2026.10.26
介護の見守りカメラに補助金・助成金は使える?1台30万円まで補助される条件
「見守りカメラに使える補助金・助成金はどれで、1台いくらまで出るのか」は、見守り機器の導入を決める前に施設が確かめておく問いです。介護施設の見守りカメラなど見守り機器は、都道府県が公募する介護テクノロジー導入支援事業で1台30万円を基準額に補助を受けられます。この記事では、令和8年度の補助率と受付状況、対象になる機器の条件、施設に求められる生産性向上委員会、申請から3年間の効果報告までを説明します。あわせて、その間の記録と職員教育の整え方も紹介します。
見守り機器の導入に合わせて記録と職員教育を整えたい方は
CareBase(ケアベース)のサービス資料をダウンロード
介護の見守りカメラに使える補助金・助成金は都道府県の介護テクノロジー導入支援事業
見守りカメラを含む見守り機器の導入費は、都道府県が公募する介護テクノロジー導入支援事業の補助対象です。令和8年度は、令和7年度からの繰越分として国の介護テクノロジー定着支援事業も並行して行われ、どちらも都道府県が公募します。その令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱は、業務時間の削減効果が確認されている機器として見守り機器・介護記録ソフト・インカムを挙げ、集中的に支援するとしています。都道府県が補助する事業所を選ぶ方針でも、見守り機器を優先するよう求めています。
TAIS(福祉用具情報システム)で「介護テクノロジー」に選ばれた見守りカメラなら、国の要綱が優先して補助する見守り機器に入ります。申請の窓口は都道府県なので、まず所在地の都道府県が令和8年度にどの事業名で公募しているかを確かめてください。
国が要綱で枠組みを決め、都道府県が公募する
介護テクノロジー導入支援事業は、介護ロボットやICT(情報通信技術)機器を入れる費用の一部を都道府県が補助する事業です。財源は都道府県ごとに設けられた基金(地域医療介護総合確保基金)で、国はこの基金で行う事業の要綱を示し、実施主体を都道府県と定めています(介護テクノロジー導入支援事業実施要綱)。
対象は、介護保険法に基づくサービスを提供する事業所で、訪問介護事業所や居宅介護支援事業所も含まれます。老人福祉法に基づく養護老人ホームと軽費老人ホームも対象です。特別養護老人ホームのような入所施設だけの制度ではないため、在宅系の事業所も見守り機器を入れる計画があれば候補になります。介護ソフトなど見守り機器以外の区分や事業全体の仕組みは、介護テクノロジー導入支援事業の全体像で詳しく解説しています。
令和8年度は「導入支援」と「定着支援」の2事業が並行
令和8年度は、国の事業が2本並んでいます。1本は基金で行う介護テクノロジー導入支援事業で、確認できた最新の国の要綱は令和7年度版です。もう1本は、令和7年度からの繰越分として実施する介護テクノロジー定着支援事業(以下、定着支援事業)です。定着支援事業の要綱は、基金の導入支援事業など他の補助で助成された経費を対象外としているため、同じ機器の費用に両方を使うことはできません。
都道府県の公募では事業名が分かれます。大阪府は「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」の名称で、定着支援事業の要綱を根拠に補助率を5分の4としています。埼玉県は「介護テクノロジー定着支援事業」、北海道は「介護テクノロジー導入支援事業費補助金」の名称で公募しました。東京都は、都福祉局のページで「次世代介護機器導入促進支援事業」を案内しています。事業名だけでは国のどちらの事業に当たるかを判別できないため、所在地の都道府県のページで根拠の要綱と補助率を確かめます。
令和8年度の受付は、大阪府・埼玉県・北海道ではいずれも7〜9月に締め切られています。締切は、大阪府の事前エントリーが7月13日まで、埼玉県の事前協議が7月22日、北海道の事前登録が8月31日までです。補助率5分の4は令和7年度からの繰越分である定着支援事業の値のため、来年度の事業名と補助率は、所在地の都道府県の次の公募で確かめます。
見守り機器の補助は1台30万円まで、補助率は定着支援事業なら5分の4
見守り機器1台の補助は、購入額に補助率を掛けた額と30万円を比べた少ないほうになります。補助率は定着支援事業なら5分の4です(令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱)。基金の導入支援事業では、4分の3か2分の1を下限に都道府県が補助率を決めます。
補助額は「実支出額×補助率」と基準額の少ないほう
