2026.9.15
介護のPDCAサイクルとは?厚労省が示す6手順と現場の事例3つ
介護のPDCAサイクルとは、目標と計画・実行と記録・記録での評価・計画の見直しを繰り返す改善の型です。厚生労働省は改善活動を6つの手順で示し、手順3をPlan、手順4をDo、手順5をCheck、手順6をActionと位置づけています(厚生労働省)。改善活動の進め方を、着手の順番と振り返りの周期にそって施設の場面へ当てはめて整理します。
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介護のPDCAサイクルとは|Plan・Do・Check・Actionは現場の何に当たるか
4段階は日々の記録と結びつけると回り始めます(出所: 厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」に基づき編集部作成)
介護のPDCAサイクルとは、目標と計画を立て、計画どおりに実行して記録し、その記録で結果を確かめ、次の計画を直す——この4つの繰り返しです。介護では、日々つけている記録がそのままCheckの材料になります。取組の前と後で同じ項目が残っていれば、変化を数字で比べられるからです。
介護のPDCAが回る単位は2つあります。1つは利用者ごとのケア計画を見直す単位、もう1つは事業所の業務改善を進める単位です。本記事の軸は、厚生労働省が手順を公式に示している後者です。ケア計画の単位は、国のシステムへデータを提出してフィードバックを受け取る場面で取り上げます。
Plan・Do・Check・Actionは介護業務のどこに当たるか
業務改善の単位で見ると、4つの段階はそれぞれ次の作業に当たります。
| 段階 | 業務改善でやること | 手元に残るもの |
|---|---|---|
| Plan(計画) | 改善する業務と目標、担当、期限を決める | 実行計画・進捗管理シート |
| Do(実行) | 決めた手順で実施し、実施内容を記録する | 介護記録・業務時間の記録 |
| Check(評価) | 取組の前と後を同じ項目で比べる | 前後比較の集計 |
| Action(改善) | うまくいった点といかない点を分けて手順を直す | 改訂した手順書・次の計画 |
たとえば「入浴介助にかかる時間を短くする」を目標に置いた場合、Planで決めるのは対象のフロアと目標時間、担当者、3か月後の振り返り日です。Doでは決めた手順で介助し、開始と終了の時刻を記録に残します。Checkで比べるのは、取組前後それぞれ1か月の平均時間です。Actionでは、短くなった手順を手順書へ反映し、変わらなかった手順は原因を分けて次の計画に回します。
日々の介護記録がCheckの材料になる
記録は、残すこと自体が目的ではありません。比べられる形で残ってはじめてCheckの材料になります。厚生労働省が示す手順2「見える化」で使うのは、課題を洗い出す課題把握シートと、業務にかかる時間を数字で把握する業務時間見える化ツールです。取組の前に時間や件数を数えておけば、3か月後に同じ項目で比べられます。
逆に記録の書き方が職員ごとにばらつくと、同じ項目のはずの数字がそろわず、比較の前に確認作業が発生します。記録の残し方は介護記録の書き方にまとめました。
厚生労働省が示す改善活動の6手順とPDCAの位置
Planの前に準備と見える化を置くと、3か月後に比べる材料が残ります(出所: 厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」改善活動の標準的なステップに基づき編集部作成)
厚生労働省は改善活動を6つの手順で示し、手順3をPlan、手順4をDo、手順5をCheck、手順6をActionと位置づけています(厚生労働省)。PDCAの前に置かれているのは、手順1の準備と手順2の見える化です。計画を書く前に、チームを決めて課題を数字にする段階があります。
| 手順 | PDCAの位置 | 手順の中身 |
|---|---|---|
| 1. 準備 | Planの前 | プロジェクトチームとリーダーを決め、経営層が取組開始を宣言する |
| 2. 見える化 | Planの前 | 課題把握シートで課題を洗い出し、業務時間見える化ツールで業務を数字にする |
| 3. 計画 | Plan | 優先する課題を絞り、取組内容と役割を決めて3か月程度の計画を立てる |
| 4. 実行 | Do | まず取り組み、小さな成功を積み重ねながら試行錯誤する |
| 5. 検証 | Check | 途中経過を把握して軌道修正し、取組の成果を検証する |
