2026.9.15
科学的介護とは?LIFEに出す4つの情報と加算の取り方
科学的介護とは、利用者の状態とケアの内容をデータで集め、分析結果に基づいてケアを見直す介護のことです。その実務は、科学的介護情報システム(LIFE)へ3か月に1回データを提出し、返ってきた結果でケアを見直すことです。1か月分の提出を忘れたらどうなるのか、2026年8月以降の提出先はどこなのか。算定を続けるには、提出する情報と要件をあわせて押さえる必要があります。
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科学的介護とは?データでケアを見直す介護のこと
記録から提出、フィードバックの反映までがひと続きの流れになります(出所: 厚生労働省 老健局老人保健課長通知・社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3に基づき編集部作成)
科学的介護は、職員の経験だけに頼らず、記録したデータの分析結果をもとにケアの内容を決め直す進め方です。利用者の状態やケアの内容を国のシステムへ提出し、集計されて返ってくる結果を次のケアに反映するところまでが一つの流れになります。
従来の介護と何が違うのか
従来の介護では、利用者の変化に気づけるかどうかが職員の経験や観察の力に左右されてきました。科学的介護は、その気づきを決まった項目の記録として残し、集計された結果と照らし合わせてケアの内容を決め直します。国は2019年7月16日の「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」の取りまとめを起点に、仕組みの整備を進めてきました。VISITとCHASEという2つのデータベースを経て、令和3年度からLIFEの運用が始まっています(社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。
同じ利用者に同じ介助を続けていても、記録の書き方が職員ごとに違えば、半年後に状態がどう変わったかを数値で示せません。科学的介護で最初に変わるのは、ケアの手順そのものではなく、記録の残し方と使い方です。
科学的介護を支えるLIFEとはどんな仕組みか
LIFEは、Long-term care Information system For Evidence の頭文字をとった呼び名です。介護施設・事業所が利用者の状態やケアの計画・内容を提出すると、入力内容が集計され、その施設・事業所へフィードバックとして返ってきます(厚生労働省 老健局老人保健課長通知(令和6年3月15日 老老発0315第4号))。
返ってきた結果を計画の見直しに使い、次の提出でまた状態を確かめます。この往復がLIFEの基本です。LIFE関連加算の要件も、データを提出することと、その情報を活用してサービスの質の向上に努めることの2つで組み立てられています。
介護記録や申し送りを含む現場のデジタル化の全体像は介護DXとは?メリット・課題・進め方をわかりやすく解説にまとめました。
科学的介護推進体制加算でLIFEに提出する4つの情報
Barthel Indexは10項目0点から100点、施設サービスの(Ⅱ)は診断名と服薬情報を加えて提出します(出所: 厚生労働省 老健局老人保健課長通知・社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3に基づき編集部作成)
提出するのは、要介護度などの基本情報に加えて、ADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況の4分野です。科学的介護推進体制加算は、この情報をLIFEへ提出し、ケアの見直しに活用することを要件とする加算で、対象は事業所や施設の利用者全員になります。
LIFEへ提出する情報は、厚生労働省が定める別紙様式に沿って入力します。この入力内容が様式情報です。様式の上では分野の呼び名が変わります。ADL値は「総論」、栄養状態と口腔機能は「口腔・栄養」、認知症の状況は「認知症」の区分に入ります。要介護度などは「基本情報」に記入します。使う様式は、通所・居住サービスが別紙様式1、施設サービスが別紙様式2です。
| 提出する分野 | 様式上の記入区分 | 日々のどの記録に現れるか |
|---|---|---|
| ADL値 | 総論 | 移乗・移動・食事・入浴・排泄などの介助記録 |
| 栄養状態 | 口腔・栄養 | 身長・体重の測定記録、食事摂取量の記録 |
| 口腔機能 | 口腔・栄養 | 口腔ケアの実施記録 |
| 認知症の状況 | 認知症(別紙様式3を含む) | 生活・認知機能に関する記録、個別の申し送り事項 |
出所: 厚生労働省の老健局老人保健課長通知(前掲)が定める提出情報と、介護現場で用いられる記録項目の対応の整理に基づき編集部作成
右の列は、制度側の分野を現場の記録に対応づけた整理で、通知に書かれた対応表ではありません。4分野が今どの記録に入っているかを確かめると、新しく集める項目とすでに手元にある項目を分けられます。
1. ADL値(日常生活動作の自立度)