定着支援事業の要綱では、まず実際に支払った額(実支出額)に補助率5分の4を掛けます。その額と区分ごとの基準額(補助の上限として要綱が決めた金額)を比べ、少ないほうが補助額になります。見守り機器は基準額の表で移乗支援・入浴支援・インカム・介護ソフト以外の「上記以外」の区分に入り、1台30万円です。台数が増えると、基準額も「30万円×台数」で増えます。ただし、補助の対象にできる台数や1事業所あたりの上限額は、都道府県が決める場合があります。前掲の介護テクノロジー導入支援事業実施要綱は、1回あたりの限度台数を都道府県が必要と認める台数としています。沖縄県の令和8年度の公募は、見守り機器を利用定員数の5割まで、単体導入の上限額を1事業所あたり500万円としています。
| No | 1台の価格 | 台数 | 実支出額 | 実支出額×5分の4 | 基準額(30万円×台数) | 補助額(少ないほう) | 自己負担 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 20万円 | 5台 | 100万円 | 80万円 | 150万円 | 80万円 | 20万円 |
| 2 | 45万円 | 5台 | 225万円 | 180万円 | 150万円 | 150万円 | 75万円 |
補助率5分の4・基準額1台30万円を2つの見積に当てはめた算定例(出所: 令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱の補助額の算定方法に基づき編集部作成)
1台の価格が37.5万円を超えると、5分の4を掛けても30万円の基準額で頭打ちになります(30万円÷0.8=37.5万円)。たとえば1台45万円の機器なら、補助は1台30万円にとどまり、1台15万円が施設の負担です。価格の高い機器ほど自己負担の割合が上がるため、見積を比べるときは補助後の負担額で並べると判断しやすくなります。大阪府の交付要綱のように、算出した額の千円未満を切り捨てる県もあります。
補助率は定着支援事業で5分の4、導入支援事業は4分の3か2分の1が下限
補助率は、事業ごとに決まり方が違います。定着支援事業は5分の4で固定です。基金の導入支援事業では、都道府県が補助率を設定します。その下限は、入所・泊まり・居住系のサービスが次の3つの要件を満たす場合は4分の3、それ以外の事業所は2分の1です(前掲の介護テクノロジー導入支援事業実施要綱)。
- 見守りセンサー、インカム・スマートフォン等のICT機器、介護記録ソフトの3点を活用している
- 従前の介護職員等の人員体制の効率化を行っている
- 利用者のケアの質の維持・向上や、職員の休憩時間の確保等の負担軽減に資する取組を予定している
| No | 事業 | 見守り機器の補助率 | 見守り機器の基準額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 定着支援事業(令和8年度・繰越分) | 5分の4 | 1台30万円 |
| 2 | 導入支援事業(基金・令和7年度要綱) | 上記3要件を満たす入所・泊まり・居住系は4分の3を下限、それ以外は2分の1を下限に都道府県が設定 | 1台30万円(移乗支援・入浴支援以外の介護ロボット) |
見守り機器に当てはまる2事業の補助率と基準額(出所: 令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱・介護テクノロジー導入支援事業実施要綱に基づき編集部作成)
同じ見積でも、自県がどちらの要綱で公募しているかで補助額が変わります。1台20万円×5台(実支出額100万円)なら、5分の4で80万円、下限どおりの4分の3で75万円、2分の1で50万円です。
見守り機器と記録ソフトなどを組み合わせるパッケージ型は400万〜1,000万円の範囲
複数の機器をまとめて入れる場合は、パッケージ型(複数の機器を組み合わせて一体で導入する区分)の基準額を使えます。定着支援事業の要綱は、組み合わせの例として「介護業務支援」に該当する機器と「見守り・コミュニケーション」に該当する機器の組み合わせなどを挙げ、基準額を400万円以上1,000万円以下の範囲で都道府県が設定するとしています。
見守り機器だけを入れる場合は1台30万円の区分で、インカムや介護ソフトと同時に入れる場合はパッケージ型も候補になります。どちらで申請するかによって上限の決まり方が変わるため、機器の組み合わせが決まった段階で都道府県の公募要領の区分表に当てはめてください。介護ソフト側の補助は、介護ソフトに使える補助金・助成金にまとめました。
Wi-Fi工事などの付帯経費は基準額の範囲内で対象