| 6. 改善 | Action | うまくいった点といかない点を分析し、1年を目安に次の計画を練り直す |
1. 準備|プロジェクトチームを立ち上げて取組開始を宣言する
最初にやることは、改善活動に取り組むプロジェクトチームを立ち上げ、リーダーを決めることです。あわせて、経営層から事業所全体へ取組の開始を宣言します。誰が旗を振るのかが決まっていないと、通常業務の合間の作業として扱われ、着手は先送りになりがちです。
厚生労働省のポータルサイトには、背景を理解して取組の意欲を高めるe-ラーニングツールも用意されています。チームの顔ぶれが決まった段階で全員が同じ説明を受けておけば、後の議論を前提の確認から始めずに済みます。
2. 見える化|課題把握シートと業務時間見える化ツールで課題を洗い出す
次に、課題を見える形にして、取り組む課題を洗い出す段階です。課題把握シートで現場の困りごとを書き出し、業務時間見える化ツールで業務にかかる時間を数字で把握します。
この段階で数えた数字が、そのままCheckの比較対象になります。逆に、ここを飛ばして計画から書き始めると、3か月後に「良くなった気がする」以上のことが言えません。洗い出しの具体的な進め方は介護の無駄な業務を洗い出す手順にまとめました。
3. 計画|課題を絞り込み、3か月程度の実行計画を立てる
洗い出した課題のうち、まず解決する課題を絞り込みます。課題分析シートを使ってチームで意見交換を行い、優先して取り組む課題を決めたうえで、改善方針シートに取組内容と職員の役割を書き出す流れです。
計画は、進捗管理シートを使って3か月程度の取組期間を目安に立てます。3か月という区切りがあるため、目標には「3か月後に何を見れば達成と言えるか」まで書き込む細かさが必要です。目標の書き方は介護施設の目標具体例が参考になります。
4. 実行|小さな成功をつくりながら試行錯誤する
実行の段階でやることは、まずとにかく取り組み、試行錯誤を繰り返すことです。厚生労働省も、大きな成功は小さな成功の積み重ねから生まれるとして、小さな成功事例を先に作り出すことを挙げています。
全フロアで一斉に始めるより、1ユニットや1つの業務に絞って始めるほうが、うまくいかなかったときの戻し方も簡単です。この段階では、実施した内容と日付を記録に残すことだけを全員の共通ルールにします。
5. 検証|途中経過を把握し、取組の成果を検証する
Checkは、期間の最後だけに行うものではありません。厚生労働省の手順5では、取組の途中経過を把握し、ゴールの達成に必要な軌道修正を図ったうえで、取組の成果を検証すると示されています。
3か月の期間中に一度は途中経過を見る前提のため、開始から6週間程度で中間の確認日を置くと、残りの期間で手を打てます。確認するのは、手順2で数えた項目と同じ項目です。項目を途中で変えると、前後の比較ができません。
6. 改善|うまくいった点といかない点を分析し、計画を練り直す
最後に、うまくいった点とうまくいかなかった点を分けて分析します。そのうえで検討するのは、優先度が低いと判断した課題も含めた、次に取り組む改善活動です。
厚生労働省が示しているのは、実行計画の取組期間(3か月を目安)を含めて1年を目安にPDCAサイクルを回し、改善活動を継続させる形です。3か月の計画を4回分つないで1年にする並びで予定を組むと、次の計画を立てる時期が先に決まります。手順1と2を飛ばして計画から書き始めると、Checkで比べる数字が手元にないまま3か月が過ぎます。
介護のPDCAサイクルの事例|現場で使われている3つの場面
介護現場でPDCAサイクルが使われているのは、次の3つの場面です。事故やヒヤリハットの再発防止、記録と申し送りの見直し、そしてLIFE(科学的介護情報システム)のフィードバックを使ったケアの見直しです。LIFEは、ADL(日常生活動作)や口腔の健康状態などのデータを国へ提出すると、分析結果が返ってくる仕組みです。いずれの場面も、件数や時間として数えられるものを指標に置けます。
1. 事故・ヒヤリハットの再発防止をPDCAで回す
発生した事故やヒヤリハットの記録を集め(Do)、要因を分析し(Check)、対策を実行して手順書を更新する(Action・Plan)という流れです。介護報酬には、業務改善の取組を続けている事業所を評価する加算があります。生産性向上推進体制加算とは、委員会の開催や改善活動の継続などを条件に算定できる加算です。