ADL値は、食事・移乗・排泄・入浴・移動といった日常生活動作をどれだけ自分でできるかを評価した値です。科学的介護推進体制加算では、Barthel Index(BI)という指標が使われます。BIは10項目からなり、合計は0点から100点で、点数が高いほど自立度が高いことを示します(前掲の社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。
様式の上での区分は「総論」です。日々の介助記録がそのまま評価の材料になるため、誰がどの動作をどこまで介助したかを同じ書き方で残しておくと、評価のたびに記録を読み直す手間が減ります。
2. 栄養状態
栄養状態が入るのは「口腔・栄養」の区分です。日々の記録でもとになるのは、身長・体重の測定記録と食事摂取量の記録です。
体重は測定した日付とセットで残しておくと、3か月ごとの提出でそのまま使えます。測定の間隔が利用者ごとにばらついていると、提出の直前に測り直す必要が出てきます。
3. 口腔機能
口腔機能の区分は、栄養状態と同じ「口腔・栄養」です。もとになるのは、日々の口腔ケアの実施記録です。
口腔ケアは実施した事実だけが残り、状態の変化までは記録に残っていない場合があります。使っている記録の様式に、口腔の状態を書く欄があるかどうかを先に確認しておきます。
4. 認知症の状況
認知症の状況が入る区分は「認知症」です。別紙様式3(生活・認知機能尺度)もここに含みます。厚生労働省は科学的介護推進体制加算の様式として、別紙様式1から別紙様式5までを公開しています。
施設サービスで科学的介護推進体制加算(Ⅱ)を算定する場合に加わるのは、「総論」の診断名と服薬情報の2項目です。(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは、この2項目を提出するかどうかです。
科学的介護推進体制加算の単位数と算定要件
1人あたり40単位でも対象は利用者全員のため、事業所全体では月2,000単位になります(出所: 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準・指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準に基づき編集部作成)
科学的介護推進体制加算は、通所介護なら1月につき40単位で、LIFEへの情報提出とその活用が算定要件です(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)。単位数はサービス種別と区分によって異なり、介護老人福祉施設は(Ⅰ)が40単位、(Ⅱ)が50単位です。
サービス種別ごとの単位数
| サービス種別 | 単位数 | 提出する様式情報 |
|---|---|---|
| 通所介護 | 1月につき40単位 | 別紙様式1の4区分 |
| 通所リハビリテーション | 1月につき40単位 | 別紙様式1の4区分 |
| 介護老人福祉施設(Ⅰ) | 1月につき40単位 | 別紙様式2の4区分 |
| 介護老人福祉施設(Ⅱ) | 1月につき50単位 | 別紙様式2の4区分+診断名・服薬情報 |
出所: 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(通所介護)・同(通所リハビリテーション)・指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準と、厚生労働省の老健局老人保健課長通知(前掲)に基づき編集部作成
ここに挙げていない認知症対応型通所介護や介護老人保健施設などにも、サービス種別ごとに単位数が定められています。自施設の種別の単位数は、所管の市町村・都道府県または告示で確認してください。1単位あたりの単価は地域区分やサービス種別で異なるため、金額の見込みも同じ窓口で確認します。
1人あたりの単位数は小さく見えても、対象は利用者全員です。通所介護で対象となる利用者が50人いる事業所なら、1か月あたり40単位×50人で月2,000単位です。
なお、記録システムの導入費用には国や自治体の補助金を使える場合があります。制度の種類や補助率、申請の手順は【2026年度版】介護ソフトの補助金まとめ|種類・補助率・申請手順が参考になります。
算定要件は全員分の提出と情報の活用の2つ
法令が定める要件は2つです。1つ目は、利用者ごとのADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況その他の心身の状況等に係る基本的な情報を厚生労働省へ提出することとされています。2つ目は、提出した情報などを活用し、必要に応じて通所介護計画などを見直すことです(同じ基準の通所介護 注21)。
法令上の提出先は厚生労働省ですが、LIFEの運用が移ったことに伴い、2026年(令和8年)5月以降は国保中央会運用LIFEへ提出して差し支えないとされています。移行期間は同年7月31日に終わっており、8月以降に加算を算定するには国保中央会運用LIFEへの提出が必要です(後述)。