見守り機器を使うためのWi-Fi工事も、補助の対象です。定着支援事業の要綱は、主となる機器と併せて導入する場合に限って、付帯して必要な経費を対象にできるとしています。例に挙がっているのは、配線工事・ルーター・アクセスポイントなどのWi-Fi環境の整備と、機器と併せて導入するタブレット端末です。通信費は対象外です。基金の導入支援事業にも、パッケージ型の中に「見守り機器の導入に伴う通信環境整備」の区分があります。
ただし付帯経費を加える場合の基準額は、機器と付帯経費を合計したうえで「1台あたりの基準額×導入台数」で計算します。工事費が増えれば、機器に回る補助の枠はその分だけ小さくなる計算です。機器と工事費を合わせた見積額に補助率を掛けた額と、30万円に台数を掛けた額の小さいほうが補助額になります。
補助の対象はTAISで介護テクノロジーに選ばれた見守り機器が原則
補助の対象かどうかは、買う予定の見守り機器がTAIS(福祉用具情報システム)に介護テクノロジーとして載っているかで確かめます。TAISに載っていない機器は、同じ水準だと都道府県が判断した場合に限って対象になります。離床を感知して職員へ知らせる機能は、補助ではなく、生産性向上推進体制加算(見守り機器などを使って業務改善に取り組む施設の介護報酬に上乗せされる加算)の見守り機器に当たるかを見る項目です。
TAISで「介護テクノロジー」に選ばれた機器が原則
TAISは、福祉用具や介護機器の製品情報を集めたデータベースで、公益財団法人テクノエイド協会が提供するものです。定着支援事業の要綱は、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等を導入する経費を補助の対象にしています。TAISに掲載されていない機器は、申請ができていない等の理由で未掲載のもののうち、機能等が同水準だと実施主体の都道府県が判断した機器に限られます。
あわせて、販売価格が公表され一般に購入できる状態にある機器が対象で、開発に要する経費は対象になりません。大阪府も公募ページで、TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等は補助対象になると示しています。見積を依頼するときにメーカーや販売店へTAISへの掲載の有無を確かめておけば、事前エントリーの段階で対象外と分かる事態を避けられます。
加算も見据えるなら、離床を感知して職員へ知らせる機器を選ぶ
離床を感知して職員へ知らせる機器という見守り機器の定義は、生産性向上推進体制加算の通知である介護保険最新情報Vol.1236が定めるものです。通知は見守り機器を「利用者がベッドから離れようとしている状態又は離れたことを感知できるセンサーであり、当該センサーから得られた情報を外部通信機能により職員に通報できる」機器としています。
確かめる先は、補助がTAISへの掲載、加算が感知・通報の機能です。居室の様子を映すだけのカメラを選ぶ場合、補助の対象かどうかとは別に、加算の見守り機器に当たるかを確かめる必要があります。起き上がりを感知して職員のスマートフォンへ知らせる機器なら、定義の「感知」と「通報」の両方を製品の仕様に照らせます。加算の算定も考えている施設は、見積の段階で両方を満たす機器を選ぶと、補助と加算のために別々の機器をそろえずに済みます。見守り機器を転倒を防ぐ手順とつなげて考える場合は、転倒防止の対策もあわせて確認してください。
居室に置く前の説明と同意は加算の通知が定める運用
居室に見守り機器を置く前に利用者や家族へ説明し同意を得る手順は、前掲のVol.1236が加算の見守り機器について定める運用です。通知は、見守り機器を居室に設置する際には利用者のプライバシーに配慮する観点から、利用者または家族等に必要な説明を行い、同意を得ることとしています。利用者や家族の意向に応じて機器の使用を停止する運用も認めています。
加算(Ⅰ)では見守り機器を全ての居室に設置することが要件ですが、意向に応じた停止の扱いは同じ通知で示されています。補助の申請だけを考える場合も、カメラは居室での生活を映す機器です。説明の内容と同意の取り方を導入前に施設で決めておくと、家族から問い合わせを受けたときに全職員が同じ説明で答えられます。
施設系サービスは生産性向上委員会の設置が補助の条件
特別養護老人ホームなど施設系・居住系のサービスは、生産性向上委員会を置くことが補助を受ける条件です。正式には「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」といい、名称は問われません。定着支援事業と基金の導入支援事業の要綱は、どちらも同じ文言でこの委員会の設置を求めています。