この加算で開く委員会の検討事項にも、「介護機器の使用に起因する介護事故又はヒヤリ・ハット事例の状況を把握し、その原因を分析して再発防止策を検討」することが含まれています(厚生労働省)。報告件数だけを指標にすると、増えたのが取組の効果なのか報告の習慣が根づいた結果なのかを分けられません。件数とあわせて、同じ場面の再発が減ったかを見ます。報告書の記入例は介護のヒヤリハット事例集と報告書の書き方で扱っています。
2. 記録と申し送りの見直しをPDCAで回す
指標に置きやすいのは、申し送りにかかる時間と、伝達漏れの件数です。どちらも前後の比較がその場で取れます。Planで様式や共有方法をどう変えるかを決め、Doで新しいやり方に切り替え、Checkで取組前の1週間と取組後の1週間を同じ数え方で比べます。
時間は分単位、伝達漏れは件数で数えられるため、最初の1テーマとして選びやすい場面です。Actionでは、短縮できた時間をどの業務に回すかまで決めておくと、次の計画につながります。
記録と申し送りの見直しを続けたい方は
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3. LIFEのフィードバックでケア内容を見直す
利用者ごとのケア計画を見直す単位のPDCAは、厚生労働省の資料で4段階として示されています。計画にあたるのが目標の設定と計画の作成、実行にあたるのが計画等に基づいたケアの実施です。評価では利用者および施設・事業所の変化を確認し(LIFEへのデータ登録とフィードバックの確認)、改善ではフィードバックと計画書等の情報を組み合わせて取組の評価や見直しを実施します(厚生労働省)。
返ってくるフィードバックの例は、利用者や事業所のBMI等を時系列で見るグラフと、事業所のADL平均値が都道府県内の事業所と比べてどの位置にあるかを示すグラフです。自施設の数字だけでは変化の大小を判断しにくいため、都道府県内での位置は目標値を決めるときの手がかりになります。
ただし、フィードバックの中には現場であまり使われていない機能もあります。利用者の状況把握に有用と感じる層別化項目を尋ねた調査では、居住系等で「層別化機能は使っていない」という回答が42.7%を占めました(厚生労働省)。届いたデータのどのグラフを見るかは、事業所側で先に決めておく必要があります。
PDCAを当てはめられる業務は、この3つに限りません。他の改善テーマの取組は介護の業務改善事例もあわせて確認してください。
PDCAサイクルが途中で止まる4つの原因
PDCAが途中で止まるのは、意欲や人手より先に、結果を確かめる材料がそろっていないことが原因になります。止まりやすいのはCheckの段階で、直す対象は目標の書き方、記録の置き場所、振り返りの担当と期限、委員会の議題の4つです。
1. 目標が達成状況を測れない形になっている
「記録の質を上げる」という目標では、3か月後に何を見れば達成と言えるのかが決まりません。数えられる対象が入っていない目標はCheckの段階で判定できず、振り返りが感想の交換に終わるからです。
「記録の質を上げる」を「未記録の項目を月末時点でゼロにする」と書き換えれば、達成の可否は月末の一覧を見るだけで判定できます。目標文の後ろに「何を・どの記録から・いつ数えるか」を1行足すと、その目標はCheckで使える形になります。
2. 記録が紙とExcelに分散して比較できない
前後を比べるには、同じ項目が同じ形式で残っていることが前提です。紙の記録、Excelの集計表、個人のメモに情報が分かれていると、比較のたびに転記と突き合わせが発生し、集計そのものが新しい仕事です。振り返りの当日までに数字がそろわず、次回へ持ち越す形で止まります。
直し方は、すべての記録を一度に作り替えることではありません。取組の前後で比べる項目だけを1つの様式に寄せ、置き場所を1か所に決めるところから始められます。電子化の費用と法的要件は介護記録の電子化で詳しく解説しています。
3. 振り返りの担当と期限が決まっていない
誰がいつまでに何を集めるかが決まっていなければ、Checkは「時間ができたら」の位置に置かれたままです。LIFEのフィードバックが届いていても、見る手順と担当が決まっていなければ、Checkの材料にはなりません。実行計画に「誰が・いつまでに・どの記録を集めるか」を担当者名と期日で書き込むと、振り返りの日に材料がそろいます。
4. 委員会が報告の場になっている
委員会を開くこと自体が目的になると、報告を聞いて終わり、次に何を変えるかが決まりません。事故防止委員会(事故の発生防止と再発防止を検討する施設内の会議体)と同じで、議題の立て方で会議の中身が決まります。
