(ケアベース)
入浴介助の手順をそろえる手段は、3つの基準で見比べます。工程を動画や画像の形で残せるか、改訂した手順が全職員に届いたかを確認できるか、介助の記録と同じ場所で扱えるか、の3点です。
紙の手順書と口頭での指導だけでは、この3つがそろいません。濡れた手のまま浴室から事務室の手順書を見に行くことはできず、差し替えた版が全員に渡ったかどうかも、配った側からは追えません。
CareBase(ケアベース)は、動画・画像・テキストを組み合わせて法人独自のマニュアルを作成できます。更新履歴を管理し、改訂版は全施設へ即時に反映します。浴室の前でその場に呼び出したいときに使えるのが、現場の導線上に設置するQRコードです。学習コースで職員ごとの受講進捗を追跡でき、法定研修の実施記録は自動で保存します。記録はスマホ・タブレットから入力でき、記録漏れを防ぐアラートと管理者向けダッシュボードを備えます。介護施設・法人への導入は100社以上です。料金は1施設あたりの月額制です。プランにより異なりますので、詳細はお問い合わせください。動画制作オプションでは1テーマあたり約1時間の撮影を行い、撮影後およそ2週間で編集を終え、1テーマの完結までは約6週間を見込みます。
入浴介助の手順が職員ごとに違っていて、直すための基準を決めたい施設に向いています。複数の拠点で改訂版が行き渡ったかを本部から確認したい法人も同じです。1つの施設で紙の手順書が読まれていて記録もすぐ取り出せる状態であれば、まずは判断の基準を書き足すところから始めるほうが早く整います。
入浴介助についてよくある質問
入浴介助のときに手袋は必要ですか?
場面によって決まります。前掲の感染対策マニュアルは、標準予防策(スタンダード・プリコーション)を「すべての患者の血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜等は、感染する危険性があるものとして取り扱わなければならない」という考え方とし、具体的な内容として手洗いや手袋の着用等を挙げています(厚生労働省「高齢者介護施設と感染対策」)。疥癬が疑われる場合は、素手で皮膚を触らないよう手袋を着用すると明記されています。常時着用するかどうかは、施設の感染対策委員会の方針しだいです。
入浴が難しい方には清拭でもよいですか?
制度上の代替として位置づけられています。特別養護老人ホームの運営基準は入浴と清拭を並べて定めており、前掲の感染対策マニュアルも、疥癬について入浴できない方には皮膚の観察を含めて毎日清拭をするとしています。皮膚の観察は、清拭に切り替えた日も同じです。
入浴介助の記録には何を残せばよいですか?
残す項目は、入浴の可否とその判断材料(体温・血圧・脈拍と本人の様子)、実施した内容(入浴・シャワー浴・清拭のどれか)、皮膚の所見、本人の反応の4つです。断られた場合は、その理由と試した対応も残します。次の担当者が同じ判断を再現できる細かさが目安です。様式は施設ごとに異なるため、既存の入浴記録に足りない欄を書き足す形で整えます。
CareBase(ケアベース)では、入浴介助の手順を動画マニュアルにして全職員へ共有できますか?
できます。動画・画像・テキストを組み合わせた法人独自のマニュアルを作成でき、更新履歴の管理により改訂版は全施設へ即時に反映されます。現場の導線上にQRコードを置けば、呼び出す場所は浴室の前で構いません。動画制作オプションを使う場合の撮影や編集の期間を含め、運用の進め方はサービス資料で確認できます。
まとめ
入浴介助は、入浴前の体調と皮膚の確認から始め、脱衣から水分補給と記録までを決まった順で行うことで事故を防げます。湯温や入浴時間は公的な目安をそのまま設定値にできますが、その日の可否を決めるのは本人の状態と看護職の指示です。手順のばらつきも、判断の基準を手順書に書き入れない限り個人の努力では消えません。最初に点検するのは、自施設の入浴手順書に湯温と入浴時間の設定値、入浴を見送る判断の目安(食事や薬からの時間・普段との差・皮膚の変化)が書かれているかどうかです。
CareBase(ケアベース)は、工程を動画・画像・テキストで残し、QRコードから現場の導線上で呼び出せます。浴室で紙の手順書が読まれていない施設に向く形です。
入浴手順書の改訂と研修の記録をまとめて管理したい方へ
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carebase(ケアベース)では、現場に定着する介護記録システムとして、多くの事業所でご活用いただいています。
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