補助要件として委員会を置く対象サービス
委員会の設置が補助要件になるのは、次のサービスです。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)・地域密着型介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設・介護医療院
- 短期入所生活介護・短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護
- 小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 上記に対応する介護予防サービス(短期入所・特定施設・小規模多機能・認知症対応型共同生活介護)
大阪府は「令和8年度中の委員会設置(※施設系サービスに限る)」を、北海道は令和8年度内の設置を、それぞれ補助要件に挙げています。介護サービスの事業所が守る人員・設備・運営のルール(運営基準)でも、令和6年度の介護報酬改定でこの委員会の設置が義務づけられ、3年間の経過措置(義務化までの猶予期間)が設けられました(令和6年度介護報酬改定における改定事項について)。経過措置の期限や自施設のサービスが対象になるかは、最新の基準を指定権者に確認してください。生産性向上委員会を含め、運営基準が施設に開催を定める5つの委員会とサービスごとの開催頻度は、介護施設の委員会の設置義務で一覧にしています。
生産性向上推進体制加算も委員会と見守り機器がそろって算定
生産性向上推進体制加算は、生産性向上委員会を開いて安全対策と業務改善に取り組むことと、見守り機器等のテクノロジーを導入することを要件に含む加算です(前掲の改定資料)。区分は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つで、どちらも業務改善の効果を示すデータを提出します。補助で見守り機器を入れて委員会を置けば、加算の要件のうち機器の導入と委員会の開催の2つに取りかかったことになります。区分ごとの要件と単位数は生産性向上推進体制加算の要件で詳しく解説しています。
見守り機器の効果は業務時間や残業のデータで確かめる
加算(Ⅱ)で提出するデータは3項目です(前掲の改定資料)。1つ目は利用者の生活の質の変化(WHO-5等の質問票で測る)です。残りの2つは、総業務時間とそのうちの超過勤務時間の変化と、年次有給休暇の取得状況の変化です。Vol.1236は、加算の要件に基づく取組を始めるに当たり、テクノロジー導入前の状況を調査する必要があるとしています。
見守り機器を入れた後で「導入前」の値を取り直すことはできません。加算を見据える施設は、機器を入れる前に職員の総業務時間・残業時間・有給休暇の取得状況を記録しておきましょう。その値が、導入後の変化を比べる起点です。
委員会で話し合うことと議事録に残すこと
介護保険最新情報Vol.1236は、委員会で次の4つを確認すると定めています。
| No | 確認すること | 通知が挙げる内容 |
|---|---|---|
| 1 | 利用者の安全とケアの質 | 見守り機器から得られる離床・睡眠・バイタルの情報で利用者の状態を確かめる/機器の活用方法の見直し/特に留意が必要な利用者の定時巡回の検討/機器に起因するヒヤリ・ハットの原因分析と再発防止策 |
| 2 | 職員の負担と勤務状況 | 心身の負担の増加の有無/負担が過度に増えている時間帯/休憩時間と時間外勤務の状況 |
| 3 | 機器の定期的な点検 | 時間を決めて不具合がないかを確かめる仕組み/メーカー等と連携した定期点検 |
| 4 | 職員研修 | 機器の使用方法の講習、ヒヤリ・ハット事例の周知と再発防止策の実習を含む研修を定期的に行う |
介護保険最新情報Vol.1236が委員会で確認するとした4項目の整理(出所: 介護保険最新情報Vol.1236に基づき編集部作成)
委員会には管理者だけでなく、ケアを行う職員やユニットリーダー等も参画し、テレビ電話装置等を使って開くことも可能です。議事録に4項目それぞれで確かめた事実と決めた対応を残しておくことが、次の回で前回の決定の進み具合を確かめる手がかりです。生産性向上委員会の議事録の記入例と議題例は、生産性向上委員会の議事録の記入例にまとめました。機器に起因するヒヤリ・ハットの記録は、ヒヤリハット報告書の書き方で例文とあわせて紹介しています。委員会は補助の要件・加算の要件・運営基準のいずれにも同じ名称で登場するため、1つの委員会を3つの目的で運営できます。