厚生労働省は、加算を算定しない場合も、各事業所の状況を踏まえて適切な開催頻度を検討し、開催が形だけにならないよう留意することを求めています。加算を算定する場合の委員会には、管理者だけでなく、ケアを行う職員やユニットリーダー等の参画が必要です。議題を「報告」から「前回決めた対策の結果と、次に変えること」に置き換えると、委員会がActionの場になります。止まった箇所を後から探すより、実行計画に測り方・置き場所・担当と期限・議題の4つを先に書き込むほうが、立て直しは早く済みます。
PDCAサイクルが要件になる加算|生産性向上推進体制加算とLIFE関連加算
生産性向上推進体制加算の委員会と効果データの周期を予定表に先に入れると、算定の条件を満たせます(出所: 厚生労働省「生産性向上推進体制加算について(説明資料)」に基づき編集部作成)
生産性向上推進体制加算とLIFE関連加算に共通するのは、改善のサイクルを回していることを算定の条件にしている点です。生産性向上推進体制加算(Ⅱ)では、委員会の開催とガイドラインに基づいた改善活動の継続、1年以内ごとに1回の効果データの提供が求められます(厚生労働省)。
2つの加算は、対象、PDCAに関する要件、頻度と周期、データの提出先の4点で違います。同じ4点で並べると次のとおりです。
| 比べる点 | 生産性向上推進体制加算 | 科学的介護推進体制加算などLIFE関連加算 |
|---|---|---|
| 対象 | 短期入所系・居住系・多機能系・施設系サービス | LIFE関連加算は17種類。対象サービスは指定権者へ確認 |
| PDCAに関する要件 | 委員会の開催と、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動の継続 | LIFEへのデータ提出と、PDCAサイクルによるサービスの質向上に努めること |
| 頻度と周期 | 委員会は三月に一回以上、効果データの提供は1年以内ごとに1回 | 本記事では特定していない(提出時期は指定権者へ確認) |
| データの提出先 | 厚生労働省(電子申請・届出システム) | LIFE(令和8年5月11日から国保中央会運用LIFE) |
自施設が算定するLIFE関連加算の対象サービスとデータの提出時期は、指定権者(都道府県・市町村)へ確認してください。本記事で参照した厚生労働省の資料では、加算ごとの対象と提出時期までは特定できませんでした。
生産性向上推進体制加算|委員会の開催と年1回の効果データ提供
令和6年度に創設された加算で、単位数は(Ⅰ)が100単位/月、(Ⅱ)が10単位/月です。(Ⅱ)の要件は3つあります。1つ目は、委員会の開催や必要な安全対策を講じたうえで生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行うことです。2つ目は、見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入することです。3つ目は、1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータを提供することです。
加算を算定する場合、委員会は三月に一回以上開かなければなりません。委員会で検討する事項は次の4つです。
- 利用者の安全及びケアの質の確保
- 従業者の負担の軽減及び勤務状況への配慮
- 介護機器の定期的な点検
- 職員に対する研修
厚生労働省へ報告する項目は、利用者のQOL(生活の質)等の変化、総業務時間と超過勤務時間の変化、年次有給休暇の取得状況の変化の3つです。導入した機器は、取組を三月以上継続したうえで導入前後の状況を比較する形が示されています。
科学的介護推進体制加算などLIFE関連加算|データ提出とフィードバックの活用
科学的介護推進体制加算とは、LIFEへ利用者の状態などのデータを提出し、返ってきたフィードバックを活用してケアの質を高める取組を評価する加算です。厚生労働省の資料は、LIFE関連加算の要件をデータ提出とPDCAサイクルによる質向上への取組と示しています。LIFE関連加算は17種類あり、加算間で重複した提出項目もあります。
LIFEを利用している事業所は、令和7年4月時点で施設系サービスが約7割、通所・居住系サービスが約5割です。なお、LIFEは令和8年5月11日から公益社団法人国民健康保険中央会が運用する国保中央会運用LIFEへ移り、移行期間は令和8年7月31日に終了しました(厚生労働省)。8月以降の加算算定では、国保中央会運用LIFEでの様式情報の提出が必要です。