LIFE関連加算は全部で17種類あり、加算どうしで重複する提出項目もあります。「科学的介護情報システム(LIFE)のあり方」検討会のとりまとめでは、科学的介護推進体制加算を分野横断的に基礎的な情報を集める1階層目と位置づける方向が示されています。その他のLIFE関連加算は、科学的介護推進体制加算を算定したうえで算定する2階層目として整理すべきという内容です(前掲の社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。令和9年度の介護報酬改定に向けた議論の段階ですが、いま推進体制加算を出せる記録の形を作っておけば、その後に加算を増やすときも同じ記録を使えます。単位数はサービス種別で決まっていて、算定できるかどうかは利用者全員分の情報を提出しているかどうかで決まります。
LIFEへの提出は利用開始月と3か月ごと・期限は翌月10日
翌月10日に間に合うかどうかで、その月からの算定と例外の扱いが分かれます(出所: 厚生労働省 老健局老人保健課長通知・令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)に基づき編集部作成)
データ提出は、利用開始月と少なくとも3か月に1回、そして利用終了月に行います。期限はいずれも対象月の翌月10日までです(厚生労働省 老健局老人保健課長通知(令和6年3月15日 老老発0315第4号))。加算の算定を始める月にも提出が必要で、対象はその事業所や施設の利用者全員になります。
提出が必要になる4つのタイミング
| タイミング | 対象になる利用者 | 提出の期限 |
|---|---|---|
| 加算の算定を開始する月 | その月にサービスを利用している利用者 | 翌月10日まで |
| 新たに利用を開始した月 | 利用を開始した利用者 | 翌月10日まで(やむを得ない場合は翌々月10日まで) |
| 少なくとも3か月ごと | 継続して利用している利用者 | 対象月の翌月10日まで |
| 利用を終了する月 | 利用を終了する利用者 | 翌月10日まで |
出所: 厚生労働省の老健局老人保健課長通知(前掲)と令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)に基づき編集部作成
4月にサービスの利用を開始した利用者なら、提出の期限は5月10日です。その後は少なくとも3か月ごとに1回、同じように対象月の翌月10日までの提出を続けます。この頻度は令和6年度の改定で「6月に1回」から「3月に1回」へ見直されたものです(前掲の社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。
提出できない月が出たときに何が起きるか
提出すべき月に情報の提出を行えない事実が生じた場合は、直ちに届出を提出する必要があります。そのうえで、事実が生じた月のサービス提供分から提出が行われた月の前月までの間は、利用者全員について加算を算定できません。4月分を5月10日までに提出できなければ、4月のサービス提供分から算定できなくなります。
例外もあります。月末に利用を開始した利用者について情報を集める時間が十分に確保できないなど、やむを得ない場合は、利用開始月の翌々月10日までの提出でも差し支えないとされています(前掲の老健局老人保健課長通知)。この場合、その利用者の利用開始月のサービス提供分は算定できませんが、ほかの利用者について提出していれば加算そのものは算定できます(前掲の令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問171・問172)。提出が困難だった理由は、介護記録等に書き残しておく必要があります。
提出日の直前にまとめて確認するより、日々の記録の段階で未入力を見つけて埋めるほうが確実です。提出は3か月ごとだけでなく、利用を開始した月と利用を終了する月にも必要です。
提出する記録の未入力をなくしたい方は
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加算取得までの5ステップとPDCAの回し方
加算の取得は、利用申請、利用者情報の登録、様式情報の提出、フィードバックの確認、ケアの見直しの5つで進みます。最初の3つは一度整えれば繰り返しの作業になり、時間がかかるのは後半の2つです。返ってきた結果を計画に反映するところまでが、加算の要件になっている一連の流れになります。
1. 利用申請とIDの準備
LIFEを使うには、国民健康保険団体連合会が提供する電子請求受付システム(介護)のID・パスワードが必要です。あわせて、同システム上でセキュリティ用のメールアドレスと電子証明書を設定します(厚生労働省 科学的介護情報システム(LIFE)について)。
電子請求受付システムは介護報酬の請求に使うシステムです。すでに持っているIDと、これから設定するものを先に切り分けておくと、申請の途中で止まりにくくなります。
2. 利用者情報の登録
次に、LIFE上で利用者の情報を登録します。ここで登録した利用者について、様式情報を提出していく流れです。