会議の録音から発言を文字に起こし(書き起こし)、話した人ごとに分け(話者分離)、要点をまとめる(要約)仕組みをAI議事録と呼びます。CareBase(ケアベース)AI議事録は、生産性向上委員会を含む会議の録音から、会議の種類ごとの様式に沿った議事録の下書きをAIが作るサービスです。下書きは職員が要約の各項目から根拠となる元の発言を開いて確かめ、修正して確定します。編集した人・日時・変更前後の内容は履歴に残り、確定した議事録は押印欄付きのPDFにして回覧する流れです。
職員が確定した議事録の画面。要約の各項目に「根拠」リンクが付き、書き起こし全文と操作履歴をタブで切り替えて確かめられる(出所: CareBase(ケアベース)AI議事録 製品画面)
委員会の議事録を元の発言まで確かめて残したい方は
CareBase(ケアベース)AI議事録の資料をダウンロード
申請から効果報告までの流れ
申請はセミナー受講と事前エントリーから始まり、交付申請・交付決定・導入・実績報告の順に進みます。補助を受けた施設は、翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を都道府県へ報告します。手順の名称と時期は都道府県ごとに異なるため、最新の要綱と日程は自県の公募ページで確かめてください。
事前協議(エントリー)から実績報告までの手順
大阪府の令和8年度の公募を例にすると、手順と時期は次のとおりです(大阪府 令和8年度介護テクノロジー導入支援事業補助金)。
| No | 手順 | 大阪府の令和8年度の時期 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | セミナー受講 | 5月21日 | 介護テクノロジー活用支援セミナーの受講または視聴が補助要件 |
| 2 | 事前エントリー | 5月25日〜7月13日 | 申請機器の見積書を添えて申し込む。総額が府の予算を上回ると抽選 |
| 3 | 結果発表 | 8月(予定) | 交付申請に進む事業所が決まる |
| 4 | 交付申請 | 結果発表後〜8月下旬(予定) | 導入計画書・業務改善計画・見積書の写し・機器のカタログ等を提出 |
| 5 | 交付決定 | 10月以降順次 | 府が補助の交付を決める |
| 6 | 導入・支払・実績報告 | 補助事業の完了後20日以内に報告 | 導入と支払を済ませ、実績を報告する |
| 7 | 効果報告 | 補助を受けた翌年度から3年間 | 業務改善計画に対する効果を都道府県へ報告 |
大阪府の令和8年度の公募に、定着支援事業の要綱が定める効果報告を加えた申請の流れ(出所: 大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」・令和8年度介護テクノロジー定着支援事業実施要綱に基づき編集部作成)
事前エントリーは、補助を希望する施設が都道府県へ先に申し出る手続き(事前協議)で、県によって呼び方が違います。交付決定は都道府県が補助を正式に決める通知、実績報告は導入と支払が済んだことを報告する手続きです。抽選や交付決定の時期は予算と応募の状況で動くため、申請中も公募ページの更新を確かめてください。
補助を受けた翌年度から3年間は効果を報告
定着支援事業の要綱は、補助を受ける事業所に業務改善計画(機器を使ってどの業務をどう改善するかをまとめた計画)の作成と都道府県への提出を求めています。作成と取組にあたっては、原則として都道府県の介護生産性向上総合相談センター(介護現場の生産性向上について相談を受ける都道府県の窓口)に相談するものとされています。コンサルティング会社等による業務改善支援か、相談センター等の研修受講などの支援を受けることも補助の要件で、メーカーや販売店による機器の操作説明はこの支援に数えません。
補助を受けた事業所は、翌年度から3年間、この計画に対する効果を都道府県へ報告します。科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集への協力と、厚生労働省等が行う効果検証事業への可能な限りの協力も、補助要件に挙げられています。見守り機器を入れた月から記録の取り方をそろえておくと、3年分の報告を同じ項目と基準で書けます。
契約・購入のタイミングは都道府県の要綱で異なる
いつ機器を契約・購入してよいかは、都道府県で扱いが分かれます。大阪府の交付要綱は、補助対象経費を「購入、リース等の契約日、支払日及び導入日が令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間の経費」とし、その間の経費であれば申請日以前の経費も対象にするとしています(大阪府 介護テクノロジー導入支援事業補助金交付要綱)。