算定の可否や要件の適用は事業所ごとに異なるため、詳細は指定権者(都道府県・市町村)へ確認してください。導入する機器やソフトには補助の対象になるものもあり、補助の対象と申請の流れは介護ソフトの補助金が参考になります。加算が求めているのは取組を始めたという宣言ではなく、続けた記録と提出できるデータです。
記録・分析・改善を1年続けるためにそろえる3つの仕組み
PDCAを続ける形にするには、振り返りの日程、測る指標、会議体の3つを、取組を始める前に決めておきます。厚生労働省が示す改善活動では、実行計画の取組期間は3か月程度、全体は1年が目安です。この区切りに自施設の予定を合わせると、振り返りの日が先に決まります。
| 時期 | やること | 合わせる区切り |
|---|---|---|
| 取組開始(4月なら4月) | チームを決め、課題を数字にして3か月の実行計画を書く | 実行計画の取組期間は3か月程度 |
| 3か月後(6月末) | 1回目の振り返り。前後の数字を比べて手順を直す | 手順5 Check・手順6 Action |
| 3か月ごと | 委員会で実施状況を確認し、次に変えることを決める | 加算算定時は三月に一回以上 |
| 1年後(翌3月) | 1年分をまとめ、効果データを整理して次の計画を練り直す | 1年を目安に継続。効果データは1年以内ごとに1回 |
1. 制度側の区切りに振り返り日を合わせる
続ける周期は、自由に決めるものではありません。実行計画は3か月程度・全体は1年が目安とされ、加算を算定する場合の委員会は三月に一回以上、効果データの提供は1年以内ごとに1回と定められています。制度側に区切りがある以上、手元の振り返り日をそこへ合わせれば、報告のための集計を二重に行わずに済みます。
年度初めに取組を始めるなら、6月末に1回目の振り返り、9月末と12月末に委員会での確認、翌3月に1年分の整理という並びです。この4つの日付を先に予定表へ入れてから、実行計画の中身を書きます。
2. 報告項目3つから自施設で取れる指標を選ぶ
測る指標は、ゼロから考えなくても候補があります。厚生労働省へ報告する項目は、利用者のQOL等の変化、総業務時間と超過勤務時間の変化、年次有給休暇の取得状況の変化の3つです。この3つは、加算を算定しない施設でも指標の候補です。
3つのうち、自施設の記録からすぐ数えられるものを1つ選び、最初の3か月はその1つだけを追います。指標を3つ同時に置くと集計の負担は3倍になり、振り返りの前に数字がそろいません。
3. 既存の委員会と一体で運営する
会議体は、新しく作らなくても構いません。厚生労働省は、事務負担を軽くするため、他の会議(例: 事故発生の防止のための委員会等)と一体的に設置・運営することも可能としています。
既存の委員会に議題を1つ足す形が現実的です。参加者の調整と資料の準備が1回で済むためです。取組の分類ごとの中身は介護の生産性向上で詳しく解説しています。
記録・申し送り・教育のPDCAを回すなら CareBase(ケアベース)
記録の抜けと集計を画面側で拾うと、振り返りの前に集計をやり直す作業が減ります(出所: CareBase(ケアベース)のサービス仕様と導入施設1件の実測に基づき編集部作成)
振り返りの材料が毎回そろう形にできるかどうかで、PDCAが続くかどうかが決まります。材料の集め方を分けるのは、記録の抜けをどこで見つけるか、介護記録の集計を誰がするか、動画マニュアルの視聴データやアンケートの集計を誰がするかの3点です。
紙とExcelでも改善活動は回せますが、前後を比べるたびに転記と集計が発生します。記録と教育を別々のツールで運用する場合も、2つの系統を突き合わせる手間が残ります。同じ3点で3つの運用形態を並べると次のとおりです。
| 比べる点 | CareBase(ケアベース) | 記録と教育を別々のツール | 紙・Excel |
|---|---|---|---|
| 記録の抜けの見つけ方 | 未記録アラートと未確認リスト | ツールごとに確認 | 集計時に気づく |
| 介護記録の集計 | ダッシュボードで自動集計 | 担当者が2系統を照合 | 担当者が手集計 |
| 視聴データ・アンケートの集計 | サービス提供側が担当 | 施設側が担当 | 施設側が担当 |
記録の抜けと集計を画面側で拾う
CareBase(ケアベース)は、介護記録・申し送り・動画マニュアルによる教育をクラウドで一元化するサービスです。入力されていない項目を知らせる未記録アラートと、確認が必要な項目を整理する未確認リストが、記録の抜けを画面側で拾います。管理者ダッシュボードでは、記録状況・未記録項目・利用者別とスタッフ別の集計を一画面で表示し、CSV・PDFで出力できます。出力したデータは会議資料や改善計画にそのまま使えるため、振り返りの前に集計をやり直す手間がかかりません。