利用者の追加や利用終了は提出のタイミングにも関わります。入退所や利用開始の情報を誰がLIFEへ登録するかを、記録の担当とあわせて決めておきます。
3. 様式情報の提出
提出の方法は、LIFEの画面に直接入力する方法と、介護ソフトから出力したファイルを取り込むCSV連携の2通りです。厚生労働省はCSV連携の仕様書を公開しており、介護ソフト側がこの仕様に沿っていれば、記録から出力したデータを提出に使えます。
紙の記録から手で入力し直す運用では、利用者が増えるほど提出前の作業が重くなりがちです。記録を電子化する手順や費用については介護記録の電子化とは|メリット・費用・法的要件まで徹底解説で詳しく解説しています。
4. フィードバックの確認
提出した情報は集計され、フィードバックとして返ってきます。フィードバックは、利用者ごとの状態を示す利用者フィードバックと、事業所全体の傾向を示す事業所フィードバックの2種類です。
どちらもLIFE上で確認します。返ってきたことに気づかないまま次の提出月を迎えないよう、確認する担当と時期を先に決めておきます。
5. ケアプラン・計画書の見直し
最後が、フィードバックを踏まえた計画の見直しです。計画・実行・評価・改善を繰り返す進め方をPDCAサイクルと呼び、LIFE関連加算はこのサイクルでサービスの質の向上に努めることを要件にしています。
たとえば、返ってきた事業所フィードバックの帳票を1枚印刷し、次のサービス担当者会議の議題として持ち込みます。会議でどの数値を見て何を変えるかを決めておけば、次の提出が入力作業だけで終わりません。
LIFEの運用は2026年5月から国保中央会へ移管
LIFEの運用は2026年5月11日に公益社団法人国民健康保険中央会へ移り、移行期間は同年7月31日に終了しました(厚生労働省 科学的介護情報システム(LIFE)について)。8月以降に加算を算定するには、国保中央会運用LIFEでの様式情報の提出が必要です。
移行で変わったのは提出先と問い合わせ窓口で、提出する様式情報の内容と提出頻度は変わりません(介護保険最新情報Vol.1495)。
| 項目 | 移行後の扱い |
|---|---|
| 提出先 | 国保中央会運用LIFE |
| 提出する様式情報 | 変更なし |
| 「少なくとも3か月ごと」の起算 | 移行前に厚生労働省運用LIFEへ最後に提出した月から数えて差し支えない |
| すでに提出した様式情報 | 再度の提出は不要 |
| 移行作業をした月のサービス提供分 | 移行後に国保中央会運用LIFEへ提出が必要 |
| 問い合わせ先 | 国保中央会運用LIFEのヘルプデスク |
出所: 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1495」(前掲)別添の国保中央会運用LIFEへの移行に関するQ&A(問1から問5)に基づき編集部作成
たとえば2026年(令和8年)5月にサービスを提供した分は、移行後に6月10日までに利用者全員分を提出します。すでに厚生労働省運用LIFEを使っていた事業所は、移行作業を終えればそのまま利用でき、新しく利用申請をする必要はありません。
提出のもとになる日々の記録の残し方は変わらないため、確認しておくのは自事業所の移行作業が完了しているかどうかです。
科学的介護に取り組むと現場で何が変わるか
科学的介護に取り組むと、ケアの経過を数値で示せるようになり、家族や多職種への説明に使えます。もう一つの変化は、LIFEから返るフィードバックで自施設の状況を全国の傾向と見比べられることです。どちらも加算の算定とは別に得られる変化です。
ケアの根拠を家族や多職種へ説明できる
状態が落ち着いていることを伝える場面でも、体重・食事摂取量・ADLの点数がそろっていれば、どこが維持できていてどこが下がっているかを具体的に示せます。家族への説明、サービス担当者会議での多職種との共有、運営指導での説明のいずれも、同じ記録が根拠になります。
数値で示せるようになるのは、評価の時点と項目がそろうからです。提出のために整えた記録が、そのまま説明の材料になります。
全国の傾向と自施設を比べられる
LIFEには、加算を算定している事業所から提出されたデータが集まっています。科学的介護推進体制加算に入力されたADL(Barthel Index)の変化は、次のような傾向です。
| サービス種別(観察期間) | 改善 | 維持 | 悪化 |
|---|---|---|---|
| 通所介護(6か月間) | 6.4% | 77.9% | 15.7% |
| 介護老人福祉施設(6か月間) | 7.4% | 70.8% | 21.8% |
| 通所介護(12か月間) | 8.8% | 67.4% | 23.7% |
出所: 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3(前掲)に基づき編集部作成。対象期間は2024年3月から2025年10月まで
この数値は加算を算定している事業所から提出されたデータの全国傾向であり、科学的介護に取り組んだ効果を示すものではありません。自施設の数値をこの傾向と並べると、維持できている割合が高いのか低いのかを見る手がかりになります。比べるときは、自施設と同じサービス種別・同じ観察期間の行と並べます。