一方、埼玉県は公募ページで「入札や契約については内示後にお問合せください」と案内しています。沖縄県の令和8年度の公募ページは、交付決定前に契約・購入・着手したものを原則として補助対象外としています。「交付決定の前に契約すると対象外」という説明は一律には当てはまらず、反対に、年度内なら先に契約してよいとも言い切れません。自県の要綱で補助対象経費の期間と契約の時期を定めた条項を読み、分からない点は申請前に担当課へ確認してください。
次年度の公募に向けて今そろえておくもの
大阪府・埼玉県・北海道では、令和8年度の受付が締め切られています。所在地の都道府県の公募ページで受付状況を確かめ、すでに締め切られていれば次年度の公募に向けて準備を始めます。次の4つは、公募が始まる前から用意できます。
- 生産性向上委員会: 施設系・居住系のサービスは設置が補助要件。開催の記録と議事録を残しておく
- 業務改善計画の素案: どの業務の時間を減らすかを決め、介護生産性向上総合相談センターに相談する
- SECURITY ACTIONの宣言: 情報処理推進機構(IPA)が実施する情報セキュリティ対策の自己宣言の制度で、定着支援事業の要綱は「一つ星」か「二つ星」の宣言を求めている
- 見積とカタログ: 候補の機器がTAISに掲載されているかを確かめ、事前エントリーで使う見積書を取っておく
公募期間は県ごとに短く区切られています。契約の時期は自県の要綱にある補助対象経費の期間で判断し、委員会・業務改善計画・見積は公募が始まる前にそろえておきます。
見守り機器を入れた後の記録と教育をそろえるならCareBase(ケアベース)
見守り機器の補助を生かす仕組みは、変わる手順を全職員へ同じ内容で伝え、委員会で確かめた記録を残せるかで選びます。補助を受けた後も委員会での確認と職員研修が続き、翌年度から3年間は効果の報告もあるため、導入した月からの記録と手順の伝え方が報告の材料になります。
記録と教育の仕組みを選ぶ基準は、次の3つです。
- 見守り機器で変わる巡回や対応の手順を、誰が教えても同じ内容で職員へ伝えられるか(Vol.1236が機器の使用方法の講習を含む職員研修を求めているため)
- 機器を入れた後の記録と申し送りを、同じ場所に残して共有できるか(委員会で利用者の状態を確かめ、効果を報告する材料になるため)
- 委員会で確かめた事項と決めた対応を、議事録として残せるか(次の回で前回の決定を確かめるため)
前掲のVol.1236は、テクノロジーの導入には利用者の状況や機能に応じた業務手順の変更と、変更した手順に基づく継続的な業務改善が必要だとしています。あわせて、現場の声として継続的な取組が難しいという課題もあると述べています。機器の費用は補助で下がっても、変えた手順を毎日の業務で続けるのは施設の職員です。口頭の引き継ぎや紙の手順書だけでは、勤務帯の違う職員に同じ内容が届いたかを後から確かめにくくなります。
CareBase(ケアベース)は100社以上が導入している介護施設向けのクラウドサービスで、バイタルチェックや日々の介護記録をスマホやタブレットで入力し、情報を自動で整理・共有します。動画や画像を使ったマニュアルは新人教育や業務の標準化に使え、動画制作オプションでは担当者が施設に撮影に伺い、1時間の撮影で1本の動画を撮影して編集まで行います。委員会の議事録には、CareBase(ケアベース)の機能の一部で単独でも導入できるAI議事録が使えます。録音からAIが下書きを作り、職員が確認して確定する仕組みです。
CareBase(ケアベース)は、見守り機器の補助を申請する段階で導入後の運用まで決めておくことを勧めています。決めておくのは、誰が何を記録し、委員会で何を確かめ、新しい手順をどの動画で伝えるかです。記録と動画マニュアルを同じ仕組みで扱えるため、手順を変えた後の記録と、変えた手順を伝える動画を別々に管理する必要がありません。だから、見守り機器を入れて巡回や記録のやり方を変える予定がある施設には、記録と教育を1つの仕組みでそろえる方法が合います。
具体的には、見守り機器の導入に合わせて巡回の回数や夜間の記録の書き方を変える予定がある施設や、新しい機器の使い方を勤務帯の違う職員にも同じ内容で伝えたい施設に向いています。動画マニュアルと記録を組み合わせる進め方は、動画マニュアルと記録の連携で具体的に紹介しています。
機器の新しい使い方を動画マニュアルで伝えたい方は
CareBase(ケアベース)のサービス資料を見る
介護の見守りカメラの補助金・助成金についてよくある質問
自宅で使う見守りカメラにも補助金・助成金は使える?