動画マニュアルの視聴データ集計はCareBase(ケアベース)側が担当する
動画マニュアルの運用は、キックオフから定着まで5ステップ・1テーマあたり約6週間で一巡します。ステップ5で視聴データと職員アンケートの集計・分析を担当するのはCareBase(ケアベース)側で、その結果を次のテーマへ反映します。動画マニュアルによる教育では、視聴データとアンケートの集計を誰が担当するかで、Checkを続けられるかどうかが変わります。導入した特別養護老人ホーム鷲宮苑(埼玉県久喜市・90床の従来型施設)では、朝の口頭申し送りが15〜30分から数分に短くなりました(公式サイト掲載の利用者の声)。動画マニュアルと申し送り画面を導入した1施設の前後の実測です。
記録が紙とExcelに分かれていて、前後比較の集計に毎回時間がかかっている施設や、振り返りの担当を決めきれていない施設に向きます。
記録状況を一画面で確認して振り返りたい方は
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介護のPDCAサイクルに関するよくある質問
SPDCAサイクルとPDCAサイクルは何が違いますか
SPDCAは、PDCAの前に調査(Survey)を置いたサイクルです。厚生労働省の通知は、リハビリテーションマネジメントについて「調査(Survey)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)(以下「SPDCA」という。)のサイクルの構築を通じて」質の高いリハビリテーションの提供を目指すものと示しています(厚生労働省 介護保険最新情報Vol.936)。事業所の業務改善でも、厚生労働省が示す6手順ではPlanの前に準備と見える化が置かれており、計画の前に現状を調べる段階がある点は共通します。
介護過程とPDCAサイクルは何が違いますか
介護過程は、利用者一人ひとりの情報収集と課題の分析から、計画・実施・評価までを進める考え方です。PDCAサイクルは、利用者へのケアにも事業所の業務改善にも当てはめられる改善の型で、対象の広さが異なります。両者は排他的なものではなく、介護過程の評価で見えた課題を、事業所の業務改善のPDCAに載せることもできます。
リスクマネジメントのPDCAと業務改善のPDCAは分けて回すべきですか
分けるかまとめるかは、会議体の設計しだいです。厚生労働省は、加算算定時の委員会について、他の会議(例: 事故発生の防止のための委員会等)と一体的に設置・運営することも可能としています。会議体を分ければ議題は絞れる一方、参加者の調整と資料の準備は2回分です。まとめる場合は、1回の議題に事故の再発防止と業務改善の両方を入れ、それぞれ前回決めた対策の結果を先に確認する順にすると、報告だけで終わりません。
CareBase(ケアベース)では、PDCAサイクルの振り返りに使うデータはどこまで自動で集まりますか
記録状況と教育の受講状況は自動で集まります。管理者ダッシュボードでは記録状況・未記録項目・利用者別とスタッフ別の集計を一画面で確認でき、CSV・PDFでの出力にも対応しています。未記録アラートと未確認リストが記録の抜けを拾い、動画マニュアルの視聴データと職員アンケートの集計・分析はCareBase(ケアベース)側の担当です。対応できる範囲と画面の内容は、サービス資料で確認できます。
まとめ
介護のPDCAサイクルは、厚生労働省が示す6手順に沿って着手し、3か月ごとに振り返る形にすると続きます。手順と周期は公的に示されていますが、何を測るか、記録をどこに置くかは施設ごとの判断です。まず測る指標を1つ決め、3か月後の振り返り日を予定表に入れてください。
記録・申し送り・教育を1つのクラウドにまとめるCareBase(ケアベース)は、1ユニットや一部フロアからのスモールスタートができ、既存の記録ソフトとの並行運用もできます。最初の1テーマだけを回して確かめたい施設に向く進め方です。
3か月ごとの振り返りを仕組みにしたい方は
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介護ソフトの導入や見直しをご検討中の方は、まずは情報収集から始めてみませんか。
carebase(ケアベース)では、現場に定着する介護記録システムとして、多くの事業所でご活用いただいています。
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