一方で、事業所フィードバックのうち介護ケアの向上のために見ているグラフとして最も多いのは、要介護度に関するもので約4割です(前掲の社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。フィードバックが届いていても、どの項目を見てケアの検討に使うかは事業所によってさまざまです。フィードバックは見て終わりにせず、次の会議で扱う項目をあらかじめ決めておきます。
提出がそろうかどうかを決めるのは日々の記録の残し方
加算の提出が毎回そろうかどうかは、4分野の情報が日々の記録として1か所に残っているかで決まります。LIFE関連加算を算定している事業所のうち65.1%は全業務で介護ソフトを使い、29.5%は一部の業務で使っています(社会保障審議会介護給付費分科会(第264回)資料3)。
介護ソフトはすでに広く使われています。それでも提出がそろうかどうかは別の話です。要件は事業所や施設のすべての利用者等について情報を提出することであり、提出できない月からは利用者全員について算定できません(前掲の老健局老人保健課長通知)。
だから、記録システムを見るときに先に確かめるのは「LIFEに対応しているか」ではありません。ADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況が毎日の記録として1か所に残り、入力されていない項目がその場でわかるかどうかです。
記録と共有のデジタル化を進める順番については介護ICTとは?導入メリット・進め方まで解説もあわせて確認してください。提出がそろわない原因は、対応ソフトの有無よりも、4分野が別々の場所に残っていることにあります。
LIFEに出す4分野を日々の記録から整えるならCareBase(ケアベース)
記録システムは、LIFEに出す4分野を日々の入力でそのまま残せるかどうかで選びます。あわせて確認するのは、未入力の項目を利用者ごとに見つけられること、期間や利用者ごとにデータを取り出せること、提出方法に合わせて元データを出せることの3点です。
記録システムを選ぶときに確認する4点
確認するのは次の4点です。
- LIFEに出す4分野を日々の入力でそのまま残せるか——提出の対象は利用者全員です。一部の利用者だけ別の用紙に残っている状態では、提出のたびに集め直すことになります。
- 未入力の項目を利用者ごとに見つけられるか——提出できない月が出ると利用者全員について算定できないため、提出日の前ではなく日々の記録の段階で気づけるかどうかが分かれ目です。
- 期間・利用者・カテゴリ別にデータを取り出せるか——フィードバックと自施設の記録を並べて会議で使うには、必要な範囲だけを取り出せることが前提になります。
- LIFEへの提出方法に合わせて様式情報の元データを出せるか——提出は画面入力かCSV連携で行います。画面へ転記しやすい形で表示できるか、取り込めるファイル形式で出力できるかが確認点です。
紙の記録や個人のメモ、表計算での運用でも提出はできます。ただし3か月ごとに、利用者全員分の4分野がそろっているかを一人ひとり突き合わせる確認が必要です。利用者数が増えるほど、この確認にかかる時間は延びます。
CareBase(ケアベース)が担う範囲と向いている施設
CareBase(ケアベース)は、介護記録・申し送り・教育をクラウドで一元化するサービスです。バイタル(体温・脈拍・血圧・呼吸・SpO2)、排泄・食事・入浴・服薬・口腔ケアなどの基礎介助、身長・体重を記録できます。利用者情報としてADL・ケアプラン・既往歴・服薬情報も同じ画面に持ちます。1点目の4分野は、この範囲でそろいます。
未入力の項目は未記録管理機能で利用者ごとに表示され、一度入力した内容は関連する記録へ自動で転記される仕組みです。ダッシュボードでは期間・利用者・カテゴリ別にデータを出力でき、記録項目は運用ルールに合わせてカスタマイズできます。
様式情報の提出そのものは国保中央会運用LIFE上で行うため、CareBase(ケアベース)が担うのは提出の元になる記録を整える部分です。他システムや紙の記録からの移行時は、CSVでのデータ整理・移行に対応しています。LIFEへのCSV連携の可否など提出方法との接続は、個別に確認してください。
初期設定や運用設計の相談から導入後の活用支援まで対応します。入力はパソコン・タブレット・スマートフォンから行えます。料金は記録システムが1施設あたり月額30,000円、マニュアルと記録を合わせたプランが月額45,000円です。
向いているのは、ADLやバイタルは紙の記録用紙に、口腔ケアの実施は申し送りノートに、というように記録の置き場所が分かれている施設です。提出月の前に全員分を毎回追いかけている施設も当てはまります。
4分野の記録を1か所にまとめたい方は
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科学的介護についてよくある質問
訪問介護でもLIFEへのデータ提出は必要ですか?