介護テクノロジー導入支援事業と定着支援事業は、介護保険法に基づくサービス事業所と、養護老人ホーム・軽費老人ホームを対象にしています。個人が自宅で使う見守りカメラは、この事業の対象になりません。在宅で使える公的な支援は、次の質問の介護保険の福祉用具貸与を含めて、担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険の窓口で確かめてください。
見守りカメラは介護保険でレンタルできる?
介護保険の福祉用具貸与に「カメラ」という種目はなく、近い種目は認知症老人徘徊感知機器です。厚生労働省の告示は、この機器を認知症の高齢者が屋外へ出ようとしたとき等にセンサーで感知し、家族や隣人等へ通報するものと定めています。要支援・要介護1の人は、一定の要件に該当する場合を除き原則として算定されません(厚生労働省 通信機能を備えた福祉用具について)。カメラ型の製品が当たるかは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確かめてください。
見守りセンサーやベッドセンサーも見守りカメラと同じ補助の対象?
TAISで「介護テクノロジー」に選定されていれば、ベッドセンサーなどの見守りセンサーもカメラと同じ区分で、定着支援事業では1台30万円の基準額が当てはまります。生産性向上推進体制加算の見守り機器は、ベッドからの離床を感知して職員へ通報するセンサーとして定義されています。加算の算定も考える施設は、センサー型も候補に入れて比べてください。
CareBase(ケアベース)は見守り機器を入れた施設の記録や委員会の議事録づくりに使える?
使えます。CareBase(ケアベース)は介護記録をスマホやタブレットで入力して職員間で共有でき、CareBase(ケアベース)AI議事録は委員会の録音から議事録の下書きを作り、職員が確認して確定します。AI議事録の料金は録音1時間あたり500円(税抜)で、初期費用はかかりません。CareBase(ケアベース)本体の料金は1施設あたりの月額制です。プランにより異なりますので、詳細はお問い合わせください。
会議の録音ファイルを入れ、生産性向上推進委員会などの会議種別を選んで議事録の下書きを作り始める新規作成画面(出所: CareBase(ケアベース)AI議事録 製品画面)
まとめ
介護施設の見守りカメラは、都道府県の介護テクノロジー導入支援事業で1台30万円を基準額に補助を受けられます。補助率と契約してよい時期は都道府県の要綱で決まり、施設系・居住系は生産性向上委員会の設置が条件です。次の公募の前に委員会と業務改善計画と見積をそろえておけば、交付決定後、迷わず導入と効果の記録に取りかかれます。
CareBase(ケアベース)は介護記録・申し送り・動画マニュアルをクラウドで一元化し、見守り機器に合わせて記録と手順を変える施設に向いています。委員会の議事録は、録音1時間あたり500円(税抜)のCareBase(ケアベース)AI議事録で下書きを作り、職員が確かめて確定できます。
補助で入れた見守り機器を記録と教育で定着させたい方は
CareBase(ケアベース)のサービス資料を確認
次の委員会から録音で議事録の下書きを作りたい方は
CareBase(ケアベース)AI議事録の資料を見る
介護ソフトの導入や見直しをご検討中の方は、まずは情報収集から始めてみませんか。
carebase(ケアベース)では、現場に定着する介護記録システムとして、多くの事業所でご活用いただいています。
費用や機能、導入事例について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
carebase(ケアベース)の無料体験、
資料請求、お問い合わせはこちら