科学的介護推進体制加算の提出情報を定めた通知が対象として挙げているのは、通所サービス・居住サービス・多機能サービスと施設サービスで、訪問介護は挙げられていません。厚生労働省の検討会のとりまとめでも、訪問系・通所系のサービスは1人の利用者に複数の事業所が関わることや小規模な事業所が多いことを踏まえ、令和9年度介護報酬改定に向けたLIFE関連加算の新たな導入は慎重に検討すべきとされています。個別のサービス種別での算定可否は、所管の市町村・都道府県へ確認してください。
デイサービス(通所介護)でも科学的介護推進体制加算は算定できますか?
算定できます。通所介護の科学的介護推進体制加算は1月につき40単位で、提出に使うのは別紙様式1(科学的介護推進に関する評価(通所・居住サービス))です。施設サービスのような(Ⅰ)(Ⅱ)の区分は設けられていません。提出の対象は、その事業所を利用している利用者全員になります。
LIFEを利用するにはどんなIDが必要ですか?
国民健康保険団体連合会が提供する電子請求受付システム(介護)のID・パスワードが必要です。あわせて、同システム上でセキュリティ用のメールアドレスと電子証明書を設定します。操作方法は国保中央会運用LIFEの操作マニュアルとよくあるご質問で確認でき、加算の要件や様式についての質問は該当する保険者へ問い合わせます(前掲の厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」)。
科学的介護推進体制加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できますか?
同時には算定できません。指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準では、いずれかの加算を算定している場合には、その他の加算は算定しないと定められています。(Ⅱ)は(Ⅰ)の提出情報に「総論」の診断名と服薬情報を加えたもので、単位数は1月につき50単位です。
CareBase(ケアベース)では、LIFEに提出する記録項目を日々の記録として管理できますか?
管理できます。バイタル・基礎介助・身長体重に加え、利用者情報としてADL・ケアプラン・既往歴・服薬情報を利用者ごとに記録でき、未記録管理機能で入力していない項目を表示します。記録項目は、業務内容や運用ルールに合わせてカスタマイズが可能です。提出の元になる記録をどこまで整えられるかは、サービス資料で対応範囲を確かめてください。
まとめ
科学的介護とは、日々の記録をLIFEへ提出し、返ってきた結果でケアを見直す進め方です。記録がそろえば加算の要件を満たせますが、提出が1人分でも欠けた月からは利用者全員について算定できません。まずは、ADL値・栄養状態・口腔機能・認知症の状況が今どの記録に残っているかの洗い出しからです。
4分野が別々の場所に残っている施設では、記録を1か所に集めて未入力を表示できるCareBase(ケアベース)が選択肢になります。提出月の前に全員分を追いかける確認がなくなれば、その時間をフィードバックの読み合わせや次の計画づくりに充てられます。
提出月の前の確認作業を減らしたい方は
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介護ソフトの導入や見直しをご検討中の方は、まずは情報収集から始めてみませんか。
carebase(ケアベース)では、現場に定着する介護記録システムとして、多くの事業所でご活用いただいています。
費用や機能、導入事例について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
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